劇場公開日 2017年5月13日

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マンチェスター・バイ・ザ・シーのレビュー・感想・評価

全308件中、21~40件目を表示

4.5辛すぎる過去のあやまち

2022年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

リー(ケイシー・アフレック)にとって、生まれ故郷の
マンチェスター・バイ・ザ・シー(アメリカの地名)に帰ることは、
あまりにも辛すぎる。

ボストンでアパートの修理などの便利屋をしていたリーはに、
兄ジョーの急死の知らせが届く。
駆けつけたリーは葬儀の準備に追われる中、
甥っ子のパトリック(ルーカス・ヘッジス)の後見人に、
兄がリーを指名したのを知る。

そしてマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ると、
「あれが例の事件のリーか?」
町の人の好奇に晒され、二度と思い出したくない
「過去の事件」と向き合うことに。
葬儀の準備が進む中、
過去の様々な映像がリーの脳裏に浮かぶ。

その事件の夜。
真っ赤に染まり燃え盛る我が家。取り残された幼い子供たち。
立ちすくむリーのシーンに、アルビニノーニの「アダージオ」が、
悲しみの火に油を注ぐように、
荘厳なパイプオルガン演奏が鳴り響く。
(リーは警察署でもっともっと厳しく処罰して欲しかっただろう・・・)
(罪に釣り合う程厳しく罰されたらどんなにか楽だったかもしれない!)

映画は甥っ子のパトリックのシーンになると、
軽めのユーモアが散見する。
二股交際の女の子や、
その女子の家では、20秒ごとに母親が現れて、
声をかけたり・・・
バンドにアイスホッケーにバスケと、
青春を謳歌するパトリック役のルーカス・ヘッジスは、
ジェシー・アイゼンバーグ似で、繊細さとやんちゃ少年ぽさが
魅力的。
パトリックはリーよりずっと世慣れて大人だが、
父親の遺体の冷凍に怯えて、
冷凍庫のチキンにパニックになったりして、
まだまだ子供。

後見人になったリー。
兄ジョーの遺した船でパトリックと過ごす時間は、
リーの苦しみも癒してくれそう。

子供を失った悲しみ。
母親役のミシェル・ウィリアムズ。
リーと会うとどうしようもなく心が乱れる。
互いに会うことが傷に塩をなすり付けるよう・・・
とても、分かる気がする。

リーの罪はたとえ妻から許されても、
消えることはないし、
自分が一番、自分を許せないのだから。

人間は過ちを犯すもの。
悲しいけれど、どんなに絶望しても、
人は生き続けなくてはならない。

パトリックと船が、少しは手助けしてくれるだろう。

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琥珀糖

5.0悲しいけど何度も観たくなる

2022年8月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

マンチェスターの町並みの絵がとても美しい。物悲しい音楽をバックに、オープニングから引き込まれる。ケイシー•アフレックは、辛い過去を背負った影のある役を細かい所作で見事に演じていたし(アカデミー主演男優賞も納得)ミシェル•ウィリアムズも非常によい演技を見せてくれている。
物語は淡々としたトーンで進むが、リーの家で起きた事故の回想場面から、彼がいかに重い過去を背負っているのかを視聴者は知る。その後はもうリーの葛藤や苦しさが観ている自分にものし掛かっているような感じがして、町で出くわした元妻ランディとの会話の場面で涙腺崩壊。最後パトリックとの会話でリーの「I can't beat it」でまた号泣。悲しいストーリーではあるけれど、映像、音楽、脚本、キャスト総じて素晴らしく、私にとっては何度も観たくなる映画。

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Ran

4.0過去の悲劇を抱える男の彷徨

2022年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

観始めた時は、評判ほどではないな、話しにまとまりがなく退屈だなと思った。しかし、話しが進むに連れて、作為を極力表に出さない自然なストーリー展開が紡ぎ出す人間ドラマが心に染み渡ってきた。また、全編を通して、何か温かいものに包まれた雰囲気に、作り手の主人公のような悲劇に遭遇した人間に対する優しい眼差しが感じられた作品だった。

