ノクターナル・アニマルズのレビュー・感想・評価
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赤毛とお尻と現代アートとテキサス
衝撃的なオープニングがまさか現代アートの展覧会に結びつくとは。
TOM FORDとテキサスも結びつかない。
20年の歳月を演じ分けるエイミーアダムスとジェイク・ギレンホール
実際の出来事なのか小説の出来事なのか判別つかなくなりそうになるギリギリの感じが心地よい。
不眠症のスーザン対してウトウト
「何者であれ、罰を受けずに逃がすものか」
素晴らしい映画体験
オープニングから驚きの映画体験。
物質に侵された生活を印象付ける凄い画でした。
本が復讐だったのか私にはわかりませんでした。しかし、本の内容はエドワードが成長して強くなろうとしたのではないでしょうか?
もしも待ち合わせにスーザンが勝負服で飾らずに、もっとカジュアルなレストランだったらエドワードはきっと現れたのではないでしょうか?
流行と物質の最前線と言えるところにいるトム・フォードの自己否定と完全には否定出来ないところが見え隠れするような作品でした。
大変面白かったです。
その原稿は彼女の過ちの証拠
華やかな仕事をこなす裏で夫との生活に不安を抱える女性。ある日元夫から小説が送られてくる。
冒頭の映像のインパクトと結末の虚無感のギャップ。
現実と想像の中間に浮遊したような、感覚を置き去られたような気分に飲み込まれた鑑賞後。
作品を通じて復讐を企てるなんてクリエイティブな発想の極みであって少し気持ち悪い。
小説の中でところどころ見える元夫の主張はなんとも虚しいものが多く、彼が求めた結果は何だったのだろうと何通りもの想像をしてしまいました。
過ぎた時間と対峙するのには必ずきっかけがあって、きっとそれはトラウマに近い。
著名デザイナーのトム・フォードならではのエンドロールで、並ぶブランド名も圧巻でした。衣装も小物も美術品も目に余る美しさの一作。
面白かった
幽霊とか呪いとかそういう類のホラーよりよっぽど怖い。物語が進むにつれてじわじわと指先が冷たくなっていった。
サスペンス映画としてすごく面白かった!
監督がファッションデザイナーなだけあって衣装もメイクもインテリアもめちゃくちゃスタイリッシュで素敵だった。目の保養。
LOVE⇔REVENGE
この復讐劇は、あまりに美しい。
エドワードは「ノクターナル・アニマルズ」をスーザンに捧げることで、彼女に何を伝えたかったのだろうか。
「ノクターナル・アニマルズ」は、復讐の残酷なまでの無価値さを描いている。我々は、信じることを恐れるべきではない。失ってから後悔してはあまりに遅すぎる。復讐は、ただ自分の身を滅ぼすだけである。
エドワードは確かに弱いかもしれない。しかし、彼には強い意志がある。それは何にも代えがたい彼の魅力であり、武器だ。エドワードの作品は彼の意志そのものである。それは気づきを与え、変化をもたらす。それは復讐による愛であり、愛による復讐である。復讐と愛は表裏一体・等価・同値なのだ。
彼女が「ノクターナル・アニマルズ」に惹かれ、彼を想う。彼を想うことで彼女はかつてのNocturnal Animalと変貌する。しかし、彼女は自らの物質主義的側面を捨てきれない。そうして彼の意志に気がついた時には、もう遅すぎる。愛は、物質主義の前では復讐同様に無価値なのである。
「ノクターナル・アニマルズ」は、物質主義においては何もかも無意味であるという彼の意志だ。
愛も復讐も、本来これほどに美しいものであるというのに。
どこを切り取っても美しい絵画のよう
「シングルマン」のトム・フォード監督作品2作目ということで、期待値を上げすぎたかもしれないと思っていましたが、想像以上でした。
衣装、アート作品はもちろんのこと、ストーリーも俳優陣の表情も何もかもが印象的で、もう一度観たくなります。
暴力的なシーンに背筋が凍るときもありますが、人の心の奥深いところにするりと入り込んで揺さぶることができる作品に出会えて幸福です。
開眼
主演男優女優助演男優賞持ってけドロボーと言いたくなる程の名演技の数々。
皮肉屋の脳味噌を擽る画面演出に唸らされる。
本来見るに堪えない代物であるのに、それどころか凝視してしまう挑発的な冒頭。
虚飾を纏い、虚構に周りを固めた現実主義者に対する圧倒的且つ根源的な恐怖を孕んだ物語。
主人公であるトニーにエドワードを投影しているところに、無自覚の見下しがある。
彼女の恐怖と期待を煽り、過去に縋り付きたくなる程の小説。
作り手としては、さぞ愉快な事だろう。
だが、仮に憎み復讐しようとして、あの様なある種粋な計らいをするだろうか。
スーザンの目は弱さを湛えながらも力強く前を見つめていた。
そんな不眠症の眠り姫を己の弱さで目覚めさせた彼の行いは愛としか言いようがない。
ジェットコースターに乗った気分になる映画(褒めてない
役者の演技も、物語の筋も、画面のレイアウトもナカナカに良質でサスペンスとして良くできた作品である。
とは言え、明らかにカット割りに失敗しており、それを強く感じたのは頻出する二人が向かい合って話すシーンだ。
一方の話者の表情をアップで写すと、もう一方の表情をアップで0.5秒ほど差し込み。また話者のアップに戻す。
それを受けてもう一方が返すのでその表情をアップで写し、反応を0.5秒ほどアップで差し込み、また話者のアップに戻す。
と単調な画面が目まぐるしく転換するシーンが何分も何回も続くのでどうしても飽きが入るし、乗り物酔いに近い感覚に陥ってしまう。
乗り物酔いしやすい人は、その対策をしてから臨むと良いだろう。
全てが上品、暴力さえも
監督・トム・フォード
出演・エイミーアダムス、ジェイクギレンホール、マイケルシャノン
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めちゃくちゃ上品
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デザイナー、トムフォードの映画2作目。たまらんオープニング、美しいカット、音楽の数々、役者陣の見せ方、セリフの少ない上品な語り口、良い映画の作りそのものに見えるが。
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全てが上品。暴力さえも上品。
しかし暴力的で衝撃的な内容と噂の映画内の小説"ノクターナルアニマルズ"がそんなにたいしたことなかった.
