ノクターナル・アニマルズのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ

劇場公開日 2017年11月3日
96件中、1~20件目を表示 映画レビューを書く

すべての表現には真実が宿る。その真理が刃のごとく胸を貫く、凶暴かつ深遠な怪作

前作の静謐さからガラリと変わり、凶暴性と混沌の中に表現者としての研ぎ澄まされた真理を忍ばせる。誤解を恐れずに言えば、前半部分には胸をかきむしりたくなるほど困惑させられたし、不意に突き落とされる闇の深さには絶望の二文字すら浮かんだ。が、そこからトム・フォードの目論見が徐々に浮かび上がってきてからは、またしても鋭利な刃物で貫かれたみたく思い切り目を見開かせられた。

「創られしもの」が内包する、ある種の真実。世の中にはファンタジーやSFの構造を借りてそれらを器用に行き来するものもあるが、この作り手は細部にまで神経を行き届かせながら巧みに繊細な襞を織り込んでいく。ふと映る人、車、言葉などの要素が反響しあっていることに複数回の鑑賞でようやく気付いたりも。すべての表現には真実が潜む。本作がトム・フォードの内面投影だとするなら、映画が幕を閉じる時、そこには三重の表現世界が層をなしたことになるのだろう。

ぐうたら
ぐうたらさん / 2018年6月29日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  怖い 興奮 知的
  • 鑑賞方法:DVD/BD
  • コメントする
  • 共感した! (共感した人 0 件)

あの二人にまったく違った結末はありえたか? ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

元夫の意図がどこにあったのか、観る人の人生観によって多種多様な解釈があるに違いない。自分は入り組んだ暗い復讐劇だと思っているが、もしかして元夫がスーザンに最後のチャンスを与えていた可能性はないだろうか。

エドワードにとってあの小説は、自分がスーザンにどれほど傷つけられたかという告白であり、同時に彼女への執着を捨てられない裏返しでもある。決して許せないが愛することもやめられない女は、かつて2人で抱いた夢とは真逆の、物質主義に取り込まれたアートの世界に生きている。

小説に打ちのめされ、魅了され、再び元夫に気持ちを向けたスーザンが再会の場所に選んだのは、ハリウッドのスノッブなお高め和食レストラン“ヤマシロ”。着ているのは勝負服みたいに煽情的なセクシードレス。あの姿をエドワードはどこからか隠れて見ていたのではないか。もしスーザンが、身の丈の自分でエドワードに向き合うような場所と服装を選んでいたら、もかしてエドワードはスーザンの前に現れはしなかっただろうか。

バッハ。
バッハ。さん / 2017年11月30日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  怖い 興奮 知的
  • 鑑賞方法:-
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 7 件)

コスチュームを介した現実と虚構の逆転劇。

自分を見限った元妻に渾身の自作小説を送りつけ、架空の物語を通して封印してきた現実の思いをぶつける男。それを読み進むうち、次第に架空の世界に魅了されていくヒロイン。稀に見る間接的復讐劇の登場である。そこに、世間の古い価値観と格闘してきた監督、トム・フォードの怨念が凝縮されていそうだが、主人公のキュレーターが身を置く現実世界が虚飾に塗れていて、小説の方がよりリアルという空間の逆転を、俳優たちが着用するコスチュームによって表現したところも、デザイナーでもあるフォードらしい。中でも、小説に登場するマイケル・シャノン扮する警部補が着る、いかにもテキサンらしいワイルドなカウボーイ・スタイルには、フォードにとって今は遠くなった故郷、テキサスへの熱い思いが感じられて、ちょっと切なくなる。

MP
MPさん / 2017年11月17日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  知的
  • 鑑賞方法:試写会
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 1 件)

映像の美、構造の妙。

エイミー・アダムス扮する画廊オーナーのスーザンのもとに、売れない小説家だった元夫(ジェイク・ギレンホール)から校正原稿が届く。映画の構造としては、スーザンの公私の現在と過去の回想、スーザンが読み進む小説世界での出来事が交互に描かれる。小説内の主人公をギレンホールが2役で演じ、小説内の妻をアダムスに似たアイラ・フィッシャーが演じることで、スーザンが小説内の夫婦に元夫と自身を重ねていることが示唆され、スーザンが否応なく引き込まれる感覚がリアルに伝わってくる。