アメリカ・ボストン郊外で便利屋として働く主人公リー(ケイシー・アフレック)は、仕事は出来るが客とのトラブルが絶えなかった。彼は鬱々とした孤独と哀しみを抱えて生きていた。そんな時、兄が突然死し、兄の遺言に従い、故郷のマンチェスター・バイザシーに戻り、16歳の甥(ルーカル・ヘッシズ)の後見人をすることになる。二度と帰るまいと決意した故郷で、彼は過去の悲劇と向き合って生きていくことになる・・・。

悲劇が元で別れた妻(ミシェル・ウィリアムズ)との久々の会話シーンが秀逸である。会話を分かり易くするようなことはしない。不器用で、たどたどしい会話のなかに、互いを想う気持ちが溢れている。ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズの演技力が光る名場面だった。

前半では、巧みに、主人公の過去と現在を往復しながら、決して善人とは言えないが、何処にでもいる子煩悩で友達が多く妻との喧嘩の絶えない彼の悲劇前の人間性が炙り出されていく。そして、そんな家族に起きた過酷な悲劇で主人公は激変し、心の傷が癒えぬまま、過去を払拭できないまま、主人公は故郷を離れ人生を彷徨していく。従来作に比べ、この彷徨の過程を淡々と丁寧に描いているのが本作の特徴であり真骨頂である。

本作は、主人公および周囲の人々の日常の出来事を描くことに徹している。作為的なことは一切しない。話をまとめることもしない。説経臭いナレーションも被せない。直向きに主人公の心情に最接近することで、我々観客に、彷徨というものの生々しさを突き付けてくる。ラスト近くで、“乗り越えられない、辛すぎる”という彷徨の渦中にある主人公の呟きは自然であり、それ故に極めてリアルである。何より、ケイシー・アフレックの鬱屈した彷徨の演技が出色である。

そんな主人公にも、甥との関係を通じて、再生とは言えないが、一筋の光が差し始めたエンディングは心温まるものであった。

派手さはないし、すごく楽しい作品でもないが、観る価値のある作品である。

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みかずき

5.0can't beat it

2022年5月25日
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鑑賞方法:映画館

厳しい潮流に逆らうかのように海辺の町でただひたすらもがき続ける主人公がいる。主人公の経験と哀しみは、安易に想像できない。父の死を乗り越える高校生の甥っ子との対話がある。哀しい主人公と甥の二人を乗せたボートは、ただひたすらゆっくりと海を進んでいく。鬱な主人公と彼の周りに配置された人々に流れる時間の相違が映画のリズムの肝になっていた。人々に無言の応対を続けるケイシーアフレックを見て、時に魔が差したような笑いがこみ上げる時もあった。 死の宣告をしている時に、良い病気ってなんだと医者が聞かれたり、救急隊員が救急車に担架を載せようとするとき中々入らなかったり、悲しい場面に含まれていた苦笑いを誘う細かな演出が主人公を見守る気持ちにさせてくれた。寒々しい景色が続く映画でありながら、不思議なユーモアに包まれた他人の気持ちに寄り添うとても暖かい映画だった。

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Oliver

4.0芝居がひたすらに見応えのある

2022年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ケイシーアフレックの芝居がひたすらに見応えのある作品。
喪失によって形付いた、空虚というのがぴったりな表情がすごい。
喜びも目的もなくただ生きているだけの日々、それをこれでもかと言うくらいに滲ませている。
色調もどこか気怠いトーンでぴったり。
反面、音楽はとてもエレガントな音で作品を包んでいます。
淡々としているが退屈でなくむしろ目が離せない作りで、人と人の触れ合いの描かれ方がとても愛おしい。
辛さを孕んでいるが、それ以上に美しい物語でした。

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白波

3.5少しだけ前を向いて生きていける

2022年5月5日
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ニョロ

4.0 静かな映画。登場人物は行動の理屈など語らないし整理もできていない...

