ノクターナル・アニマルズのレビュー・感想・評価
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アート作品だね、これは。
見終わった直後の率直な評価は3.3くらいかなー、と言ったところ。
でもこの作品も先日観た『インターステラー』同様に反芻すればするほど自分の中での評価がニョキニョキあがる作品。
衝撃的なオープニング映像は気まずい程長い時間流されていて、一体どんな話なんだろ〜と不安がよぎる。が、これがトム・フォード監督の美的センスか!とわかるとしっくり腹落ち。作品中も劇中作と過去と現在とをオーバーラップさせるアート作品のような構図が何度も登場し、ただただ美しい✨
ストーリーについては色んな想いが湧いてきたけど一言で言うと本人に自覚はないけど血は争えない高飛車女の話。でも美しい。レンタルも数日前に始まったみたいだし、また観ようかな (๑>◡<๑)
予告映像から現実と小説が交錯して繰り広げられる夫の復讐劇かと思って...
予告映像から現実と小説が交錯して繰り広げられる夫の復讐劇かと思って観たら展開が別次元で肩透かし。ストーリーは面白かったものの一番印象に残ったのはオープニングの演出だった。
罪の獣たち、復讐の獣たち
トップデザイナー、トム・フォードの映画監督第2作。
監督前作『シングルマン』はあまり自分の好みに合わず。
今回はサスペンス。話も面白そう。
実はレンタルして来て、初見は途中で寝てしまった。疲れもあって。
もう一度見てみたら、まあつまらなくはなかったけど…
まずはやはり、トム・フォードのアート・センスが目を引く。
洗練された衣装の数々、白を強調したヒロインのオフィスやギャラリー、それと対照的な美しいナイト・シーン。
とりわけ強烈インパクトを放つのが、OP。もう何て言ったらいいやら…。是非ご自身の目で。
エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホールら実力派のアンサンブルは極上。
中でも、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー・ジョンソンが巧演。
本作も美的センスと才気が充分発揮された一作と言える。
が、話の方は人それぞれ見方、感じ方、解釈が分かれるだろう。
ギャラリーのオーナーとして成功を収めるも、夫婦仲は冷え切り、裕福だが空虚な生活を送るスーザン。
そんな彼女の元へ、20年前に離婚した元夫が書いた小説が届けられる。
その内容は非常に暴力的だったが、どんどん没頭していく…。
スーザンの現在と過去、小説の中の話が交錯。
劇中のスーザンさながら小説の中の話に引き込まれる。
ハイウェイを移動中、暴漢に走行を邪魔された挙げ句妻子を殺された男の話。
乾いた荒地の映像も相まって、劇中劇なのに犯罪×バイオレンスとして見応えある。
地元保安官の協力も得て、復讐を誓う小説の主人公。
これがスーザンのパートにどう意図しているのか。
“復讐”や“暴力”がじわじわと現実世界のスーザンに侵食していく。
スーザンは金持ちでイケメンの現夫に乗り換え、元夫を棄てた過去がある。元夫の地位の無さに落胆し、才能の無さも批判した。ある種の一方的で残酷な暴力とも言える。
昔は元夫の小説を批判したのに、今はその才能に没頭。過去にスーザンが元夫へした罪の意識をさいなまれながら、再び彼への想いが…。
しかしこれがあの痛烈なラストと共に、彼女へしてやった復讐だとしたら…。
あのラストも間違いなく、レストランの外から見ていたのだろう。
彼女はまんまと元夫の復讐劇にハマったのだ。
…と、自分は解釈。
実際のところ、その解釈が当たってるかどうか分からない。
きっとまだまだ汲み取れなかった意味合いや話の深みが込められているのだろう。
凡人の私はスーザン同様、暴力的な小説にのめり込み、表面上のサスペンスだけ楽しみ、天才の仕掛けた世界観や物語に敗北を喫したのかもしれない。
トムフォード、何やってもうまくいくんですね、この人。
ファッションデザイナートム・フォードの監督作品。序盤からグイグイ引き込まれました。映画館で観たので圧迫感がすごかった。自分自身娘のいる身で、アメリカのまっすぐで何もないハイウェイを走ることも多いので、想像するだけで恐ろしかったです。この悲劇の話は劇中の小説の内容なのですが、それだけのインパクトをラストの現実のシーンにつなげるというのは、神業ではないかと思います。
おデブのダンス
冒頭シーンが
気色悪かった
小説の中の
車のシーン怖かった...
