「静謐な作品」羊と鋼の森 あいわたさんの映画レビュー(感想・評価)
静謐な作品
ピアノの調律に真摯に向き合う青年のストーリー。
舞台は北海道のとある町、というところだろうか。落ち着いた町と冬の雪が美しいピアノの音を際立たせていた。
一癖あるキャラクターばかりだが役者も良かった。山﨑賢人も真面目で不器用ながらも情熱を隠し持った主人公を良く演じていた。(山﨑賢人はやはりこういう変化球の役がよく似合う。所謂好青年を演じるとどうしても軽薄な印象がある。)上白石姉妹も良かった。妹の萌歌は久しぶりに見たな。(デビュー当時は妹の方が注目されていたように思うが。)
ただ、ピアノの調律って活字なら機微が伝わっても、映画化するには繊細すぎる世界だと思う。主人公が雪の中で転びまくる演出もちょっと。。。雪があれだけ積もっている中で慌てて走ればどうしたって転ぶのは分かるが、雪国生まれの主人公がそんな危険なことするわけがない。慌てたことを強調する演出にしてもあの回数はしつこくて興醒めだった。
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