マンチェスター・バイ・ザ・シーのレビュー・感想・評価
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納得
切なく哀しい物語
見てて辛かったけど見終わったあと、そっとハグされる様だった。
もともと、グッドウィルハンティングが好きで、ウィルの友達役を演じていたケイシーアフレックが主演でオスカーをとったと聞き、見に行きました。
僕は17で、映画や小説を鑑賞した数、理解力も少なく、理系です。
でも、この映画を見たあと、リーの表情などがしばらく頭から離れませんでした。
僕自身、優しくて強い人間にならなきゃ。と悩んでいました。人間関係や努力の面で。
けどこの映画は、他の作品のような人間の底力や無性な強さ、優しさ、愛を描いているのではなく、
リアルな人間の心理、人生を描いており、
見ていて心地よく、非常に感情移入できます。
ケイシーアフレックの綺麗なガラスにヒビが入ったような演技には胸を打たれます。
このような人の苦痛や本当の心理を肯定している?というんですか、映画に出会えてよかったです。
ちょっとグッドウィルハンティングに似ているシーンが何個かあり驚きました。
後味は悪くない。
通行人・ケナス・ロナーガンの悲劇
いらいらしているケイシー・アフレックにたまたま?そばを通ったせいで喧嘩を吹っかけられた監督・脚本のケナス・ロナーガン。
「うるせえ不細工!ぶん殴るぞ!」みたいな事まで言われてるのに、ご丁寧に謎の去り際ソロカットまである欲しがりさんで笑えます。
でもそうやって笑いでごまかしながら話は進んでも、主人公の過去の記憶はぬぐえない・・・ってことが言いたいんだと思いました。
キャスティングの力
全てを背負い生きる
癒える事の無い傷のいたみ
生きている中で、毎日の生活の中で数え切れないほどの失敗やミスを犯してしまう。
しかし、そのミスが人の生き死にに直結する事はあまりない。
今作は小さな小さなミスで起こした事故の十字架を背負い生きていく人の話。
主人公のリー役のケイシ―・アフレックは寡黙で突然切れたり情緒不安定な感じがある人間。しかしながら家族とのシーンでは非常に優しく愛に満ち溢れた様子で見ていて温かかった。
兄役のカイル・チャンドラーは出番こそ少ないが非常に思いやりがあり、父親としても優しい模範的な感じがした。以前何かで見た時は嫌な役だったきがするが、、、w
妻役のミシェル・ウイリアムズはあまり見たことが無かったが、最後の方の演技はグッと来た。何かあのシーンは演技を超えた何かが宿っていた様に感じめちゃくちゃ映画に引き込まれた。
ケイシ―も演技では無い様子が感じられた。良い意味でw
タイトルを見てイギリスのお話か?w
と思っていたがアメリカのお話ですw
あまり風土や土地柄等はわからないが、かなり寒そうであり非常に美しい風景が描かれていますが、それに合わせて流れている音楽がまた美しく映画をより良い物にしています。
万人受けする内容では無いと思うが、時間軸がうまく絡み合いゆっくりと明らかになっていく内容に合わせてリーに引き込まれていく人は大号泣でしょうね。
僕はそこそこきました。
見ながら思っていたのですが、細心の注意を払っていても対向車が飛んできたり。
テロに巻き込まれたり。何も悪い事をしていないのに、ましてや信心深い人でも構わず神様は殺してしまう。
どの様に生きるか死ぬかが決まっているのか?
この映画の事故の様な事がもし起こってしまったら自分はもう前を向いては、笑顔を出しては生きていけないでしょう。
リーの発した「乗り越えられない」と言うセリフは色々な意味を含んだ一言でこの言い回し以外無いのではないか?と感じ深い感動を覚えました。
このマンチェスターではたぶん家族と行ったレストランや売店、公園等色々な所で面影を追いかけてしまう。フラッシュバックもしてしまうでしょう。
僕だって彼女と別れてすぐなら重ーい空気でイオン等に足を運んでいましたw
別れた彼女は死んだわけではなく別れたからいいんですが、家族でましてや亡くしてしまうと考えるとそれだけでゾッとします。
映画の中の出来事ですが本当に胸に重くのしかかり、明日からしっかりと生きていこうと思える作品でした。
最後に劇中では結構笑えるユーモアが散りばめられており良かったです。
解体
普通に生きてたら誰もが心に壊れた部分を持っていて、その穴埋めの方法が他人への攻撃に向かうのか自分への攻撃に向かうのか、若しくは愛情を求める方向に向かうのか愛情を与える方向に向かうのか、結局は他の誰かの道標によってその方向って大きく変わって来るんだと思う。
つまんねーし登場人物みんなムカつくなと思いながら見ていたが、なんか噛み締めれば噛み締めるほど凄く良い映画な気がしてきた。
ちょうど仕事も私生活も全く上手くいかなくて、しかもこの4月から最寄りの映画館が片道二時間というファッキン田舎に転勤になったので、色々思うところもあった。
ちなみに関係ないけどそのファッキン田舎は、久しぶりに帰った地元なのです。
69
人生てそんなもん
人生ベスト決定
もう3回も見てしまった。1回目は複雑な構成だったということもあり何か素晴らしいものをみたという感覚だけ残った。そして、何度も思い返したくなる映画だった。そして、多くの方のレビューなどを読んでもう一度見たくなり2回目を見に行った。2回目は構成やテーマを理解していたということもあり一番泣けた。3回目見たときにやっと細かい構成や脚本の上手さを理解できたほどだった。
気づいた上手い点としては冒頭のリーが兄の遺言を聞き後見人と告げられるシーン。このシーンは過去と現在のシーンが行き来する複雑なシーンなのだが、待合室にいるパトリックに事務のおばさんが「ジュースでもいる?」と声をかける。このセリフにより、まだパトリックは保護者が必要なこどもであると観客に無意識に伝えている。このような上手い点が他にもいくつもあるのだろう。
