劇場公開日 2017年11月3日

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ノクターナル・アニマルズのレビュー・感想・評価

全107件中、1~20件目を表示

4.0すべての表現には真実が宿る。その真理が刃のごとく胸を貫く、凶暴かつ深遠な怪作

2018年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

知的

前作の静謐さからガラリと変わり、凶暴性と混沌の中に表現者としての研ぎ澄まされた真理を忍ばせる。誤解を恐れずに言えば、前半部分には胸をかきむしりたくなるほど困惑させられたし、不意に突き落とされる闇の深さには絶望の二文字すら浮かんだ。が、そこからトム・フォードの目論見が徐々に浮かび上がってきてからは、またしても鋭利な刃物で貫かれたみたく思い切り目を見開かせられた。

「創られしもの」が内包する、ある種の真実。世の中にはファンタジーやSFの構造を借りてそれらを器用に行き来するものもあるが、この作り手は細部にまで神経を行き届かせながら巧みに繊細な襞を織り込んでいく。ふと映る人、車、言葉などの要素が反響しあっていることに複数回の鑑賞でようやく気付いたりも。すべての表現には真実が潜む。本作がトム・フォードの内面投影だとするなら、映画が幕を閉じる時、そこには三重の表現世界が層をなしたことになるのだろう。

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牛津厚信

4.0コスチュームを介した現実と虚構の逆転劇。

2017年11月17日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

自分を見限った元妻に渾身の自作小説を送りつけ、架空の物語を通して封印してきた現実の思いをぶつける男。それを読み進むうち、次第に架空の世界に魅了されていくヒロイン。稀に見る間接的復讐劇の登場である。そこに、世間の古い価値観と格闘してきた監督、トム・フォードの怨念が凝縮されていそうだが、主人公のキュレーターが身を置く現実世界が虚飾に塗れていて、小説の方がよりリアルという空間の逆転を、俳優たちが着用するコスチュームによって表現したところも、デザイナーでもあるフォードらしい。中でも、小説に登場するマイケル・シャノン扮する警部補が着る、いかにもテキサンらしいワイルドなカウボーイ・スタイルには、フォードにとって今は遠くなった故郷、テキサスへの熱い思いが感じられて、ちょっと切なくなる。

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清藤秀人

4.5映像の美、構造の妙。

2017年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

興奮

知的

エイミー・アダムス扮する画廊オーナーのスーザンのもとに、売れない小説家だった元夫(ジェイク・ギレンホール)から校正原稿が届く。映画の構造としては、スーザンの公私の現在と過去の回想、スーザンが読み進む小説世界での出来事が交互に描かれる。小説内の主人公をギレンホールが2役で演じ、小説内の妻をアダムスに似たアイラ・フィッシャーが演じることで、スーザンが小説内の夫婦に元夫と自身を重ねていることが示唆され、スーザンが否応なく引き込まれる感覚がリアルに伝わってくる。

ファッションデザイナーとして名を成したトム・フォード監督らしく、スーザンの現在の映像はファッション、インテリア、アート作品でハイセンスにまとめられているが、冒頭の全裸の太った女性など、前衛アートを皮肉ったような「醜」を挿入してアクセントを添える。洗練された現実世界と、不穏な気配に満ちたワイルドな小説世界の対比も効果的だ。

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高森 郁哉

3.0のっけから不穏な空気プンプン

2024年2月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

こんなにインパクトあるオープニングは他にあっただろうか!変な汗だらだらで始まって5分でバテてしまった…
やたらシャープな映像に、目を背けたくなるほどの残酷なシーンの連続。そして、ところどころで映し出されるとてつもなく壮大で美しい大自然。めくるめくジェットコースターストーリーに、とにかくメンタル的にやられてしまう。
ラストシーンの解釈も本作の話題のひとつのようだが、個人的には疲れ果ててしまって追求する元気なし…(汗)
映像やストーリー等々とても凝っていたと思うのだが、個人的にはどうしても残酷過ぎる印象が強く、星3つ止まりというところか。

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いけい

2.5むずい

2023年12月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

小説の話し、現実での現在・過去の話し、途中からわからなくなりました😭
小説の内容からしても、とても体力のいる映画だと思いました、、、。

他の人の考察見て楽しみます笑

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うさぎどん

3.0終わり方が駄目

2023年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

映画の中の更に小説の話だけど、めちゃくちゃ理不尽やなあと思って見てたけど、
見せ方とかは面白かったが、えっ、終わり?っていう終わり方。。
こういう終わり方の映画ってたまにあるね。

エイミー・アダムスはやっぱ好きだな。

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sin

4.0エンディングは人それぞれか

2023年4月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

作中の現実とフィクションを行き来しながら、観るものの想像力をかき立てる脚本だった。
一歩間違えば酷評になりかねないが、芸術と空想のスパイスがなんとも不思議な脚本を紡ぐ辺り、そのバランスは見事だった。

