ノクターナル・アニマルズのレビュー・感想・評価
全148件中、101~120件目を表示
何度でも見たい
前作「シングルマン」から待望の新作にして2作目。いい意味で裏切られた。トムフォードがこんなワイルドな表現もするんだと驚いたし、現在・過去・創造の世界をうまく心理状態を重ねて効果的に描いている脚本も素晴らしい。
ジェイクギレンホールの演技に引き込まれる、どんな気持ちで小説を書いたかと思うと・・・・気持ちがザワザワしてくる。
保安官の役者もすごくいい。赤いソファやアート作品、テキサスの砂漠に続く道路など、視覚も刺激される。
前作とジャンルは違うのに、「復讐」がキーワードでも「エレガント」さを感じる。
「シングルマン」も何度もリピートする映画だったし、これもまた何度も観たい。購入しておいた小説を読みはじめたので、トムフォードがどんな風に構想を膨らませたか映画と比べて楽しもうと思う。
最高
何が夜の獣だったのか
劇中劇の復讐はすごく面白かった。一転、現実の方の話がイマイチで、劇中劇が盛り上がってきたタイミングで、はっ!って言うお姉さんが出てきて特にドラマも無くもだもだするという、なんとも乗り切れない感じ。不倫しているだろう夫とか、会いに来なかった元夫とか、中絶とか、色々あるのに感情移入出来ないせいでふーんて感じで終わってしまいました。
なるほど
やっぱり。
やっぱりなと。
トムフォードは明確な答えを出さない。というか、答えがわからない!難し過ぎるよ!
実際、彼の作り上げた芸術的レイアウトやファッションに目がいきすぎてストーリー入ってこない疑惑もありますね。
ジェナマローンが出てきた瞬間は超興奮しました。劣化うんぬんより嬉しくてしょうがなかった。ああいう背景が似合う役者さんですね。
この映画、みんな本格派の俳優さんたちばかりである意味癖が無かったですね。
シンクロ加減はマジですごかった。シンクロナイズドモンスターより凄いですよたぶん(見てない)
ファッションに関して。エイミーアダムスの衣装が凄くツボで、ほんと真似したくなりました。美しかったです。それに相対するテキサスの描写がより美しさを際立たせてたような、、。
ジェイク(エドワード)の愛してる人を大切にしろって当たり前だけどなかなか出来ていないことだなと。
衝撃的
トム・フォードの美意識が冴え渡る。
スタイリッシュでハイセンスな映像と音楽、終始張りつめる緊張感。 一本の時間軸の中で、同時に繰り広げられる架空のストーリーが観る者を欺く。
トム・フォードのサスペンスという事で、とても楽しみにしていました!
昨今の現実離れしたサスペンスとは一線を引き、比較的平凡なストーリーなのですがそこは流石トム・フォード。
シャネルやコムデギャルソンなどファッションは当然の事、インテリアや小物に至るまで、隅々に彼の美意識が行き、特に今回主人公のエイミー・アダムスがギャラリストという事もあり、チラッと出て来るダミアン・ハーストやジェフ・クーンツの作品など本物へのこだわりが素晴らしい。
この誰の人生にも起こり得るストーリーを、現実離れした美しくゴウジャスな世界観を背景にする事により、より深くミステリアスなサスペンスを生み出す事に成功している。
トム・フォードの美意識が冴え渡る、インテリジェンスに富んだ作品でした。
意外なラスト
超大人向けの嫌ミス映画
昔別れた夫から送られてきた小説を読んでいるうちに…。
その情報だけで観てきましたが
いや〜〜〜〜強烈です。
冒頭の芸術作品の表現もきついし
主人公の現在の夫への対応もかなり厳しいし、
送られてきた小説の話もかなりえげつない!!
観てる間中苦しかった!