2022年4月29日
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鑑賞方法:VOD

 静かな映画。登場人物は行動の理屈など語らないし整理もできていない。現れていること、その背景、時系列も散文的だが、目が離せず見入るうちに見ている側に塊ができる。自分の人生もあわせて振り返りつつ、運不運、タイミングなどをぼーっと考える。
 Amazon prime videoはもうすぐ見放題期間が終わる映画を紹介してくれる。本作はタイトルしか知らなかったが、ジャケ買い(買ってないけど)で当たった感。かなり高い社会的評価にも納得。

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またぞう

3.0終始悲劇…

2022年4月27日
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鑑賞方法:VOD

何かしらの悲劇を味わったことのある人は
どうしようもない過去に囚われる
つかの間笑えても心は晴れる日はない
悲しみに暮れていては生きていけないから
時間が経てば笑える日が来る
けど、気遣われる環境からは離れた方がいい
その過去を知らない世間で生きた方がいい…

アルビノーニのアダージョがかかった時は
これは…何が起きるのだろう?と見ていたが
まさかこんな悲劇が待ち受けようとは

ヘンデルのメサイアがかかった時は
苦しく映画を見ていたあたしに癒しをくれた

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mamagamasako

0.5経験したことないので、確信は持てないが、あり得ない話。

2022年4月26日
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鑑賞方法:VOD
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マサシ

4.0どっち派ですか?

2022年4月19日
PCから投稿

ニューイングランドの田舎町の過去ある男性の人生を淡々と描きます。
おそらく多くの人には話の盛り上がりもなくダラダラ続く印象なのでたいくつでしょう。
アレン選手のアニーホールみたように。
評論家がめんどくさいこと言いたがりそうな映画です。
この手の作品は大抵嫌いですが、これにはハマりました。
理由は上手く言えません。どうして赤より青が好きか説明できないのと同じように。
合う人には合う、けど皆に勧められる作品ではありません。
まあ、一時間半で十分ですけどね。

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越後屋

4.5滑稽にさえ思うほどに

2022年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

トラウマはこんなにも人を、周囲の目線を、そして人生を変えてしまう。
それは、滑稽にさえ思うほどに。
孤独感が漂うんだけど、作品自体にユーモアがあって、
あれは一体なんだったんだろう…と、何度も見たくなる興味深い映画だ。
おじさんも残ってよ、は思わず泣いた。

#孤独 #家族 #守るべきもの #PTG

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高岡 正和

0.550分くらいで見るのやめた。

2021年11月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

物語の導入部が延々と続いている様に感じた。

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くそさいと

4.5乗り越えがたい悲しみの話

2021年10月10日
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鑑賞方法:VOD
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Masa_king01

5.0観終わってわかるのは「これは兄の物語だ」ということ

2021年9月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

上質のニューイングランドもの。
心が満たされた。

「変わり者で困った叔父さんと甥っ子」というテーマの映画は多い。
この映画では
・次男坊のリーと
・甥っ子のパトリックだ。
一族のヒエラルキーにおいては、年代こそ異なれど、この二者は下位対等だ。

心臓病で早世する兄ジョーは、遺していく弟と息子のために遺言書を記していく。
実に用意周到。=「リーとパトリックのふたりそれぞれが新しく生き始めるための道筋」=を設計図に夢見、
必ずいつかふたりがその孤独な道行きを接近させ、ふたつの孤児を出会わせる日を、ジョーは願っていた。
兄は助走路を遺して逝ったのだ。
長男らしい終活なんだなー、これがね。

それはただひとつのジョーの望み
「弱い弟と、まだ保護者の必要な息子の幸せのために」、なんですよ。

物語は
無理強いされた「新米後見人」のリーと、リーに懐かない甥の“二人三脚”。
自分亡きあとをプロデュースした長兄のたっての「願い」が、いつか必ず叶うとの確信通りに、兄の祈りはリーとパトリックの海辺の姿に実をむすぶわけで。