この映画は些細な些細な心の変化を丁寧に描いている。リーが終盤で告げる「乗り越えられない」というセリフはなんとも素晴らしいシーンであり毎回泣いてしまう。セリフ単体を見ればバットエンドのような悲しいセリフなのだが、乗り越えられないと誰かに吐き出すことが彼の小さな小さな一歩を見ているようで感動してしまう。
そして最後の釣りのシーンでは号泣でスクリーンが見えないほどだった。冒頭のシーンのような関係性に戻ったというより、子供と大人の関係で1本の釣竿でやっていたものが、それぞれ悲しみを抱え成長した人としてそれぞれの人生を歩むようにそれぞれ釣り竿を持ち、尊重しあっている関係に変化しているのがなんとも感動した。書かきれないくらい好きなシーンがあるのだが、最初から最後まで完璧な作品ではないかと思う。
最後にこの映画はポスターに惹かれた。「その心ごと、生きていく」というキャッチコピーはまさにこの映画を表現していると言える。しかし、言いたいことがあるとすれば、ポスターにはリーとランディが描かれているが、確かにこの二人の関係性は重要だが冒頭と最後のシーンからも分かる通りリーとパトリックの映画なのだからこの二人をポスターに使ったほうが良かったのではないかと少し思う。
お台場のアクアシティの映画館だと無駄に大きなスクリーンで見れるのでいいですよ。いつまでかはわかりませんが。
ロンハーマンなロケーション
舞台そのものが作品名である。そこはおよそ日本人がイメージするおしゃれなアメリカの観光港、日本の葉山が真似をしたくてしたくて堪らない位の風光明媚な港町だ。そんな景勝地である場所に、一人の男が帰ってくるというストーリー。
とにかく今作品監督ケネス・ロナーガンの馬鹿丁寧な程の作品の作り込みが如実に表現され、スクリーンから溢れるほどの想いを切々と吐露していくような展開を追うことになる。思い過ごしかもしれないが、最近の映画作品の中の登場人物達の職業、若しくは仕事の特徴と性格や性質等がマッチしない、若しくは何らかしらの関連性を見いだせない設定が多いと感じる。ステレオタイプかもしれないが、職人だから無口だとかみたいなものだ。主役の男は、マンションの雇われ管理人。手先は器用で仕事は出来るが愛想は悪く、人付き合いは殆ど無い。そういうキャラ設定を丁寧に時間をかけて、その紹介のシーンを冗長かも知れないが映し出していく。多分その丁寧さそのものが今作品の後半への長いフリなんだろう。中盤での火事のシーンでのあのスローモーションの演出と、葬儀曲で有名な『アルビノーニのアダージョ』が切々とその深く傷ついた過去が繰広げられる。そこまでの重厚且つ暗いシーンからの、警察署内で隙を突いて警官から拳銃を奪い自殺しようと試みる緩急は心を強く揺り動かす。あれだけ溜められれば、驚きのシーンとなる演出は心憎い。
この作品のキモは確かに後半の元妻の許しとしかしそれでも自分を責め続けること事から解放されない主人公の街角のシーンなのだろうけど、もう一つの軸である、兄、弟、そして甥という男の系譜が紡ぐ、濃い関係性の方を注目する。街から出て行く直前、車の前で兄に抱きしめられる弟、不覚にも胸を締め付ける苦しさと悲壮さを禁じ得なかった。勿論、原因は自分なのだからとは分かるがその代償が余りにもバランスが悪く、だからこその心理的葛藤は観る者全てを深淵へと沈ませられるのだろう。
結局、主人公はその過去を克服できず、兄からの救いの手であった甥の後見人という立場を退くことになる。残念ながらハッピーエンドではない訳であり、だからこそ今作品の辛さ、哀しさを綺麗に表現してみせた監督及び、主役ケイシー・アフレックのハイレベルな演技が堪能できる内容であると確信する。確かに文句なく、アカデミー主演男優賞及び脚本賞で納得である。
雰囲気はいいけど
主人公の日常を坦々と描きながら、兄弟愛、親子愛、夫婦の愛を深く印象付ける良作。
Movix堺で映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(Manchester by the Sea)を見た。
月曜日の午前中で観客は我々夫婦を含めて10人くらいだった。
ケイシー・アフレックが主演でマンチェスター。
イギリスの話か?と思ったら違っていた。
主人公が運転する車が左ハンドルなのでアメリカの話だった。
アメリカにもマンチェスターという地名があるようだ。
マンチェスターは、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州南部、ヒルズボロ郡の都市。同州の最大都市、かつニューイングランド北部3州の最大都市である。市域人口は107,006人。都市圏人口は40万人以上であり、同州最大。
ケイシー・アフレックの兄が病死する。
遺言によって、兄の長男の後見人に指名されたケイシー・アフレック。
ケイシー・アフレックにはマンチェスターに戻りたくない理由があった。
ケイシー・アフレック兄弟間の愛情、
兄と兄の長男との親子愛、
ケイシー・アフレックと元妻との夫婦愛、
さまざまな愛が描かれる。
映画を見た直後には気づかなかったいろいろな愛が映画を見終わった後にじわじわと感じられる。
主人公の日常生活をたんたんと描くだけのこの映画が、
第89回アカデミー賞では作品賞ほか6部門にノミネート。
ケイシー・アフレックが主演男優賞、
ロナーガン監督が脚本賞を受賞した。
作品賞を「ムーンライト」と競り合ったくらいの高評価の作品。
上映時間は137分。長いが長さは感じなかった。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
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