ユリゴコロのレビュー・感想・評価
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前半は刺激的、後半は退屈
予告を見て興味があったので鑑賞しました。
個人的には前半の生い立ちが興味深く面白かったです。
リストカットのシーンは本当に痛みが伝わってくるほどでした。
後半になるにつれ、設定が無理矢理、ありきたりな印象を受けました。
綺麗に終わらせようとしすぎというか、、
ヤクザとか見てて少し寒かったです。
原作を読んでおらず、暗い感じを想像してたせいかもしれません。
最初はタイトルの拠り所がはっきりしてましたが、最後辺りは曖昧すぎて退屈でした。
前半はとても良かったので半分の2.5点です。
役者の演技が良すぎて。。。
役者の演技が良すぎて、小説なら隠される部分も全て見えすぎた。。。
主要な3人はもとより、一人一人の役者の演技が見事にうちなるものを表現しきってるし、また寄せるところを見事に寄せてる。
すごくよかったけど、小説なら、えっ!?そうだったの? まさか、思いもつかなかった。。。となるだろうところが、全て透けて見えてしまった。
わざと伏せるのは違うと思うし、演技として完成度鳥肌ものだと思う。
完成度高い分、見えてくる。。。歯がゆいところかな。。
よかった
シリアルキラーに優しい目線だった。女の子が殺してないとつらくて仕方がないというのは気の毒な状況だが、周りの殺される人はたまったものではないので、近くにいなくてよかった。
こういう人はボクシングや空手などで発散できないのだろうか。どうしても死じゃないと気持ちが収まらないなら屠殺や傭兵などの仕事に従事してなんとか社会で頑張って欲しい。
ヤクザが自分の奥さんを娼婦にして客を取らせるというのはちょっと変だった。借金のかたにソープに沈めるのはあると思うが、そんなヤクザいるだろうか。また、殺人が好きな主人公のお母さんがヤクザの事務所に乗り込んで全員皆殺しにするのはどんなスキルなのかと思った。殺人が好きなのと、次元が違うものがごっちゃにされていないだろうか。
お父さんとお母さんが若い時の、昭和の描写で遠景になった時に、現代の尖ったライトの車が映ってちょっと残念だった。CGで消して欲しかった。細かいところでは横断歩道が横線だけのところがあって、あれはけっこう新しい文化じゃないだろうか。昔は縦線が両側にあった。
痛い愛
吉高由里子が美しい!
渋谷のスクランブル交差点の看板で気になって観てきました。
リスカのシーンはギリギリ…
でも我慢して観た甲斐がありました。
痛々しいほどの愛。
エンドロールの曲で号泣でした…
色々伏線があったみたいで、もう一回観に行こうと思います!
原作も読んでみたいです。
日記に潜むもの
日記を書くと自分の頭の中が
整理できます。
そして、もやもやしたものを
言葉にする事で、自分の頭から
違う場所に移したと
暗示をかけることで
少し忘れることもできます。
だから、
日記は人には見せない
内面の物語が潜んでいるので
他人のものは見てはいけない。
前から思ってましたが、
改めて納得しました。
知らなくてもいいことを
知ってしまった結末は計り知れない。
悪意のない好奇心が、全てを
変えてしまうのは現実でも
あることです。
前半の二人の出会いから
一緒に暮らし始めるシーンでは
まだ記憶にある昭和の恋愛映像と
だぶって重みと温かさが
混在していていました。
縁がある二人は、何かつながって
いるかのように惹かれ離れない。
過去のある出来事が接点につながって
いたとは衝撃でした。
姿が変わっても、年月が過ぎ去っても、
出会った時の心の声がよみがえれば、
二人の絆は永遠でそれを
拠りどころに暮らせる人は幸せです。
心の闇はみんなあると思うけど
その闇とどう向き合うかは
人によって様々です。
願わくば、のみ込まれないように
人とのふれ合いが大切。
いい出会いが鍵なんでしよう。
みつ子と美沙子
ヨリドコロ。
これを求めて殺人を繰り返す美沙子。吉高由里子演じる彼女の悲しすぎる運命はあまりに切なく、ラストは思わず涙も流してしまった。
