「僕の話でもあった。」羊と鋼の森 奥嶋ひろまささんの映画レビュー(感想・評価)
僕の話でもあった。
ピアノの調律師となった主人公。
途中主人公も言ってたけど、
誰かと戦うわけではないので、
こじんまりした話になるのでは?
どこに結末を持って行くのだろう?
と思ってたけど、
良い雰囲気で良いところに着地したと思う。
山崎賢人さんは演技が上手いとは思えないけど、
優しい雰囲気を纏ってて心地よかったし、
自分の修行時代と重なって、
自分の物語にもなった。
調律に失敗してテンパるシーンなんて、
アシスタント時代、何時間経っても背景が描けず、
世界がぐにゃぐにゃに歪むあの感覚を思い出した。
鈴木亮平さんの先輩としての佇まいも素晴らしかった。
頼もしいったらありゃしない。
ただ、調律と森がどうしてもイコールにならず、
むしろ途中に挟まれる眼森を歩くシーンや、
ピアノの演奏中に水の中を泳ぐシーンなど、
何を意味してるのかよく分からず、
邪魔とすら感じた。
原作ではちゃんと説明されてるのだろうと言うのは
分かるのだけど、
最後の優しさを集めた物が音楽なら、その森を歩く?
みたいな台詞もよく分からなかったし、
ピアノを食う→ドヤ顔、
もはぁ?と思ってしまった。
主人公の成長と自分が重なるだけに残念ではあった。
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