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Iwarenkon

4.0オープニングのインパクトすご

2022年8月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

元旦那からの小説の世界と現実と過去がリンクしながら螺旋のように進行していく。

--------
この物語は僕にとって、人を投げ捨てにしてはいけない、という事を表している。現代、僕らはなんでもかんでも簡単に捨ててしまう文化の世界に住んでいる。すべては消耗品で、人間すらも捨ててしまう。

スーザンは自分が求めていたものすべて、外側から見れば自分の理想の人生を手に入れているが、内側は死んでいるんだ。そしてこの小説がきっかけでそのことにはっきり気が付く。彼女自身もほとんど気づきかけていたことなんだけれどね。

これが中心のテーマなんだ。僕にとってとても重要なね。誰かを大切に思うなら、誰かを愛しているなら、投げ出してはいけない、手放してはいけない。

(「ノクターナルアニマルズ トムフォード監督が解き明かす解釈。」より引用)

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soleilヾ(´ε`○)

3.0結局、皆弱いのでは?

2021年12月5日
iPhoneアプリから投稿

夢を追うロマンチックな元夫との子を中絶し、離婚し、お金には困らない不自由ない暮らしをしていたが、それにも物足りなさを感じる主人公。

才能を否定されて、捨てられるも、19年越しに才能を認めさせるリベンジを果たすも"その行為そのものが弱い"元夫。

小説の主人公の弱さも、警察官が病気と権力には勝てず、法を犯すことでしか気を晴らせないことも。

犯罪を犯す田舎のチンピラどもも。

中指立てて、罵るも、レイプされて殺される娘も。

全て、人の弱さを表してる気がする。

「夜の獣とは人の弱さのこと」かな?

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Daichi Kitakata

3.52つの復讐

2021年6月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

芸術家として富と名声を手に入れたものの、夫との関係に深い溝を抱えるスーザンのもとに元夫から小説が届き…。

前衛的すぎるオープニングに度肝を抜かれたが、全体としては人間を繊細に描いた復讐劇で終盤はただただ切ない。俳優の演技で心揺さぶられる作品です。
ジェイク・ギレンホールの透明性のある演技はもちろん素晴らしいし彼目的で本作を鑑賞したけど、アーロン・テイラー=ジョンソンのガチクズ演技がぶん殴りたくなるほどハマっていました。

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shotgun

3.5サイコ煽り運転野郎どもからのサスペンス

2021年5月12日
スマートフォンから投稿

身の毛もよだつ「煽り運転被害」のシーンが延々と続きます。そこで嫌気がさしてしまう方もいるかもしれません。そのシーンは元旦那の書いた小説の内容だったんですね。切り替わりがよくわからなかった。いや、それはただの小説なのか、、、
見てのお楽しみです。

昔は田舎道を夜中に走ったり、健全ではない生活をしているとわりと煽り運転の被害に遭う確率が多かったけど(職務質問遭遇率も似たようなもの)今は昼間に健全と普通に安全運転をしていてもサイコに絡まれることがあるからね。理不尽極まりないよ。
所在なげに昼間や夜中に外にいないことだね。屋内にいるか忙しそうにオフィス街にいるかしないとすぐ不審者扱いだ。
前科のある方は尚の事面倒くさいね。

6割くらい進んだところで心臓が弱い方には
腹の立つ脅かしがあるので気をつけて。

残酷な内容もキツい人にはキツいと思います。

最後のラストは元旦那の復讐だったとと言う事か?
それとも小説の内容は現実の、、、
あの待ち合わせのメールは誰が、、、

謎めく終わり方でした。

最後まで引き込まれるなかなかのサスペンス作品でした。

たまにこう言うたまたま見てみたら思いのほか面白かったというパターンでした。

数年前に婚活アプリで知り合った元GUCCI店員で画廊で働くめちゃエレガントな高嶺の花のいい女と麻布十番のイタリアンレストランで会った事を思い出した。

僕が本当は金持ちではない事をすぐに見抜かれてLINEを即ブロックされたっけ。

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コメンソ

5.0才能ありすぎ

yさん
2020年10月7日
PCから投稿

トム・フォードすごい……
才能ありすぎ…
衝撃的すぎて完全に食らった…

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y

3.5レビュー

2020年8月4日
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あまりの生々しさに不快感を感じながら、引き込まれ、目を離せないシーンが多すぎる😇

虚しさの中でリッチな生活をしている女性は、元夫から送られてきた小説に、魅せられながらも、心の深部を削られていく…
観てるこちらも削られます🦊💦
大人向けではあると思います🌞

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みそしる

4.5深く傷つき先へ進めない男の復讐物語

2020年7月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

5回観ました!

テーマは「愛」?

過去・現在・小説
3つの軸でリンクして物語が進み

色んな揶揄があり
見るたびに新しい発見できて
とても味わい深い作品でした!

鑑賞時の自分の心境によって、また見え方が変わる作品だと思います。

●オープンニングの、裸のふくよかな女性が踊るシーンはインパクトがあり、どんな揶揄か、最後まで見るとわかります。

→私は、スーザンの手厚くしてくれた男性への怠慢を表現しているのだと感じました。

●劇中の小説の内容はショッキングなものですが、それは一体、元夫エドワードがスーザンにどんなメッセージを送りたかったのか?