ファッションデザイナーとして名を成したトム・フォード監督らしく、スーザンの現在の映像はファッション、インテリア、アート作品でハイセンスにまとめられているが、冒頭の全裸の太った女性など、前衛アートを皮肉ったような「醜」を挿入してアクセントを添える。洗練された現実世界と、不穏な気配に満ちたワイルドな小説世界の対比も効果的だ。

AuVis
AuVisさん / 2017年11月8日 / PCから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  興奮 知的
  • 鑑賞方法:試写会
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

トム・フォードに脱帽

シングルマンまではまだデザイナーとしてのトム・フォードの範疇だったが、これは別物!
映画監督トム・フォードの真価が問われる2作目で素晴らしい傑作を撮りきったトム・フォードに最大の拍手を!

KNZN_bot
KNZN_botさん / 2018年7月12日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

重厚感のある愛の復讐劇

映像も衣装もそれはそれは重厚感があり、2つのストーリーが同時展開していくのもハラハラする。けれど結局は手の込んだ愛の復讐劇。

芝生は緑
芝生は緑さん / 2018年7月11日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

構成、ストーリーなど、良くできているのでしょうが、私にはレイプ殺人...

構成、ストーリーなど、良くできているのでしょうが、私にはレイプ殺人がキツかった😢

シゲ
シゲさん / 2018年6月20日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  怖い 知的 難しい
  • 鑑賞方法:DVD/BD
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

立派な映画

地味なのにずーっと面白い。
ルックは凝っているのに話がわかりやすい。
とてつもないセンスが感じられる映画でした。
説明がものすごく少ないので
映画的表現が豊かなんだと思う。
あとは、メインキャストの顔面演技がカンペキだった

nov
novさん / 2018年6月18日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

評判よいので、エイミーアダムス目当てで見たけど15分で挫折し、あと...

評判よいので、エイミーアダムス目当てで見たけど15分で挫折し、あとは倍速モード。きもい退廃芸術的な現実と、暴力的でダークな劇中小説イメージが、交互に繰り返されて、暗いったらありゃしない。ホントに倍速かと思うくらいタルい進みだし。え、これで終わり?ってなオープンエンドもどうだかなぁ。美意識高いのかもしれませんが、これを素直に楽しめる人とは、趣味が合わなすぎなので、見てたらすぐに移動してください。たしかに夜行性動物感は出てるけど。。

かんりにん
かんりにんさん / 2018年6月9日 / スマートフォンから投稿
  • 評価: 1.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

アート作品だね、これは。

見終わった直後の率直な評価は3.3くらいかなー、と言ったところ。
でもこの作品も先日観た『インターステラー』同様に反芻すればするほど自分の中での評価がニョキニョキあがる作品。

衝撃的なオープニング映像は気まずい程長い時間流されていて、一体どんな話なんだろ〜と不安がよぎる。が、これがトム・フォード監督の美的センスか!とわかるとしっくり腹落ち。作品中も劇中作と過去と現在とをオーバーラップさせるアート作品のような構図が何度も登場し、ただただ美しい✨

ストーリーについては色んな想いが湧いてきたけど一言で言うと本人に自覚はないけど血は争えない高飛車女の話。でも美しい。レンタルも数日前に始まったみたいだし、また観ようかな (๑>◡<๑)

らま+たん
らま+たんさん / 2018年5月13日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

予告映像から現実と小説が交錯して繰り広げられる夫の復讐劇かと思って...

予告映像から現実と小説が交錯して繰り広げられる夫の復讐劇かと思って観たら展開が別次元で肩透かし。ストーリーは面白かったものの一番印象に残ったのはオープニングの演出だった。

tsumumiki
tsumumikiさん / 2018年5月12日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

罪の獣たち、復讐の獣たち ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

トップデザイナー、トム・フォードの映画監督第2作。
監督前作『シングルマン』はあまり自分の好みに合わず。
今回はサスペンス。話も面白そう。
実はレンタルして来て、初見は途中で寝てしまった。疲れもあって。
もう一度見てみたら、まあつまらなくはなかったけど…

まずはやはり、トム・フォードのアート・センスが目を引く。
洗練された衣装の数々、白を強調したヒロインのオフィスやギャラリー、それと対照的な美しいナイト・シーン。
とりわけ強烈インパクトを放つのが、OP。もう何て言ったらいいやら…。是非ご自身の目で。
エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホールら実力派のアンサンブルは極上。
中でも、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー・ジョンソンが巧演。
本作も美的センスと才気が充分発揮された一作と言える。
が、話の方は人それぞれ見方、感じ方、解釈が分かれるだろう。