美沙子の幼少期役を演じていた子役と清原果耶の演技が印象的だった。生まれついての美沙子の狂気性をしっかりと表現しており、2人の目力に圧倒された。また、みつ子演じる佐津川愛美の存在は強烈なインパクトがあった。リスカをは日常とする異常さと美沙子に懐く純粋な可愛さが混ざり合っていて、強烈な印象を残していった。2人の手首から流れる血が徐々に1つになっていく様子は秀逸だった。
しかし、演出に粗い部分があると感じた。これからどんなシーンが始まるかの予想が簡単な音楽や場面転換が少し気になった。美沙子と結婚することになるくだりの洋介のセリフはあまりにも唐突で無理があったし、少し臭かった。
「死」をユリゴコロとする美沙子の悲しい運命は、あまりに残酷で切なかったがやはり共感できるものでもなく、しかし惹きつけられる部分もあり、非常にやるせない気持ちになった。
現代パートも少し触れると、亮介演じる松坂桃李の理性が崩れゆく姿は素晴らしかったと思う。
しんどい映画。それだけに、切なさも際立つ。
グロイのが苦手は自分は、ときたま顔の前に手をかざし、音声を頼りに映画の流れを確認しつつ、指の隙間からわずかに見えるイヤな映像を我慢していたものでした。
まあ、それは折り込み済みで鑑賞したので構わないけど。
ただのサイコ映画とみるか、先天的に精神に異常を抱えた悩める女性の悲しい物語とみるか、それは観る側の感性次第でもあり、監督の腕の見せ所でもある。
映像にこだわりを感じるあたりは好感を持つのだが、どうしても手助けしなくちゃ可哀そうだ、まではいかなかった。その一番の理由は、美沙子役の「吉高=木村多江」に無理があるからだろう。整形はいいが、体型がまず違うし、今の美沙子があまりにも常識人にしか見えないからだ。だから、吉高の苦悩は伝わってきても、木村の献身がどうも物足りない。この時期、斉藤由貴でもこの役をやっていればもう少し映画の世界も出来上がったろうが。
役者陣の演技はそうじて良かった。洋介役の松ケンの憂いがいい。末期がんの洋介を演じた初老の役者、なんというのだろう、その死に接した心境の穏やかさもよかった。佐津川愛美も、またひとつ違う役の幅を見せてくれた。
殺意は誰でも持つもの
ストーリーの本筋はなかなか面白いのに、演出や描写でかなり損をしている作品だと思った。
ベタなライトアップや色調、映像の作り方は好きなんだけど演技指導がいけないのかやたら古臭くちゃちな印象が全編通して抜けない。
説明的すぎるセリフにも辟易とする。
ノートを読み進める松坂桃李がワナワナしたり白目向いて「コロシタイ…」と呟くシーンはギャグにしか思えなくて不謹慎ながら笑いが堪えられなかった。
殺人鬼の血が流れてるからこんなに殺したくなるんだー!って純粋おぼっちゃまかよ!
殺意なんて誰でも持つことあるもんだって、結婚するような歳になるまで分からないものかな。
まあいきなり自分の母親が何人も殺してるようだって知っちゃったら混乱するのも当たり前っちゃ当たり前なんだけども。
時代遅れ&テンプレすぎるヤクザ像にも笑えるし、何より、複数を殺してきた女とはいえ 普通のおばさんである木村多江演じる細谷さんがプロ探偵並みに調査力高いのにも力が抜ける。
というか亮介くん、細谷さんにキレたり車で爆走する前に自分で調べる努力をしようよ…自分の婚約者なんだからさ…
現在パートになかなか入り込めないぶん、殺人者美紗子の独白と共に送られる過去パートはわりと好き。
なんだけど殺人シーンのあまりのお粗末さにはガッカリしてしまう。
テレ朝のサスペンスでよくある、「えっ、こんな簡単に人って死んじゃうか!?」の連続なのである…
話の流れは好きなんだけどね。
佐津川愛美が リスカ大好きメンヘラ女子を見事に自然に可愛くほの暗く演じていてとても良かった。
いつも脇役だし存在感あるわりに注目度が低い気がするんだけど、彼女を見るたびにその演技力と順応性の高さに惹きつけられる。
なんとなく予想のつくラストはベタな回想とともにかなり駆け足に進み、感動的に仕上げたいんだろうけど心に刺さるものは何一つ無い。
奇跡に近い偶然がいくつも重なるのもなんだか萎えてしまうかな。
