劇場公開日 2017年7月15日

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劇場版ポケットモンスター キミにきめた! : インタビュー

2017年7月14日更新
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本郷奏多&佐藤栞里“ポケモン声優”挑戦への覚悟「歴史を汚すわけにはいかない」

国民的アニメの20周年記念作「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」が7月15日から公開される。ゲスト声優に抜てきされたのは、俳優・本郷奏多とモデルでタレントの佐藤栞里。ともに26歳。“初代ポケモン世代”の2人は、「嬉しい」「夢のよう」と参加の喜びを噛み締める。だが“幸せな挑戦”の裏には、歴史ある作品を「汚すわけにはいかない」という覚悟があった。(取材・文/編集部、写真/江藤海彦)

(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・ TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2017 ピカチュウプロジェクト
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・ TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2017 ピカチュウプロジェクト

劇場版第20作となる今作は、20年前に放送されたテレビアニメ第1話のラストで、伝説のポケモン、ホウオウを目撃したサトシとピカチュウが交わした「いつか一緒にあいつに会いに行こう」という約束の続きを、完全オリジナルストーリーで描く。本郷はポケモン博士を目指すトレーナー・ソウジ、佐藤は男勝りなトレーナーのマコトの声を務めた。

幼少期にポケモンに夢中になったという2人。その“ポケモン愛”は筋金入りだ。

本郷「小さいころからアニメを見ていましたし、ゲームシリーズは今でもやり続けています」

佐藤「初めて母と一緒に見に行った映画がポケモンだったことを覚えています。そして、ポケモン初体験はゲームでした。先輩に手伝ってもらいながら、みんなで協力して、ジムリーダーに勝ったりしてましたね」

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そんな彼らが、大人になった今、かつて憧れたポケモントレーナーを演じることに。だが作品に臨む思いは、喜びばかりではなかった。テレビアニメのレギュラー声優を務めるなど、声優経験が豊富な本郷は「いつも『お邪魔させていただいている』という気持ちでやっています」と表情を引き締める。「本業の人よりも努力しないといけないと思っています。それを生業をしている人たちに失礼なので」。

現場の緊張感を幾度も味わってきたからこそ、どこまでも自分に厳しい。「作品の歴史を汚すわけにはいかない。観客に『他の考えを芽生えさせてはいけない』と思っています。例えば、せっかく良いシーンなのに、お客さんに『こいつがしゃべった瞬間に現実に戻る』と思わせてしまうこと。見てくださる方、作っている方々、これまでの歴史に対して失礼になってしまうので、作品の中にしっかりと入り込んだ芝居ができるよう意識しています」。

一方の佐藤も、全く異なる角度から、同じ思いにたどり着いていた。天真爛漫なキャラクターで人気を集め、「1億人の大質問!? 笑ってコラえて!」や「王様のブランチ」など長寿番組のレギュラーに次々抜てきされたが、そこにはプレッシャーもあったという。その経験を踏まえ、“ポケモン声優”への挑戦を「みんなに愛されて、成長を重ねてきた作品なので、とにかく歴史を汚さないように、絶対に邪魔してはいけないと思っていました。同時に、私自身ポケモンが大好きで、作品の成長過程を見てきたので、視聴者の皆さんと一番近い感覚でいられたらいいなと感じています」と明かす。

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それぞれの思いを胸に挑んだアフレコ。本業の声優さながらの熱の入った演技を見せた本郷は、「実写の時の芝居と、声優としての声の出し方や芝居の仕方は、まったく違うものだと考えています。『どちらも同じ芝居』という姿勢で取り組むと、少し違和感が出てしまうのがアニメの世界だと思っているので、意識して変えています」と振り返る。

声優経験の浅い佐藤は、はつらつとした初々しい演技で、マコトに息吹を注いだ。「ほとんど演技経験がないので、他の人の気持ちになって感情を作る作業がとても難しかったです。自分の経験と重ね合わせながら、『私はマコトだ!』と気持ちを作りました。アフレコの2カ月くらい前から、『マコトだったらこうするかな?』と考えながら、日常生活を過ごしていました」。

演技指導を受けるなかで、ポケモントレーナーとしての心構えも学んだという。

佐藤「『前へ前へ挑みなさい』と、たくさん言われました。マコトは、前へ前へ向かっていく女の子。だから、『気持ちも格好も、前のめりでチャレンジして』と助言をいただきました。その一言で変わりましたね」

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本郷「例えば敵の攻撃を食らうシーン。台本には『敵の攻撃を受けるソウジ』としか書いていないので、攻撃を受けたリアクションをしたのですが、監督と音響監督に『気持ちが負けすぎている。攻撃をくらいながらもソウジの気持ちは前を向いている』と言われました。なるほど確かにと。トレーナーは『絶対に倒せる。あいつをゲットしてやろう』と思っているんです」

歴史ある作品の現場で“ポケモン魂”を注入された2人。「わかりやすくわくわくできる作品。だから、子どもも大人も一緒になって楽しめる」(本郷)、「ポケモンは、主人公が仲間とともに前に進んでいくので、今この夢が叶ってるのは仲間や両親のおかげなんだろうなとか、周りの人の大切さを教えてくれるはず」(佐藤)と願いを込めた。

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