ギャラリーのオーナーとして成功を収めるも、夫婦仲は冷え切り、裕福だが空虚な生活を送るスーザン。
そんな彼女の元へ、20年前に離婚した元夫が書いた小説が届けられる。
その内容は非常に暴力的だったが、どんどん没頭していく…。

スーザンの現在と過去、小説の中の話が交錯。
劇中のスーザンさながら小説の中の話に引き込まれる。
ハイウェイを移動中、暴漢に走行を邪魔された挙げ句妻子を殺された男の話。
乾いた荒地の映像も相まって、劇中劇なのに犯罪×バイオレンスとして見応えある。
地元保安官の協力も得て、復讐を誓う小説の主人公。
これがスーザンのパートにどう意図しているのか。
“復讐”や“暴力”がじわじわと現実世界のスーザンに侵食していく。
スーザンは金持ちでイケメンの現夫に乗り換え、元夫を棄てた過去がある。元夫の地位の無さに落胆し、才能の無さも批判した。ある種の一方的で残酷な暴力とも言える。
昔は元夫の小説を批判したのに、今はその才能に没頭。過去にスーザンが元夫へした罪の意識をさいなまれながら、再び彼への想いが…。
しかしこれがあの痛烈なラストと共に、彼女へしてやった復讐だとしたら…。
あのラストも間違いなく、レストランの外から見ていたのだろう。
彼女はまんまと元夫の復讐劇にハマったのだ。

…と、自分は解釈。
実際のところ、その解釈が当たってるかどうか分からない。
きっとまだまだ汲み取れなかった意味合いや話の深みが込められているのだろう。
凡人の私はスーザン同様、暴力的な小説にのめり込み、表面上のサスペンスだけ楽しみ、天才の仕掛けた世界観や物語に敗北を喫したのかもしれない。

近大
近大さん / 2018年5月10日 / スマートフォンから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  怖い 知的 難しい
  • 鑑賞方法:DVD/BD
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 2 件)

トムフォード、何やってもうまくいくんですね、この人。

ファッションデザイナートム・フォードの監督作品。序盤からグイグイ引き込まれました。映画館で観たので圧迫感がすごかった。自分自身娘のいる身で、アメリカのまっすぐで何もないハイウェイを走ることも多いので、想像するだけで恐ろしかったです。この悲劇の話は劇中の小説の内容なのですが、それだけのインパクトをラストの現実のシーンにつなげるというのは、神業ではないかと思います。

rocko
rockoさん / 2018年4月10日 / PCから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  悲しい 怖い 知的
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 1 件)

おデブのダンス ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

冒頭シーンが
気色悪かった

小説の中の
車のシーン怖かった...
母娘さぞかし怖かっただろう

アーロン
カッコイイんだけど
今回の役は好きじゃないな

ラスト
ジェイクが
現れなかったのは
復讐が終わったって事なのかな

誰だったか思い出せなかった
エイミーのお母さん役
ローラリニーだった‼︎

あんなに老けてたっけ⁇

snowball
snowballさん / 2018年4月6日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

展開が早くて

展開が早くてストーリーについていけなかったです。久しぶりにモヤモヤ。

ma_jp
ma_jpさん / 2018年4月3日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 2.5
  • 印象:  難しい
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

You didn't sleep at night, did you? 弱い男の強い意志 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

オープニングから席を立ちたくなるインパクトがありました。何気に観に行ったから、こりゃ大失敗したかなと。あれがアートかぁ。理解できん!

というわけでトム・フォード監督の2作目なのですが、さすがファッション・デザイナーだけあって絵作りは綺麗ですよね。場面転換の繋ぎが絶妙です。

ストーリーは一方的に離婚された男の復讐譚といった所でしょうか?経験者だから語りますが、一方的に離婚されると憎しみは消えないもんなんですよね、これが。棄てた方はとっとと次に進めるんでしょうけどね。でも最後でエドワードはしてやったりだったのではないでしょうか?タイミングもスーザンの家庭が崩壊している時期だったんで復讐するにはバッチリだったですしね。もし、あのタイミングまで20年間エドワードは小説を送る事を待っていたのでは?っと想像すると怖さが増します・・・。そして最後のレストラン。あれは絶対エドワードは陰から観てましたよね!?