いくら本当の愛を知ろうと子供の為に行動しようと殺人の罪は消えないし、自首して罪を償うより整形して一般社会で生きることを選んでる時点で同情の余地なし。
くっつき虫や逆さミルク飲み人形、穴に落ちる虫や滴る血液など映像的に好きなものは多いし、
心のユリゴコロとして殺人を選ぶ美紗子には興味が湧くけれどイマイチのめり込めず粗が気になって仕方がなかったのが残念。
一体誰目線で観ればいいのかわからない映画だった。
監督が若い青春映画を多く撮ってる人だったのでベタな演出やちゃちな演技に少し納得…
グロテスクなシーンは目を背けました。
私は木村さん、吉高さん両者好きですが、この配役は疑問です。映像ではないが、木村さん一人でヤクザ何人血祭りにしてます?バラバラ死体。10人位。そんな事可能ですか?それ以外は良。
タイトルなし(ネタバレ)
原作未読です。
途中までは面白く見てました。サイコパスに共感はできませんがそういう衝動があることは理解できます。
グロさも私にはさほどではありませんでした。
この作品で残念なのは重要なところで偶然が二つも重なるところです。
一つは側溝の帽子を取る少年を死なせたシーンであの2人が出会っていたということ。
もう一つは主人公の恋人とみつ子か知り合いであったということ。
こんなご都合主義の偶然が二つも重なることで、とたんに話が嘘くさくなってしまいました。
ラストのヤクザ事務所への襲撃も、女性一人で可能とは思えません。それと現場にあの植物が落ちていたのもなぜなのかわかりません。名刺がわりですかw
俳優陣はみなさん好演でしたので残念でした。
耐えられるグロさ
レビュー見てちょっとビビってたけど、意外に大丈夫やった😤
物語が進むにつれ、みさこがだんだんと人間らしい感情を持っていくのと相反して、過去の罪の意識に苦悩する姿に、実は心の病ではなかったのでは?と思う程自然というか。
吉高由里子の演技がそうさせるのか。
はじめの無心なみさこや、殺人を犯す時のなんともいえない表情のみさこ。
松山ケンイチと出会ってはじめは一線を引いてるけども、だんだんと興味をもって感情を出していくみさこ。
吉高由里子しか似合わない役だと思ったし、内容が重くても最後まで見られる作品だった。←最後の方、吉高由里子出てこんけど
木村多江はてっきり、鉄板で死んだ男の子の妹やと思たのに!
それで松山ケンイチの子どもである松坂桃李にヤクザ殺させて(罪をきせて)復讐するんやと思たのに!
まさか恋人がほんまにあんな境遇やったとは..そして恋人と木村多江が職場仲間やったという偶然があるなんて。あれは運命って事なんかな?
いろいろ「???」な部分もあったけど、見応えはあったし良かったかな😊😊
よかったけど残念😥
原作と違うのが残念だけど、映画としては凄い映画だったよ〜。
役者さん一人一人凄いんですけど(>_<)
特に吉高さんと佐津川のシーンは、なんだこれは〜〜って感じでした。
最後の最後は原作通りがよかったなー😵
あの一言があるかないかで、作品のイメージが薄くなっちゃったかもね〜。
なんか、ぐっときました
吉高由里子さん、ハマり役ですねぇ。サイコパス満開ていうかなんというか...松山ケンイチさんも良かったと思います。
人間の深い闇の部分をくすぐる、もちろんあってはならないことだと思うのですが、全否定できないこのイケナイ扉開けた感!
子どもが亡くなるのは嫌でしたが、汚い大人が殺されていくシーンとかは有りかと思ってしまいました。
最後はこれも愛かなーと。
壮絶ながらも、あなたを包み込む“ユリゴコロ”
これまたイヤミスの映画化。
あまり原作小説を読む事は無いので、沼田まほかるという名も恥ずかしながら初めましてだが、スゲーもの書くなぁと思った。
自然に囲まれた飲食店を経営する青年・亮介。
父が余命僅かで、ある日父の書斎で、一冊のノートを見つける。
それには、人を殺す事でしか“ユリゴコロ”を得られない女殺人鬼の人生が記されていた…。
“ユリゴコロ”とは、自分の心を満たす安らぎ。つまり、“拠り所”。
それが殺人という女性、美紗子。
扮した吉高由里子の演技が素晴らしい!