母娘さぞかし怖かっただろう
アーロン
カッコイイんだけど
今回の役は好きじゃないな
ラスト
ジェイクが
現れなかったのは
復讐が終わったって事なのかな
誰だったか思い出せなかった
エイミーのお母さん役
ローラリニーだった‼︎
あんなに老けてたっけ⁇
You didn't sleep at night, did you? 弱い男の強い意志
オープニングから席を立ちたくなるインパクトがありました。何気に観に行ったから、こりゃ大失敗したかなと。あれがアートかぁ。理解できん!
というわけでトム・フォード監督の2作目なのですが、さすがファッション・デザイナーだけあって絵作りは綺麗ですよね。場面転換の繋ぎが絶妙です。
ストーリーは一方的に離婚された男の復讐譚といった所でしょうか?経験者だから語りますが、一方的に離婚されると憎しみは消えないもんなんですよね、これが。棄てた方はとっとと次に進めるんでしょうけどね。でも最後でエドワードはしてやったりだったのではないでしょうか?タイミングもスーザンの家庭が崩壊している時期だったんで復讐するにはバッチリだったですしね。もし、あのタイミングまで20年間エドワードは小説を送る事を待っていたのでは?っと想像すると怖さが増します・・・。そして最後のレストラン。あれは絶対エドワードは陰から観てましたよね!?
エイミー・アダムス、ちょっと影があるキャラクターが似合いますねー。最近のジェイク・ギレンホールが出ている作品にハズレなしです。出演する作品選びが神がかってます。刑事役のマイケル・シャノン、鬼気迫る演技がスゴいです。アーロン・テイラー=ジョンソン、「キック・アス」の面影皆無ですね。
まぁ、何というかこの作品って離婚経験者とそうでない方とでは全く見方が変わるような気がします。公式がどう言ってるのかは知らないんですが、やっぱりこの作品のテーマは「復讐」なのではないでしょうか?とりあえずエドワード、グッジョブ(´∀`)b!
圧倒されました
衝撃的というか、この物語を一筋縄ではいかない予感をさせるオープニング。もうそこからラストまでグイグイと引き込まれ、気がついた時にはエンドクレジット。凄かったあ、重かったあ、ストーリーにも映像美にも音楽にも俳優陣の演技力にも圧倒されました。
現実と過去と小説を行ったり来たりだったが、難解さも不快さも全く無く、それが敢えて自然な形。ラストの解釈は鑑賞者に任せたいという事だろうが、私は元夫の復讐劇と単純にしたくない。
サスペンスフルで重厚で高レベルな恋愛映画としたい。
素晴らしい映画をありがとう。
私の記念すべき100本目のレビューとしたかったが、残念!