エイミー・アダムス、ちょっと影があるキャラクターが似合いますねー。最近のジェイク・ギレンホールが出ている作品にハズレなしです。出演する作品選びが神がかってます。刑事役のマイケル・シャノン、鬼気迫る演技がスゴいです。アーロン・テイラー=ジョンソン、「キック・アス」の面影皆無ですね。

まぁ、何というかこの作品って離婚経験者とそうでない方とでは全く見方が変わるような気がします。公式がどう言ってるのかは知らないんですが、やっぱりこの作品のテーマは「復讐」なのではないでしょうか?とりあえずエドワード、グッジョブ(´∀`)b!

アキ爺
アキ爺さん / 2018年3月12日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

圧倒されました

衝撃的というか、この物語を一筋縄ではいかない予感をさせるオープニング。もうそこからラストまでグイグイと引き込まれ、気がついた時にはエンドクレジット。凄かったあ、重かったあ、ストーリーにも映像美にも音楽にも俳優陣の演技力にも圧倒されました。
現実と過去と小説を行ったり来たりだったが、難解さも不快さも全く無く、それが敢えて自然な形。ラストの解釈は鑑賞者に任せたいという事だろうが、私は元夫の復讐劇と単純にしたくない。
サスペンスフルで重厚で高レベルな恋愛映画としたい。
素晴らしい映画をありがとう。

私の記念すべき100本目のレビューとしたかったが、残念!

映画鑑賞1000作
映画鑑賞1000作さん / 2018年2月5日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

上流階級の怖い絵と過去

一品でも数億円は下らない今をときめく現代美術の数々がこれでもかと出てくるのですが、これが一つづつ不気味な暗示になっており、とてもイヤ~な気分になってきます。

私の場合、まず冒頭のダンシングシスターズで打ちのめされますが、美しいエイミーがすぐ出てきてくれてなんとか持ち直しました。しかし、美術館のデミアンハースト作『セントセバスチャン 優美な痛み』あたりから悪夢と悪趣味がぬぐえなくなります。あくまでも上品で美しいのですが、過剰なのです。

ここからストーリーも救いようのない恐ろしさに突入していきますが、これはあくまで映画中の小説のことであり、それをあえて過剰に美しく映像化している点がこの映画を特別に感じさせる点です。

ted
tedさん / 2018年1月28日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  怖い 知的 悲しい
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

不条理な暴力の恐ろしさ

時間軸や、現実と小説世界を行ったり来たり。
主演の二人がそれぞれの時間、世界を演じ分けていて、見応えがありました。

ファッショナブルな映像があり、テキサスの乾いた空気があり、夜の匂いがある。
それぞれ良かったけれど、暴力描写については、良くも悪くもファッショナブルな感じで、薄っぺらかった。

前半、中盤と良かったので、最後はもうちょっと追い込みたい気分でした。

凪
さん / 2018年1月22日 / PCから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 0 件)

過去からの復讐劇 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

本作は確かに復讐劇だと思います。でも、個人的な見解では、エドワードからスーザンではなく、過去のスーザン自身からの復讐劇に思えました。
言い換えると、生きてこなかった本当の自分から、偽りに生きてきた現実の自分が復讐される話。ついに20年分のツケが回ってきたスーザンが心理的に破産しかける物語と言えそうです。

マイノリティーの兄やアーティストのエドワードへのシンパシーを持つような、母親とは違うタイプのスーザンがエドワードに惹かれるのは自然だと思います。だが、エドワードとの生活は不安定だし、エドワード自身も不安定。そんな中でスーザンも不安定になっていく。
なのでエドワードに見切りをつけます。しかし、ハッキリと描かれていなかったと思いますが、スーザンは自分を騙して別れたように感じました。
決定的な一件の前からスーザンは言い訳がましく逃げ腰でした。かなり最後の方までエドワードを愛していたが、自分の弱さに負けてベストを尽くさず、自分に対して誠実になれなかった。
つまり流されて見切っただけ。肝心な勝負所でがんばれず、自分を偽ったからエドワードのことがしこりとして残っているです。
しかも、なまじ経済的社会的にいい感じなもんだから、振り返るチャンスもなく20年来てしまった。
その結果、軽蔑していた母親と同じようになってしまった。ダークサイド堕ちってやつですね。
ホドロフスキー師匠流に言えば、自分を生きることができなかった。自分を生きない人間に待っているのは虚無です。