天真爛漫と言うか、ちょっと不思議ちゃんと言うか、それらの雰囲気を封印し、死んだような虚ろな目、生気の無い表情。そのダークな佇まい。
ある出会いによって芽生える、複雑な感情。
演技力は高いと思ってきたが、彼女は憑依型の女優であると確信した。
吉高由里子の演技に心揺さぶられる。
本作、何かの恋愛モノと思って観に行ったら、間違いなくドン引く。
それくらい、陰湿。
スゲーグロいって訳でも無いが、しかし美紗子の初めての友達と言える自傷行為が“ユリゴコロ”である女性が、自分で自分の腕を傷付け流血するシーンはなかなか生々しい。
また、可愛らしさはやっぱり隠せない吉高由里子が、無表情のまま人を殺すシーンは戦慄。
繊細なドラマや青春・恋愛モノに定評ある熊澤尚人監督も、こういうのを撮れるとはね~。
さ迷うような人生を送っていた美紗子はある時、陰のある一人の男性・洋介と出会う。
悲しい過去を持ち、その罪滅ぼしの為だけに生きているような洋介と出会った事で、彼の存在が今までとは違う“ユリゴコロ”となり、生まれて初めて愛を知る。
松ケンが“容赦ない優しさ”を、抑えた演技でさすがの好演。
前半の陰湿なサスペンスが、突然メロドラマチックに。
何だよ…と思うなかれ。
やがて知る因果の嵐の前の静けさ。
洋介を苦しめる過去には、神様の残酷な悪戯としか思えない美紗子との繋がりが…。
亮介の現代パート。
自分の出生の秘密。時折自分の中にある激しい感情。美紗子との関係。これ、すぐ分かる。って言うか、予告編の時点でバレバレ。
亮介には婚約者が。突然失踪。その理由は…。
美紗子パートがあまりにもインパクトあり過ぎなので、どうもセンチメンタルだなぁ…と思っていたら!
思わぬ展開!
木村多江さんにはやられた!
登場人物皆、数奇な宿命に囚われ、喘ぎ、もがき苦しんでいる。
彼らにとっての“ユリゴコロ”は…
生易しい話じゃない。
でも確かにこれは、“愛”についての物語。
温かく心満たしてくれるものではないが、目頭熱く胸えぐられるほど壮絶な愛の物語に、打ちひしがれた。
沼田まほかるは来月公開の『彼女がその名を知らない鳥たち』の原作者でもあるとか。
これも観たいんだよね~!
運命という名の偶然
で全ての物語が展開するので、納得感が薄い。
てか整形って、その金はどうやって? いくら殺人慣れしてるとはいえ、女性1人でヤクザ皆殺し??
疑問だらけで、ラストもポカーン。
前半ストーリーとラスト
ストーリー前半は主人公の幼い頃から大きくなるまでの心のユリゴコロを探すような話だけど
本編最後の方はまぁいろいろ驚きあり、人によっては泣けるようなシーンあり。吉高由里子、松山ケンイチ、松坂桃李主要3人はいい演技してます。
あとネタバレになりますが最後の方は木村多江さんがかなりキーマンな役どころです
なかなか面白いが…
違和感を感じる「ユリゴコロ」という言葉、医者の説明から続くなかなかにイヤな事件やら描写やらの数々。なるほど前半は吉高由里子の演技も見事な、痛みすら感じる「イヤミス」となっている。
マツケンと出会ってからの後半も展開はなかなか面白いものの、タネ明かしで「いや、そんな都合の良い偶然ばっかりあるか〜い!」てなりますな。
むしろ「ずっと近くで見てました」という方が説得力ある。これは原作の問題なのかもだけど。
良い映画の入り方…だったのに
冒頭はとても丁寧で絵も綺麗で観る人を惹きつける演出、カメラワーク。これはいい映画観れそう…だったのにあれ。中盤からとても雑に。。
吉高さんは…かわいい。笑
かわいすぎて前半しっくりこない。
そして殺人が割と雑。犯されそうになって鍋で叩くって雑すぎませんか。殺人鬼なら殺人にある程度統一感を持たせなければならないのでは?てかユリゴコロちゃうやんっていう。
マツケンの話を聞いて吐くあたりとか可愛げのありすぎるご飯の譲り方とか…しっくりこない。
最後は壮大な音楽で愛の物語ぽくなってましたが、いやいやこんなハチャメチャな背景からそういう感動は生まれないよ!?ってなりました。
後半時間なかったのかなんなのかわからないぐらい無理やり美しくまとめ上げた感。どっかの力のある人(団体)がうるさかったのだろうか。笑
鑑賞後にジワジワと侵食してくる作品
原作は未読なのですけど
なにやら、話題作らしいです。
僕は、まったくアンテナにひっかかりませんでした。
「沼田まほかる」さんという方の原作を「心が叫びたがってるんだ!」を今年監督された熊澤監督が監督。
主演は、松坂桃李 吉高由里子 松山ケンイチ 木村多江
という・・なんとも演技力の高い実力派で固められてる
一応は、ミステリー小説なのでいろんな伏線を張り巡らされた謎解き的な要素も含まれてるのですけど、監督の手腕なのか原作の解釈の仕方なんだろうと思うのですけど、わりと・・謎はすぐにわかりやすくて、あっという間にバレバレな感じなのですけど
人に依っては・・
前半の30分でいたたまれなくなり劇場から出て行ってしまうのではないか?