上流階級の怖い絵と過去
一品でも数億円は下らない今をときめく現代美術の数々がこれでもかと出てくるのですが、これが一つづつ不気味な暗示になっており、とてもイヤ~な気分になってきます。
私の場合、まず冒頭のダンシングシスターズで打ちのめされますが、美しいエイミーがすぐ出てきてくれてなんとか持ち直しました。しかし、美術館のデミアンハースト作『セントセバスチャン 優美な痛み』あたりから悪夢と悪趣味がぬぐえなくなります。あくまでも上品で美しいのですが、過剰なのです。
ここからストーリーも救いようのない恐ろしさに突入していきますが、これはあくまで映画中の小説のことであり、それをあえて過剰に美しく映像化している点がこの映画を特別に感じさせる点です。
不条理な暴力の恐ろしさ
時間軸や、現実と小説世界を行ったり来たり。
主演の二人がそれぞれの時間、世界を演じ分けていて、見応えがありました。
ファッショナブルな映像があり、テキサスの乾いた空気があり、夜の匂いがある。
それぞれ良かったけれど、暴力描写については、良くも悪くもファッショナブルな感じで、薄っぺらかった。
前半、中盤と良かったので、最後はもうちょっと追い込みたい気分でした。
過去からの復讐劇
本作は確かに復讐劇だと思います。でも、個人的な見解では、エドワードからスーザンではなく、過去のスーザン自身からの復讐劇に思えました。
言い換えると、生きてこなかった本当の自分から、偽りに生きてきた現実の自分が復讐される話。ついに20年分のツケが回ってきたスーザンが心理的に破産しかける物語と言えそうです。
マイノリティーの兄やアーティストのエドワードへのシンパシーを持つような、母親とは違うタイプのスーザンがエドワードに惹かれるのは自然だと思います。だが、エドワードとの生活は不安定だし、エドワード自身も不安定。そんな中でスーザンも不安定になっていく。
なのでエドワードに見切りをつけます。しかし、ハッキリと描かれていなかったと思いますが、スーザンは自分を騙して別れたように感じました。
決定的な一件の前からスーザンは言い訳がましく逃げ腰でした。かなり最後の方までエドワードを愛していたが、自分の弱さに負けてベストを尽くさず、自分に対して誠実になれなかった。
つまり流されて見切っただけ。肝心な勝負所でがんばれず、自分を偽ったからエドワードのことがしこりとして残っているです。
しかも、なまじ経済的社会的にいい感じなもんだから、振り返るチャンスもなく20年来てしまった。
その結果、軽蔑していた母親と同じようになってしまった。ダークサイド堕ちってやつですね。
ホドロフスキー師匠流に言えば、自分を生きることができなかった。自分を生きない人間に待っているのは虚無です。
一方、エドワードはダメなりに自分を生きたと思われます。以前はスーザンに作品をダメ出しされてスネるようなダメ男だったけど(ダメばかりだけれど、若き日のエドワードは絵に描いたようなダメ男だ)、小説を諦めなかった。人生諦めが肝心な時もありますが、作品を形にして出版にこぎつけたのは凄い。ここで彼は作家としてのアイデンティティーを確立できたと考えられます。だから過去の重要人物に作品を贈ることができたのです。
なのでエドワードとスーザンの対比は「自分を生きた」vs「自分を生きなかった」かな、と。そんなスーザンの元に、しかも虚無と心理的孤立が顕在化したタイミングで小説が贈られてくるわけですから、恐ろしい復讐ですよ、過去からの。
スーザンとトニーが重なる演出が多用されていたと思いますが、スーザンはトニーに自分を重ねていたのでしょう。
トニーは荒野に取り残された時、妻子を助けに行かずに逃げてしまった。助けに行ったところで結果は変わらないでしょうが、弱さに負けた態度が後悔につながっていったと考えられます。それはすなわち20年前にスーザンがエドワードとの関係で自分にベストを尽くさなかったことと同じですからね。逃れられない苦しみのルーツを突きつけられ、スーザンははじめて自分の弱さと向き合わざるを得なくなりました。自業自得とはいえ地獄の苦しみだと思います。
エドワードがなぜスーザンに小説を捧げたのか。
それは、スーザンとの別れがエドワードの作家としてのスタートだったからです。寝取られですから当然怒りもあったし、恨み辛みもあると思います。しかし、小説ノクターナル・アニマルズの内容から読み取れるのは後悔の念です。
心から愛した女性を大切にできなかった弱い自分自身への後悔。自らの失敗と向き合い、大いなる痛みを抱え続けたことが、彼を作家にしたのだと思います。この作品で彼は後悔を昇華できたのではないでしょうか。