弟リーは
墓地をさまよい、仕事中にはマグロ漁船で父親を亡くした老人の独り言を聞き、火事で死んだ子らの写真と霊安室の兄を見つめる。
失火を苦しみ続けていたリー。

死者と生者がマンチェスターの街で、防波堤で、そして海で、静かに心通わせるラストは沁みる。

画面上はわりと早めに舞台の袖に引っ込む兄のジョーなのだが、
ボストンの海辺を照らす春の日差しを見れば、エンディングでその兄ちゃんの存在の大きさにいつしか圧倒されて、ふたりの釣りびとが可愛らしく小さく見えて仕方なかった。

・・・・・・・・・・・・

【ひとの人生は 伏線の種まき】
・火事のあと、半地下の、がらんとしたワンルームでふさぎ込むリーのために、無理やり「人間らしい生活を」とソファーを買い与えた兄ちゃんでした。
あのお節介が、後年、(父親も母親も失った)甥っ子のパトリックのための長椅子になって、美しく復活する。

・自らに死の刑罰を与えんとした銃器も、新しい役割を与えられて、今度はボートのエンジンとなって新生・復活をする。

「伏線」がこうしてひとつひとつ拾われていくごとに、僕たちの人生についても思いは及ぶ ―
僕らの生きている全ての一瞬一瞬、そのひとこまひとこまが、誰かの優しさの遺言・伏線の回収であったこと。そして思い出の蘇りであったことを、エンディングで鑑賞者の私たちは知ります。

そして水平線の先を眺めれば、いま生きている僕らの人生も、きっといつか誰かの幸せとして現れるためのまた伏線になっているのだと
それがはっきりと分かった。

兄ジョーによって蒔かれた愛情の種は、蒔いたひとの上にではなく、その命のめぶきを必要とする誰かの上に、時を隔てていつか緑の若葉として宿りましたね。

・・・・・・・・・・・・

付記
【制作者たちの出自と傾向について】
マット・デイモンは、
「グッドウィルハンティング」の脚本と出演を手掛けたが、本作ではプロデューサーのひとりとして制作に加わっている。マット・デイモンは去って行った者や死者を活かす映画の造作に長けている。

アフレック兄弟も、今回のプロデューサーのマット・デイモンも、米国の東部=マサチューセッツ州生まれだ。
「メッセージ・イン・ア・ボトル」のレビューでも触れたけれど、
まさにこの土地の風土と、そこに暮らす住民のアッパーソサエティ・スピリットあっての作風。
ロナーガン監督も例外ではない。東部NY の出。
“ By the sea ”と言っても、ヤンキーの住む西部ロサンゼルスの海端ではこうはいかないだろう。
理知的で精神の独立性を重んじる移民の地、ニューイングランドであればこその、ハイクラス・ムービーであることは確か。

チャントのような静謐な二重唱が流れ、クリスマスのメサイヤから数曲。
そして弟リーにエンジンがかかってボブ・ディランへとつむぐ。

回想シーンの挿入で、ここまで無理なく違和感なく編集をやってのける手腕とセンスにも、唸った。

・・・・・・・・・・・・

本作品の鑑賞者が“長男”か“次男”かで、この映画への心の琴線の触れ所は変わるのだろう。
パトリックはうちの長男坊にそっくり。
(あとベサニー医師には萌えた♡)。

「弟と甥の物語」かと思いきや、実はこれは「長男の物語」なのだと、僕は長男なので思った次第。



参列できなかった叔父の葬儀の日に、DVDにて鑑賞。

譲り葉の落ちて林の春日かな

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きりん

5.0happier end

2021年9月13日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

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ゆい

4.5後悔を内に秘めて、淡々と生活する。

2021年6月23日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

難しい

そうする事でしか、自我を保てない程の、悲しく辛過ぎる過去。裁いてすらもらえない『背負う』という現実。いっその事、、、と何度思った事だろうか。

自ら他人との関係性を最低限に断ちつつ、敢えて興味も持たず、必然的に自暴自棄に。

兄ジョーの死を切っ掛けに歯車は動き出す。歯車は望まずとも強制的に動いていくが、そこには兄への愛情と尊敬が垣間見える。

物語の展開は海辺の田舎らしくゆったりと。だが、その緩やかな時が、尚更に厳しく。現在に『適度な過去』を挟む事で厚みを表現。この秀逸な脚本が、登場人物達を見事に演出。