この先どうなってしまうのか
予測不可能な話で確かにのめり込んでしまうけど
観終わった後はまさしく「嫌ミス」
それも最高に美しく芸術的な極上の「嫌ミス」
ただ、沢山の方が書いておられるけれど
この小説の内容、元妻への復讐だけではないと私は感じた。
いろんな意味で元夫の「弱かった自分自身」への
懺悔も含まれているように感じた。
もっと自分が強ければ、元妻もここまで非常な女には
なってなかったのではないか?
そんなことを観た者同士で語り合ってみたい。
十分に語りがいのある映画だとは思う。
★もう一度観るなら?「もういい」
忘れたはずの過去に復讐される
これはかなりの衝撃作だった
映画を観終わった後、息が苦しくなって、自分の気持ちをなだめるのに必死だった
人生経験のない若さから生まれる無邪気さは、それはそれで素晴らしいけれど、時には恐ろしい残酷さをはらみ、自分が犯した罪に気付かないまま大人になる
いや、気付きながらも、それを心の奥底に封印し「何もなかった」かのように人生を歩む
そしていつの日か、自分がもっとも嫌っていた人種へと成長していることに気づく
これは、自分が過去に手放した幸せからの逆襲である。
キッチリと蓋をして、封印したつもりでも、人は過去に犯した罪から思わぬ方法で復讐される
そして、その罪を背負い、一生眠れない夜を過ごすことになる
目の前にいる人の財力や地位を取り除いたら、一体何が残るのか
じっくりと考えたい映画だった
それにしても、衝撃作だった
観る人の力量を試す映画
細かな描写まで、とても計算された映画だと感じた。
冒頭のスーザンが小包の紙で手を切るシーンだけでも、スーザンの空虚な幸せを表現しているのだと思った。2回も「紙で指を切っちゃった」って言ってるのに使用人は「大丈夫ですか?」の一言もない…
小説の中のストーリーの前半は
途中退席したいくらい、苦しかった。
妻と娘をレイプされ、そして殺されるトニー。
過去スーザンとエドワードが結婚していたとき
スーザンはエドワードに黙って子どもを中絶し、その上浮気をする。
エドワードにすれば、子どもを殺され、その上子どもを身ごもった体で浮気をしたのであれば
小説のストーリーのトニーに身に起きたことくらいの苦しみだったのかもしれない。
妻を寝取られ子どもも殺される。お前にこのつらさが分かるか?とエドワードは言いたいのかなと思った。
そして小説のラストは
トニーは復讐を果たすも目が見えなくなり、殺したはずのレイを見ることができない。
トニーはずっと夜の世界に引きずり込まれ、そして死んでしまう。
そして映画のラストは
エドワードと会う約束をして、セクシーな格好で結婚指輪を外し期待を膨らましてレストランで待つスーザン。
だけど、エドワードは姿を見せることはなかった。夜が続いていく中、最後はスーザンの瞳のカットで終わる。
「お前は何も見えちゃいない」という意味なのだろうか?
くぅーーーーーー!
いい映画だけど、もう観たくない!
あとさ、レイ役の人キック・アスの主人公だったんだね!
気づかなかった。
まあ、普通です。
始まりから不思議な
合わなかった…
復讐劇
成熟した大人向きの余韻深い作品
主人公Susanの元に20年近く前に別れた元夫Edwardからいきなり新作のゲラ刷りが送られてくる。作家志望だった彼がまだ小説を書き続けていたこと自体、彼女にとって意外だった筈ですが、彼がその新作で何を彼女に伝えたかったのか、その見方によって印象が全く変わるかも知れない、そんな作品でした。過去の彼女の仕打ちに復讐したかったのか、自分を作家として認めさせたかったのか、はたまた彼女と和解したかったのか.、あるいは... この点は原作にも書かれていないようですので想像の域を出ませんが、彼と別れてからSusanは美術商としてそれなりの成功を収めつつも、公私の蹉跌を経験し、自省に向き合える時機であったことは間違いないでしょう。最後の最後まで謎解きをさせぬまま終わってしまうのですが、観終わった後も暫く座ったまま感慨に耽りたいような、大人の余韻を楽しませてくれる作品でした。
全148件中、101~120件目を表示