エドワードがスーザンに本を贈ったのは、自分を作家にしてくれた人物に自分の成長を知って欲しかったという、非常にシンプルな理由だと思います。また、付き合っていた頃から自分を受け入れられないスーザンの弱さをエドワードはよく知っていたでしょうから、彼女に対する叱咤激励的なニュアンスもあるかもしれません。実際、彼女は小説を読んではじめて自分と向き合うチャンスを得たのですから。
そして問題のエンディング。
結構ナゾで、最もいろんな解釈ができそうです。エドワードの復讐譚とみれば復讐完了というオチだと思います。個人的にはそうではないと感じているため、唯一モヤるポイントです。公式は解ったが答えが合わないみたいな。
確かに、自分を生きた者と生きなかった者、両者は位相が違うのですれ違う可能性も高いです。が、違うエンディングであったならばスーザン側にマジックが起きるチャンスだったので
(つまり、エドワードに後悔を語れ、再生への一歩が踏み出せるチャンス)
スーザンに対してかなり辛辣で残酷なオチだなぁとの印象です。トム・フォード監督的には、そんな簡単に成長できないよ、再生するなら一度ちゃんと心理的に自己破産しなよ、ってところでしょうか。
しかし、エンディングで着るドレスがあまりにもエロすぎますぜ。個人的には最高としか言いようがないですが、そのタイミングであんなエロい服を着て行くメンタリティーがダメなんだよスーザン!なんて思いました。
とにかく、観ている最中だけではなく、観終わった後もエキサイトしっぱなしで、めちゃくちゃ楽しめた映画でした。考察または妄想が面白くて仕方ない。とても語り合いたくなる作品です。
そして主演のエイミー・アダムスがセクシー。髪の美しさが印象に残ります。もちろん、問題のエロドレスも。
映画のチカラを感じた
JMAXとやま に行き、ちょっと始まっていたが エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホールの映画『nocturnal animals』を観た。!オープンシーンは 度肝を抜くものだった。バイオレンスが見事にアクセントをつけて、20年前に別れた夫が送ってきた小説と現実 そして過去が絡み合い 見事なストーリィになっていた。主人公がアートの世界にいるかなりのセレブという設定だからでもないだろうが、アーティスティックな作品だと感じた。これも高評価の88点。やはりJ.ギレンホールの最近の出演作に駄作はない。先日観た『彼女がその名を知らない鳥たち』といい、今日のこの作品といい 映画のチカラを感じれる作品に出会えて幸せです。
引き込まれる
奇妙なオープニングからスタートしたが、すぐに作品に引き込まれた。しかし現在、過去、小説が交差する展開に付いていくのが精一杯。残念ながら小説の想いまでは感じることが出来なかった。
2018-6
結局何が言いたい
まず言いたい。裸祭りが不快です。無駄に裸シーン多くない?しわしわから、テカテカの裸まで。
それはともかくとして、これは小説を使ったエドワードの復讐のストーリーでしょうか?まあ、主人公も自業自得だし、ラストなんか、「どの面下げて」という感じです。ストーリーは別として、ジェイク・ギレンホールは好きです。正直言って、分かりにくい映画でした。
Beautiful!!
物語も、台詞も、画も、演技も、音も、音楽も、間も、全てが美しい!
非常に、上質な映画を観ることができました。
強いて言えば、少しだけ終盤が長かったかも。。。少しだけですが。
あと、一部暴力シーンが入るので、その手ものもが苦手な人は辛いかも。。。
とても面白かった
物語のバランスとしていいのか疑問に思うのだが、劇中劇がちょっとペキンパーのテイストで面白くてぐいぐい引き込まれる。現実の場面がそれに比べるとずいぶん味気なかった。あんな物騒な小説を自分に捧げられる気分はどうなのだろう?嫌がらせに近いように思った。ジェイク・ギレン・ホールの演じ分けがすごかった。
小説は愛を取り戻す手段なのか、復讐の手段なのか⁉️
映像美が復讐劇をより恐怖させている。
ジェイク・ギレンホールの様々な作品を見ているが本作のような執拗で狂気じみた役は甘い顔に騙され、怖さ倍増。あとトム・フォード監督、これが監督2作品目とは思えないし、脚本も彼って事だから、今度は彼の監督作品って事でも作品観賞していこうかなぁ。
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