口数少なく、不器用で難しいリー役を、ケイシー・アフレックが見事に好演。徐々に甥のパトリックにも気遣い出来る程、時間がリーを優しく包んでいくが、悲しい。

元妻ランディの言葉に救われるも癒えない。ミシェル・ウィリアムズの悲しい演技に涙。余りに深いその傷を思わず吐露するリーに、ただただ観る者は心を締め付けられる。

『娯楽』ではない、圧倒的な『作品』。観る事で言葉に出来ない何かが生まれる。ケイシーの演技にどっぷり魅入って欲しい。

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アル

4.0乗り越えられない

2021年5月30日
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男兄弟っていいなあと、ラストはただそれを思った。

ふと沸き起こるフラストレーションを
暴力で昇華させようとしてしまう、そうするしか生きていけない。
乗り越えられないし、乗り越えたくもない、むしろ乗り越えるべきと思っていない自分の過去。

甥っ子との言葉の応酬は
字幕を読む暇もない。

心も 修復不可能なほど 再起不能なほど
傷つくのだ。

精神を病むという事が逃げに見えるほど真摯に自分を責める生き方は選んでそうしているわけでもなく、
その原因となった彼の元の性格、、友人がいっぱいいる男気のある男とセットになっているのだと思う。

自分の人生の言い訳は するつもりもなく 思いつきもしない。
ダメなものはダメで 嘘や言葉でカバーしたりしない男。

甘い言葉は撒き散らさず、
理性など 持っている分量だけでよいと思っている。

愛を行動で示そうとアクセサリーや花を買う男にしか価値を見出せないと思われている女たちだって、
こういう男に一発でKOされてしまうのだよ、と逆に男たちに教えてあげたい。

元妻(ブルーバレンタインの人だったね)が彼に向かって泣きながら謝罪するけれど、
法的罪にも問われず妻からも責められなかったら、その方がもっとつらい。

とは言え、彼女の言葉がずっと彼の脳裏でリフレインし続けているのもまた間違いない。
そしてそれは彼自身が受ける真っ当な責め だと思っている。

今はまだ16で、ヤル事しか考えてなさそうに見える男の子もきっと 父のように 叔父のように 海の男になっていくのだと思われる。

口先と脳みそが繋がっている男より
ハートと脳みそが繋がっている男がいい。

(と思いつつもほんとは両方にちゃんと繋がってないと、生活してる中で不具合が多くなって面倒であるというのも事実だったりする)

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asica

4.0乗り越えられない

2021年5月23日
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ジャーニー

5.0孤独、寛容、無関心、愛

2021年5月21日
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redir

5.0癒えることのない傷を抱えながらも生きていく

2021年5月11日
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鑑賞方法:VOD

心を閉ざした男が兄の死によって、かつて住んでいた地を訪れる。そこで、兄の息子と生活を送ることになり、過去の悲劇と向き合うことになる…

所々、絶妙なタイミングで過去の映像が流れることで、陽気だった主人公リーに一体何が起きたのか?なぜ行き場のない怒りを抱え、何か悲しそうに見えるのか?興味を引き立てる構成になっていると感じた。
そして、主人公のリーを演じたケイシーアフレックの明と暗の演技の対比に脱帽した。ベンアフレックの弟ぐらいの印象しかなかったが、人生の落伍者を演じさせたら間違いないのかなと思った。

そして、マンチェスターの静かな波が印象的。初めはリーの心情と同じように、悲しく、冷たい印象を感じた。しかし、終盤では変わった。心に負った傷は全てが癒えるわけではないが、甥や元妻との交流を通して、一歩を踏み出そうと変わったリーをそっと送り出すような印象になった。

本作は明快なメッセージが表示されたり、結末があるわけではないが、登場人物が織りなしたドラマは心に深く染み渡っていった。見て良かった❗️

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いたかわ