"美しさ、愛"と表裏になる"醜さ、暴力"を、もっと醜い、下品な暴力的なカットにしたら、美しさもより際立ったように思った。というか暴力には見えなかった。少しも恐怖、嫌悪は抱かなかった.
全部が上品すぎ、悪者でさえも。
1番良いオープニングのシークエンスを上回る衝撃カットがないのがいまいちな印象。あれはまさに"美醜の表裏"を捉えた!って感じだ
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演技、役者も素晴らしすぎる。これだけでも観る価値は当然有り!特にマイケルシャノンが間の使い方とか最高!!
何度でも見たい
前作「シングルマン」から待望の新作にして2作目。いい意味で裏切られた。トムフォードがこんなワイルドな表現もするんだと驚いたし、現在・過去・創造の世界をうまく心理状態を重ねて効果的に描いている脚本も素晴らしい。
ジェイクギレンホールの演技に引き込まれる、どんな気持ちで小説を書いたかと思うと・・・・気持ちがザワザワしてくる。
保安官の役者もすごくいい。赤いソファやアート作品、テキサスの砂漠に続く道路など、視覚も刺激される。
前作とジャンルは違うのに、「復讐」がキーワードでも「エレガント」さを感じる。
「シングルマン」も何度もリピートする映画だったし、これもまた何度も観たい。購入しておいた小説を読みはじめたので、トムフォードがどんな風に構想を膨らませたか映画と比べて楽しもうと思う。
最高
トムフォードはデビッドフィンチャー、メルギブソンにならぶ近年の名監督になると確信した作品。
テーマは人生における選択。選択を誤らないために成長してるか?ということを思いつまされた。
絵画のようなカット、抜群にはまる音楽。
やっぱりセンスのいい人は服を作っても映画を作っても同じ。
DVDを買って何回も観たい作品です。
なるほど
161本目。
オープニングで度肝をいや、大分ひいてしまったけど、観て行く内にどっちが現実か分からなくなって、最後はこれが彼のリベンジって事かと。
ジャブが来たと思ったらボディが来てジワジワ効いて来た所にストレート食らった。
やっぱり。
やっぱりなと。
トムフォードは明確な答えを出さない。というか、答えがわからない!難し過ぎるよ!
実際、彼の作り上げた芸術的レイアウトやファッションに目がいきすぎてストーリー入ってこない疑惑もありますね。
ジェナマローンが出てきた瞬間は超興奮しました。劣化うんぬんより嬉しくてしょうがなかった。ああいう背景が似合う役者さんですね。
この映画、みんな本格派の俳優さんたちばかりである意味癖が無かったですね。
シンクロ加減はマジですごかった。シンクロナイズドモンスターより凄いですよたぶん(見てない)
ファッションに関して。エイミーアダムスの衣装が凄くツボで、ほんと真似したくなりました。美しかったです。それに相対するテキサスの描写がより美しさを際立たせてたような、、。
ジェイク(エドワード)の愛してる人を大切にしろって当たり前だけどなかなか出来ていないことだなと。
衝撃的
とてもスタイリッシュな映像と構成。
ストーリーは衝撃的でした。
エドワードの小説は本当に怖すぎる。。。
スーザンへの復讐なのか、弱い自分への戒めなのか…
考えただけでゾッとします。
とにかく衝撃的で最後まで見入ってしまいました。
トム・フォードの美意識が冴え渡る。
スタイリッシュでハイセンスな映像と音楽、終始張りつめる緊張感。 一本の時間軸の中で、同時に繰り広げられる架空のストーリーが観る者を欺く。
トム・フォードのサスペンスという事で、とても楽しみにしていました!
昨今の現実離れしたサスペンスとは一線を引き、比較的平凡なストーリーなのですがそこは流石トム・フォード。
シャネルやコムデギャルソンなどファッションは当然の事、インテリアや小物に至るまで、隅々に彼の美意識が行き、特に今回主人公のエイミー・アダムスがギャラリストという事もあり、チラッと出て来るダミアン・ハーストやジェフ・クーンツの作品など本物へのこだわりが素晴らしい。
この誰の人生にも起こり得るストーリーを、現実離れした美しくゴウジャスな世界観を背景にする事により、より深くミステリアスなサスペンスを生み出す事に成功している。
トム・フォードの美意識が冴え渡る、インテリジェンスに富んだ作品でした。
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