一方、エドワードはダメなりに自分を生きたと思われます。以前はスーザンに作品をダメ出しされてスネるようなダメ男だったけど(ダメばかりだけれど、若き日のエドワードは絵に描いたようなダメ男だ)、小説を諦めなかった。人生諦めが肝心な時もありますが、作品を形にして出版にこぎつけたのは凄い。ここで彼は作家としてのアイデンティティーを確立できたと考えられます。だから過去の重要人物に作品を贈ることができたのです。

なのでエドワードとスーザンの対比は「自分を生きた」vs「自分を生きなかった」かな、と。そんなスーザンの元に、しかも虚無と心理的孤立が顕在化したタイミングで小説が贈られてくるわけですから、恐ろしい復讐ですよ、過去からの。

スーザンとトニーが重なる演出が多用されていたと思いますが、スーザンはトニーに自分を重ねていたのでしょう。
トニーは荒野に取り残された時、妻子を助けに行かずに逃げてしまった。助けに行ったところで結果は変わらないでしょうが、弱さに負けた態度が後悔につながっていったと考えられます。それはすなわち20年前にスーザンがエドワードとの関係で自分にベストを尽くさなかったことと同じですからね。逃れられない苦しみのルーツを突きつけられ、スーザンははじめて自分の弱さと向き合わざるを得なくなりました。自業自得とはいえ地獄の苦しみだと思います。

エドワードがなぜスーザンに小説を捧げたのか。
それは、スーザンとの別れがエドワードの作家としてのスタートだったからです。寝取られですから当然怒りもあったし、恨み辛みもあると思います。しかし、小説ノクターナル・アニマルズの内容から読み取れるのは後悔の念です。
心から愛した女性を大切にできなかった弱い自分自身への後悔。自らの失敗と向き合い、大いなる痛みを抱え続けたことが、彼を作家にしたのだと思います。この作品で彼は後悔を昇華できたのではないでしょうか。
エドワードがスーザンに本を贈ったのは、自分を作家にしてくれた人物に自分の成長を知って欲しかったという、非常にシンプルな理由だと思います。また、付き合っていた頃から自分を受け入れられないスーザンの弱さをエドワードはよく知っていたでしょうから、彼女に対する叱咤激励的なニュアンスもあるかもしれません。実際、彼女は小説を読んではじめて自分と向き合うチャンスを得たのですから。

そして問題のエンディング。
結構ナゾで、最もいろんな解釈ができそうです。エドワードの復讐譚とみれば復讐完了というオチだと思います。個人的にはそうではないと感じているため、唯一モヤるポイントです。公式は解ったが答えが合わないみたいな。
確かに、自分を生きた者と生きなかった者、両者は位相が違うのですれ違う可能性も高いです。が、違うエンディングであったならばスーザン側にマジックが起きるチャンスだったので
(つまり、エドワードに後悔を語れ、再生への一歩が踏み出せるチャンス)
スーザンに対してかなり辛辣で残酷なオチだなぁとの印象です。トム・フォード監督的には、そんな簡単に成長できないよ、再生するなら一度ちゃんと心理的に自己破産しなよ、ってところでしょうか。
しかし、エンディングで着るドレスがあまりにもエロすぎますぜ。個人的には最高としか言いようがないですが、そのタイミングであんなエロい服を着て行くメンタリティーがダメなんだよスーザン!なんて思いました。

とにかく、観ている最中だけではなく、観終わった後もエキサイトしっぱなしで、めちゃくちゃ楽しめた映画でした。考察または妄想が面白くて仕方ない。とても語り合いたくなる作品です。

そして主演のエイミー・アダムスがセクシー。髪の美しさが印象に残ります。もちろん、問題のエロドレスも。

kkmx
kkmxさん / 2018年1月17日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  興奮 知的 萌える
  • 鑑賞方法:映画館
  • コメントする (コメント数 0 件)
  • 共感した! (共感した人 3 件)

96件中、1~20件目を表示

映画レビューを書く
このページの先頭へ

最近チェックした履歴

映画の検索履歴

他の映画を探す

映画館の検索履歴

他の映画館を探す

特別企画

Jobnavi