「あの二人にまったく違った結末はありえたか?」ノクターナル・アニマルズ バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
あの二人にまったく違った結末はありえたか?
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元夫の意図がどこにあったのか、観る人の人生観によって多種多様な解釈があるに違いない。自分は入り組んだ暗い復讐劇だと思っているが、もしかして元夫がスーザンに最後のチャンスを与えていた可能性はないだろうか。
エドワードにとってあの小説は、自分がスーザンにどれほど傷つけられたかという告白であり、同時に彼女への執着を捨てられない裏返しでもある。決して許せないが愛することもやめられない女は、かつて2人で抱いた夢とは真逆の、物質主義に取り込まれたアートの世界に生きている。
小説に打ちのめされ、魅了され、再び元夫に気持ちを向けたスーザンが再会の場所に選んだのは、ハリウッドのスノッブなお高め和食レストラン“ヤマシロ”。着ているのは勝負服みたいに煽情的なセクシードレス。あの姿をエドワードはどこからか隠れて見ていたのではないか。もしスーザンが、身の丈の自分でエドワードに向き合うような場所と服装を選んでいたら、もかしてエドワードはスーザンの前に現れはしなかっただろうか。
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