といった強烈な「闇」をはらんでる作品だと思いました
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ここからネタバレ
多分、元気な時に観たらもっと・・強烈にダメージを受けてたに違いない作品です。
まず・・
あらすじとして
生まれたころからすでに「心が壊れてる」女の子が主人公で
外に出ると、全てに対して危険を感じて常に安心感がなく警戒心しかない「心のよりどころ」のない女の子。
その女の子の幼少期から描かれるのですけど。。
しょっぱなから・・5歳くらいの女の子が殺されるというか・・
死に至るシーンがすでに強烈。
多分、ミュージックビデオなどの経験もある監督なのだと思うのですが、シーンの作り方がアートです。
「強烈なのに美しい」
そのあと、料理学校に通いだした「ミサコ」の友達の「ミツコ」
この「ミツコ」の壊れっぷりが・・とてもリアルで。。
「ミツコ」役が佐津川愛美さんで、とても強烈なインパクトで演じてくれます。
「ミツコ」は摂食障害と自傷癖もあって男性を受け付けない
「ミサコ」は殺人でしか満たされない。
いつか殺すかもしれないと思ってる「ミサコ」
いつか死ぬかもしれないと思ってる「ミツコ」
この歪(いびつ)な関係がどんよりと心を「闇」で満たしていきます。
そのため、後半のご都合主義的な「偶然な必然」の連続には感動するというよりも、なんとも「はまるはずのないジグソーパズルのピースをむりやりはめた」ような違和感がつきまとう。
松坂の演技が後半、狂気を帯びてくる
リアルじゃない感触は、効果音にもある
手首を切るシーンがあるのですが・・そんなにグチャグチャと音はしないし・・
人の首をしめるときに・・「ゴムを絞るような」ギューーーって音もしない。
この辺の効果音がどうにも、漫画の効果音の様に感じてしまい
変な違和感が残る
「ミサコ」の心情や「ミツコ」の心情も含め登場人物の心情はどれも理解できるし・・
「血族」としての「殺人鬼の血が流れてる事への絶望」は僕にはとてもよくわかる。
それでも・・なにやら微妙にずれてる
「当事者にしかわからない感性」と「原作を読んで作った他人ごとの感性」の間にある深い溝はどうしても埋まらず・・
観終わった後の直後の感想は
「大人のおとぎばなし」だね
のはずだった。。
が・・
知らないうちに・・その「闇」はしっかりと僕の中に爪痕を残してたみたいで・・
フラッシュバックするほどである。
断片的にリアルなものを、繋げてるので
やはり・・話の整合性が取れなくとも。。
それはそれで成立出来てる。
そんな作品でした。
強烈なインパクトを残してくれましたが
正直、これは是枝監督や、中島監督に撮って欲しかったかも。。
とはいえ、「ナミヤ雑貨店の奇跡」「三度目の殺人」の人気の中で埋もれさせてしまうにはもったいないと思える作品でした。
モケモケ大活躍
前半良いも、ただ一つ高まった気持ちをも壊される部分が。。
演出がとても良かった!
綺麗過ぎる風景ながら、不快感を与える空気を作り上げているのが見事だった。
晴れた日に対して、清原さんの不穏な表情や雰囲気。
可愛らしい家具や服が並ぶ吉高部屋と佐津川部屋、狂気を一切感じさせないような美しい風景に隠された血みどろな現実。
その辺の演出がとても素晴らしかったと思う。
吉高ユリコと、マツケンの関係性も物凄く良くて、言葉少なくして何気なく一緒にいる感じや会話のトーン、心地良かった。
ただ、松坂トーリ。
ここで一気に残念な感じになってしまった。。父や母についての話をノート一冊のみで信じきり(じゃなきゃ話にならないのだけど)本音や当時の心境などは聞こうともせず、のわりに母親が殺人者だということは、めちゃくちゃに信じきる。
人殺しをし続け、なんとか生きて、本当の幸せなど感じることはできないと諦めるも、希望が差し込む、だが贖罪に駆られて。。というところで変化していく吉高ユリコに移入するはずも、
主人公として、ノートを見つけ異様な雰囲気のなか観客を巻き込んでぶつかっていなねばならないはずなのに、「俺は殺人鬼の血が流れてるーーー」なんて言われるとそこで大きく観客との気持ちの差が生まれて来てしまう。
吉高ユリコとマツケンの最高な距離感と演技が良かったのは間違えないけど
結果的に残念に終わってしまったような、そんな映画でしたとさ。
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