→ラストシーンを含めて、私はエドワードの復讐だと思いました!劇中に登場する家族、それはエドワードが失なったモノ。それがすべて、エドワードのメッセージ。

●「ノクターナルアニマルズ」小説のタイトル、これは何を指してるのか?

→私は、スーザンやスーザンの家族のことだと思いました。

一見、主人公はスーザンですが、実は、エドワードの物語だと思いました。

男性目線、女性目線では感じ方が違うと思いますが、男性目線の作品だと思います。

ファッションデザイナー、トムフォードの作品だけあって、アート的な表現も楽しめる作品です。

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Angie Lee

4.5すごく惹き込まれた

2020年4月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 途中から劇中劇がメインなのか、本筋のストーリーがメインなのかわからなくなった。スーザンに元夫のエドワードが送ってきた小説をスーザンが読み進むたびに、映画の中では映像として再現される。
 最初のシーケンスは、旅行にいく家族が携帯電話の電波も通じない辺鄙な場所で、しかも真夜中に、チンピラたちに絡まれる。これがまた、チンピラのたちの悪さとお父さんの弱々しさが相まって、見ているのがつらい。名古屋アベック殺人事件を思い出してしまった。その先の悲劇的な展開が想像できるほど、チンピラたちのいたぶり方、弱みにつけ込むやりかたというのが、実に生々しい。演技という意味では、完璧と言っていいほど、観客に不快感を与える。

 もう途中から、小説の方に興味が惹きつけられてしまい、現実世界の方がサブストーリーに感じるくらい。ジェイク・ギレンホールは、さすが上手いね。暴力や恐怖に怯んでしまう弱々しい男を見事に演じてる。

 ラストシーンの意味は、なんとなくわかったが、あまりにも余韻がありすぎ。気になってネットで検索していたら、トム・フォード監督の解説を見つけた。なるほど、そうなんだと一人合点。トム・フォード監督は、ファッションデザイナーとしても大成功しているっていうじゃない、天は二物を与えすぎだね。次は、どんな映画を作るんだろう。

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bion

3.0小説パートは良かった!!

2020年3月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

単純

オープニングの謎のグロ映像で吐いたり寝込んだりした方もいるのではないでしょうか。小説パートは怖くて面白かったですが、正直ヒロインに固執する理由もヒロインの魅力もそこまで感じなかったので、期待したようなオチ(2つのパートが融合する)も無く残念でした。

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*.꒰ঌ𝔸𝕟𝕘𝕖𝕝𝕠໒꒱.*

4.5現実世界では何も起こっていない

2020年3月9日
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現実世界では何も起こっていない。劇中劇の配役など、主人公が読書をするさいに心の中で繰り広げるイメージに、一喜一憂が宿る。
現実世界における主人公の元恋人同様、劇中劇の主人公にも、ジェイク・ギレンホールが配役されている時点で、「これは主人公が割り当てたのであり、監督が、分かりやすさのために割り当てたのではない」と気づかなければならない。
「この劇中劇は、主人公の元恋人が紡いだ文章そのままではなく、文章から繰り広げられたイメージー主人公の中のー」だと。
かくして、現実世界の反映=劇中劇という立式がなり立ち、現実世界で過去に何があったのかを探る旅が始まる。それは本を読むのではなく、読み手の心を読む旅だ。本の中ではなく、主人公の脳内に。

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f(unction)

4.5ネクラ男の執念に拍手

2019年12月3日
iPhoneアプリから投稿

どん底まで叩き落とされた男の執念に拍手喝采。決して明るい映画ではありませんが、爽快感感じさせますね。

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Ryuichi Sekiya

3.0劇中劇、過去、現在

2019年10月20日
iPhoneアプリから投稿

元夫の小説を読みながら過去を振り返り、元夫を理解できなかった自分を後悔し、富と名声は手に入れても幸福感のない今のスーザン。小説(劇中劇)、過去、現在が入り組んではいるけど、スーザンの表情の使い分けとか画面の色(過去は少し暖か味があるけど現在は冷たい感じ)の使い分けでこんがらがってしまうことなく観ることが出来た。
冒頭のあのアートが強烈‼︎‼︎ 実際にあれがアートって公開されたら、ちょっとどーよっ!で感じ。アレがあったから劇中劇の母娘の裸体や現在の娘の裸体のキレイさが際立ってはいたけれど。とにかくインパクト強過ぎで、しばらく頭にこびりつきそう😰
きっとよく出来ている映画だと思う。あと2回くらい観たら良さが分かるような気はするけれど、多分観ない。

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アンディぴっと

4.0映画監督トム・フォード

2019年10月1日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公(エイミー・アダムス)はギャラリーのオーナーで成功を収めていたが、人生に物足りなさを感じていた。
そんな時、元夫(ジェイク・ギレンホール)から小説が届き、感想を聞かせて欲しい、と頼まれる。
この小説はある一家がハイウェイでならず者に襲われ、と言うストーリーで、どんどん引き込まれていく。
映画は二重構造になっており、復讐談のような小説の緊張を和らげながら、主人公の転機を描く。

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いやよセブン