マンチェスター・バイ・ザ・シーのレビュー・感想・評価
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静かな作品。
変に大げさにせず、淡々と描いていて、出演者の演技もよかった。出てくる女がどれもひどいやつで、元妻の最後のシーンなんて、お前再婚して、子供作って幸せになっておいて、許しを請うなんて、なんて独りよがりでとんでもないやつかと思った。
アメリカと日本の様式の違いを感じることができたのも興味深かった。通勤に1時間もかかるって怒るけど、東京なら平均くらいでそんなことないな、とか、そういやばあちゃんの納骨のときも春まで待ったっけ、アメリカも同じだけど冷凍するのかかさばるな、とか、やっぱピザ食べるのかとか。普段の映画だと省略されがちなシーンも丁寧に描いているからこそ、リアルで、痛みが伝わるのだと思う。
波の音
身近に起こった哀しみや過去の心の傷との向き合い方を考えさせらる作品。新たな出会いや出来事で癒える傷もある、反対に時間が経っても癒えない傷もある。抱えて生きていくしかない…消えないよね…深すぎるものは。
主人公の過去を知るにつれてどんどん胸の奥が苦しくなるけど、音楽と風景がとてもキレイでちょっと癒された。エンドロールの波の音が映画の余韻に良い感じに浸らせてくれて心地よかった。
真っ暗というわけでもない
長くて地味だけど、真っ暗というわけでもない。
薄暗がりを目を凝らし手探りしながら何かを探し続ける感じでした。
生きるということを繰り返し繰り返し、繰り返し思います。
生きていればどうしたって避けられない可笑しみもうまく描かれ、引き込まれていきました。
キャストがなんともハマっていました。
マンチェスター・バイ・ザ・シーの海も街も、とても趣深く美しかったです。
鑑賞後に作品の感想を話し合う機会がありましたが、それはそれは人それぞれで面白かったです。
ふさぎ込み虚ろな日常が やり場のないエネルギーを蓄積していた
何となく満たされない心のすきまに忍び込んだ投げやりな気持ちから取り返しのつかない事態を招いてしまった雇われ便利屋の男。
ふさぎ込み虚ろな日常は、ビールのラッパ飲みでは発散できず、少しづつやり場のないエネルギーを蓄積して行き、突然隣のカウンターで飲む男を殴りつけたりする。
爆発する相手がガラス戸に拳を叩き込む自傷行為止まりならまだいい。人をホームから突き落としたり、車を暴走させたりして他人に危害を及ぼしたら身の破滅につながる。
そんな危険を思いとどまらせたのは厄介な甥の存在を通して見える「自制心」だけか・・
父親を亡くした息子と、兄を亡くした弟。葬儀や相続など、煩雑な手続き...
父親を亡くした息子と、兄を亡くした弟。葬儀や相続など、煩雑な手続きに追われながらも、これまでと変わらぬ毎日を送っているように見える。でも、残された人はずーっと悲しみ嘆きながら生きたりしない。ふとした瞬間に猛烈な感情に襲われる、その心の動きがとてもリアルだなと思った。
どんなに季節が移ろっても、壊れたこころは、深い悲しみは、完全に癒えることはないのかもしれない。完全に克服できるほど、人の心は都合よくできていないけど、その悲しみとどうにか折り合いをつけながら生きていく強さは持っているのかもしれないと思った。
みんなの抑えた演技が本当に素晴らしかった。
遅れてやっと上映
ケイシー・アフレックの過去を乗り切れない歯がゆさとミッシェル・ウイリアムズの後悔が何とも言えず切ない。パトリック役の子も良い。若さゆえの軽さと感情の持って行きどころがわからないジレンマと寂しさと。遅れてようやく上映になってなんとかスクリーンで観れてよかった。
納得
人間ドラマの映画というと悲しみや喜びで感動させる王道パターンが多い中で、この作品は比べるとそういった面では物足りなさを感じてしまうかもしれない。
作品説明の内容とは違う作品に感じる。映画を観終わった直後は賞をとった作品には感じられなかったけれど、帰りながら作品を振り返ると納得しました。
誰しもが経験することへの答えの1つとして、越えられない壁があってもいいんだということを教えてくれる映画でした。
日本は根性論というか、努力をすればという考えが強いのであまり受け入れられない映画かもしれませんが、現実を的確に捉えた作品だと思います。
