ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走 : 特集
制御不能の新車が160キロ大暴走! 渋滞激突を目前に家族が秘密を暴露!
極限状態なのにハートフル? この《オンリーワン作》を映画好きにオススメする
フランス映画界を引っ張る若きヒットメーカー、ニコラ・ブナム監督が手がけ、国内で大ヒットを記録したハートフル・コメディ「ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走」が、7月22日から全国順次公開。最新機能搭載の新車で、バカンスに出かけた仲良し家族。だが、運転中にトラブルが発生し、車は時速160キロでハイウェイを爆走し始める! 謎の女、警官隊、果てはフランス全土をも巻き込んだ大騒動に発展、果たして家族は“暴走する密室”から無事に脱出できるのか!?
[映画ファンにオススメ!]
緊迫! 爆笑! 感動も!? 同時に味わえるのは本作だけ!
「極限の密室」で「秘密暴露」! 「家族のきずな」が試される!
「自家用車が時速160キロで爆走」と聞けば、映画ファンの多くは、手に汗握るノンストップサスペンスを予想するだろう。だが、本作の魅力はそこにとどまらない。次々と巻き起こる予測不能な爆笑ハプニング=コメディ、危機的状況で家族が団結していく姿=ヒューマンドラマをも盛り込み、意外性の詰まったストーリーで見る者を楽しませ、最後にはなんとも爽快な気持ちにさせてくれるのだ。「ドキドキ」「ゲラゲラ」「ウルウル」の三拍子そろったこんな作品は、滅多にない!
最新人工知能を搭載した新車「メデューサ」には、“オートドライブ”という速度制御システムが付いており、運転も楽々。……のはずが、機械トラブルが生じて時速160キロに固定&ブレーキは故障。悲鳴を上げる家族を乗せ、夏休み初日の渋滞に向かって猛スピードで突き進む! 脱出のすべはあるのか?
車の暴走だけでも大ピンチだが、家族の悲運はまだまだ続く。謎の同乗者、家族に恨みを持つ狂気の追跡者、スズメバチ……招かれざる者たちの襲来に加え、ワイパーが壊れて前が見えず、運転席のシートヒーターが起動して焼け石状態に。多種多様すぎるトラブルに、思わず笑ってしまうこと請け合いだ。
人生最大のピンチに、家族内にも不協和音が発生。妻の驚きの秘密が暴露されるほか、トラブルメーカーの祖父に息子が怒りを爆発させ、結束はバラバラに……。だが、本音をさらけ出した家族は、互いの愛情に気づき、再び団結していく。欠点を認め合い歩み寄る“再生のドラマ”が、ハートを刺激する。
[映画ファンにオススメ!]
想像の斜め上を行くハプニング多発!
ブレーキペダルが! 白バイが! 車内に変な女が!──一体何が起きてる!?
映画ファンに人気の「密室もの」は、場の展開が制限されるだけに作り手のアイデアが問われる難テーマ。だが本作は、これでもかと言わんばかりに次々とハプニングを投入し、見る者をまったく飽きさせない。ワイパー、速度制御システム、ブレーキペダルが続々と壊れるほか、濃すぎるキャラクターが突然乱入、家族の衝撃的な秘密が明かされて車内は騒然、さらには整形外科医の父に患者からひっきりなしに電話がかかるなど車外でもトラブル勃発!? 次に何が起こるのか、まるで予測が付かない!
速度制御システムが故障し、運転手の父は必死にブレーキペダルを踏み続けるが車はまったく減速しない。見かねた祖父が運転席にもぐりこんで力を加えると、負荷がかかりすぎたペダルはボキリと音を立てて折れてしまう。しかも祖父が運転席に引っかかり、運転すらままならぬ状態に! 一体どうする!?
暴走するメデューサはBMWと衝突し、運転席のドアを破壊して走り去る。愛車を無残に壊されてブチギレたBMWの運転手は、復しゅうを果たそうとどこまでも家族を追い回す! 目をギラつかせ、執ように追いすがる狂気の運転手と、パニックでそれどころではない家族。デス・レースの行方は?
家族を救うため、白バイ警官がさっそうと登場。「助かった……」と家族が安どしたのもつかの間、不運が重なり頼みの綱の白バイがまさかの横転! その間にも車はどんどん先へ進み、白バイは置き去りになってしまう。このままだと、メデューサは渋滞に突っ込み大惨事は必至。警備隊はどう出る?
「ウソだろ!? 車が止まらない!」突然の事態にパニックに陥る車内に、追い討ちをかける出来事が発生! なんと、後部座席に謎の女がひそんでいたのだ。ブルーの髪の毛に奇抜なファッション、エキセントリックな言動で翻ろうし、素性も一切不明の“不思議ちゃん”が、一家にさらなる嵐を呼ぶ!
家族&白バイ隊の奮闘もむなしく、車は一向に止まる気配を見せず、大渋滞は目前に迫る。絶望のカウントダウンが始まり万策尽きたと思いきや、警察とレスキュー隊は“奥の手”としてある驚きのプランを実行する! だがそれは、家族も命がけの危険極まりない内容だった。大暴走劇の結末はいかに?
[映画ファンにオススメ!]
アカデミー賞スタッフによるフランス大ヒット作!
「アーティスト」の製作者が本気で挑んだコメディ→クオリティも太鼓判!
本作が単なるコメディにとどまらないのは、ストーリーの独自性はもちろん、スタッフの豪華な顔ぶれも理由の1つ。近年のフランス映画の潮流を変えたといっても過言ではないオスカー受賞作「アーティスト」の製作陣と、ヒット作を連発する人気監督が初タッグを組み、本国では100万人以上の動員を記録している。これらの事実を見ても、本作が映画ファンの“良作のものさし”に訴えかけるクオリティだということは十二分に伝わってくる。
第84回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞など5部門受賞作「アーティスト」を世に放った名プロデューサー、トマ・ラングマンが製作を務めるのも映画ファンには好ポイント。同作や第67回カンヌ国際映画祭の正式出品作「あの日の声を探して」で培ったノウハウが、存分に発揮されているのだ。
本作は、本国フランスでは4週連続トップ10入りを果たし、100万人以上を動員したヒット作。日本人の約2.5倍映画を見るフランスの人々に、広く受け入れられた格好だ。「グランド・イリュージョン」のジョゼ・ガルシア、「アメリ」のアンドレ・デュソリエといった人気俳優の出演もうれしいところ。
本作のメガホンをとったニコラ・ブナムは、「世界の果てまでヒャッハー!」や、英語リメイクも決定した「真夜中のパリでヒャッハー!」で立て続けにヒットを飛ばした注目の俊英監督。本作ではお得意のギャグ描写だけでなく迫力のカーアクションも描き出し、引き出しの多さを見せ付けている。
昨今話題の“自動運転”ヘの警鐘もチラリ。人工知能が暴走し、速度制限が効かなくなるという本作のテーマは、自動運転化が進む現代社会において「来るべきAI時代」へのアンチテーゼと見ることができる。笑いの中に風刺を混ぜるエスプリの効いた演出も、映画ファンの観賞欲をくすぐる要素の1つだ。