切なく哀しい物語
主人公のリーがとにかく渋く、哀しく、そして切ない物語。彼が色々な事を我慢し、受け入れようと努力するが、自身の大きな過ちはそれを認めず、許さず、彼を苦しめる。ただ色々なわだかまりが幾つかとける事には少しほっとする。結末は言わないが、それはとても理解でき、みんなよく頑張った、本当によく頑張った。そしてこれからも、そこでそうして生きていくのだろう。そう思えた。ただ女性より男性の方が共感しやすいかも知れない。大人の男性向けの良作です。
見てて辛かったけど見終わったあと、そっとハグされる様だった。
もともと、グッドウィルハンティングが好きで、ウィルの友達役を演じていたケイシーアフレックが主演でオスカーをとったと聞き、見に行きました。
僕は17で、映画や小説を鑑賞した数、理解力も少なく、理系です。
でも、この映画を見たあと、リーの表情などがしばらく頭から離れませんでした。
僕自身、優しくて強い人間にならなきゃ。と悩んでいました。人間関係や努力の面で。
けどこの映画は、他の作品のような人間の底力や無性な強さ、優しさ、愛を描いているのではなく、
リアルな人間の心理、人生を描いており、
見ていて心地よく、非常に感情移入できます。
ケイシーアフレックの綺麗なガラスにヒビが入ったような演技には胸を打たれます。
このような人の苦痛や本当の心理を肯定している?というんですか、映画に出会えてよかったです。
ちょっとグッドウィルハンティングに似ているシーンが何個かあり驚きました。
後味は悪くない。
2時間超えの長尺は全く感じず、物語に引き込まれていた。観終わった後からもじわじわいろいろな思いがこみあがってきて、もう一度観たくなる。兄弟愛、家族愛が台詞からではなくさりげない演出から感じられ見事だ。人生の数だけ感じ方もあるだろう。大人な映画だ。
キャスティングの力
沁みる映画だ。
派手な演出も大げさな演技もなく淡々と進むが、心に残るものは大きい。
終始静かなトーンで展開される中に挟まれるアルビオーニのアダージョはズルいくらい効果的な演出になっている。
キャスティングが絶妙にハマっていて、役者それぞれの役への入り込み方がとても深い。
ミシェル・ウィリアムズの演技なんてもう、、、。
個人的には2017年ベストになるであろう一本。(swは別枠)
全てを背負い生きる
主人公同様、離婚や挫折そして人生が変わる転居を経験をした立場からも共感する部分が多々あった。淡々と進む内容で眠くなるかと思いきや全く退屈などしない。退屈どころかずっと引き込まれた。現在と過去が交差して進む内容も絶妙で素晴らしい。人生には乗り越えられないこともあることを描いている所も人間味があって良い。人生は過去も現在も全てを背負い生きていくしかないのだから…
2017-91
解体
普通に生きてたら誰もが心に壊れた部分を持っていて、その穴埋めの方法が他人への攻撃に向かうのか自分への攻撃に向かうのか、若しくは愛情を求める方向に向かうのか愛情を与える方向に向かうのか、結局は他の誰かの道標によってその方向って大きく変わって来るんだと思う。
つまんねーし登場人物みんなムカつくなと思いながら見ていたが、なんか噛み締めれば噛み締めるほど凄く良い映画な気がしてきた。
ちょうど仕事も私生活も全く上手くいかなくて、しかもこの4月から最寄りの映画館が片道二時間というファッキン田舎に転勤になったので、色々思うところもあった。
ちなみに関係ないけどそのファッキン田舎は、久しぶりに帰った地元なのです。
69
人生てそんなもん
なんか息子すごいな。親が死んだ日に彼女家に泊めてやることやるんかいw
向こうにはそもそも喪に服す的な感覚はないのかしら。キレてすぐぶん殴る弟とか色々と欧米か!と突っ込みたくなるところがあり、笑ってしまったけど
人生てこんな感じだなぁと思った。特に身近な人が亡くなったときなんかはホントそう。うまく行ったり、躓いたり、苦しんだりして乗り越えられないこともあったりするけど、それでも続いていくものだし、続けていかなければならないんだと思う。逃げたっていいじゃないか。たくさん泣いて、涙で辛いこと薄めたらいい。
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