ユリゴコロのレビュー・感想・評価
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殺生と宿命の人脈曼荼羅を映像化した力作。清原果耶をもっと見たかったが
原作小説を未読の人なら、運命的な出会いや宿命の再会がたびたび起きるこの筋を、現実味に乏しいご都合主義のように感じるかもしれない。だが沼田まほかるのファンなら、彼女がかつて僧侶だったことを知っている。リアリティーを追求するドラマではなく、人を殺して生きていくしかなかったある女性と彼女とかかわりのある人々の姿を通じて、殺生とは何か、愛とは何かを考えることを促す説話だと考えるといい。
熊澤尚人監督は残酷な描写に果敢に挑みつつ、映像としての美しさも追求して映画の品格を保っている。吉高由里子は、「蛇にピアス」の主人公に匹敵する強烈なキャラクター・美紗子を体現。美紗子の中学生時代を演じた清原果耶は、いつも明るい役の印象があるが、ずっと暗い表情でも魅力を失わない。出番が少ないのが残念だったが、そろそろ彼女が主役の企画が出てきてもいいのではないか。
なんともいいようにない感情
怖い?悍ましい?と思いながら、時折目をそむけながら見ていたが、終わってみればなんとも言えないと感情が…。悲しいとも同情ともなんと言えばいいのかわからない…。
それにしても松坂桃李は暗い影の役がほんと似合うというか、うまいというか…。
もし、自分が殺人衝動を抱えて生きるとしたら。。。
殺人衝動に苦悩する殺人犯を描いた作品は多いが、ここまで共感性が高くゆえに観ていて辛い作品はあまりない。
殺人衝動を抱える殺人犯の多くは、
・親の影響や幼少時のトラウマが原因で殺人衝動が発露
・本人がすごいサイコパス
のどちらかまたは両方であることが多いが、美沙子はどちらでもないので自分の身に置き換えやすい。
例えば、エッチな衝動を抑えられない人、賭け事の衝動を抑えられない人、浪費の衝動が抑えられない人など普通にいるが、それが殺人衝動であったなら自分はどうしているだろうか。
演技派の役者さんばかりで、ぐっと惹き込まれました。 リストカットの...
演技派の役者さんばかりで、ぐっと惹き込まれました。
リストカットの場面は具合が悪くなりそうでした。人を殺す事に快感を感じる人に共感する事は出来ませんが、もともとの脳の働きで自分では制御する事が出来ない感情と思いました。
全体的に重いストーリーですが、松山ケンイチの優しさに救われました。
ミステリーではないかな
原作未読ですがミステリー小説を映画化と謳っていたので、その要素は薄いかなぁと。
前半のグロさはあるけど、どちらかというとヒューマンドラマのような印象。
後半の話の流れが少し都合良すぎないか、という感じもしたけど、全体的に設定や内容がおもしろかったし役者さんの演技が素敵で、特に吉高由里子さんは素晴らしかった。
セリフも少なく感情の起伏があまりないキャラクターですが、変化していく心情など表現力がすごいです。
「ユリゴコロ」ってなんだろー?という興味から入った作品なので、割と...
「ユリゴコロ」ってなんだろー?という興味から入った作品なので、割と冒頭にそれが判明してしまい、その後のストーリーに今ひとつ没頭できず。邦画特有の生々しさにウエッてなる気持ちの方が勝ってしまって、ちょっと観るのが辛くさえあった。
「ユリゴコロ」というワードそのものに物語を左右する何かがなければ、ただの空耳アワーだと思うのだけど、なんでタイトルにしたんでしょうか。原作にはあるんでしょうか。
殺人でしか生きてる実感を得られない人間が、子供を産んだだけであんなに変われるものですかね??そこに観客を説得させる強さがないと感じました。
なんで泣いてるのかわからないけど泣ける
これは映画館で見たかったー
原作先に見てたからなんとなく
オチは分かっていたけど
どおやって表現するのか!が見所。
やられた。。
号泣…
なんてったって洋介さんがかっこよすぎる。
年老いた洋介さんも、かっこよすぎる。
カーテンが揺れた後のシーン
みさこの服装
変わらない2人
トゲトゲの中のシーンが強烈だなあ
と思ったら
そこに繋げるのか!上手い!!
眠気もとんで、見入った。
夜中に目が覚めた。
携帯画面で映画でも見ようと、ずっと気になっていたこれを視聴。
こんな話だとは思っていなかった。
この演技をさせられた子役は、精神的な傷は残らなかったのかと、そう言う部分に気を取られたり
ああ 清原果耶がまたここにも
彼女の “主人公の中学生時代を演じて終わり” というのはそろそろもうないだろうなーと思ったり
だが 松坂桃李がノートに惹きつけられたように
私も作品に惹きつけられた。
まだ夜も明けたばかり。
もう一眠り出来るだろうか。
病んでる人には薦めない
※原作未読
役者陣の演技は良かったし、世界観の描写も良かったと思う。
だけど… どうしてもあまり評価出来ない一番大きな理由は、ことごとく展開が読めてしまったため。これ、一応ミステリーだよね???
流れるまま殺す☠️女性殺人鬼
女性の殺人鬼、サイコパス。
グロいシーンもあるから注意⚠️
殺人を綴ったノートを、主役が読んでいく。
興味本位に人を殺すというか、
人の気持ちがわからなくて
依存した誰かに、殺す隙が出来たら
流れるままに手を下してしまうのだと感じた🗡
それから、自分を守るために、大切と思う人を守るために、人を殺してしまう。
殺人鬼でも人に愛された時、ココロを持つようになるのか。
また、自分が殺人鬼の子どもだとして、
知らずに愛されて育ったなら、
親が殺人鬼でも愛情を持つんだろうなと思う。
それでも、人を殺した親を子どもは恨む。
それが、共感力なんだろう。
違った吉高由里子が見れた
正直、たられば娘とかの印象がとても強かった吉高由里子だったのでこんな役ができるの?と思って見始めたら、とても良かった。
こういうのどんどんやってほしい。
ただ演出・映像がところどころしっくり来なかった。
指圧の心 ユリゴコロ
亮介(松阪桃李)の父親がすい臓がんで余命わずかと診断され、婚約者の千絵(清野菜名)が忽然と姿を消した。亮介は実家の押し入れから“ユリゴコロ”と書かれた一冊のノートを見つけるが、そこには人を殺すことを心の拠り所と感じる美紗子(吉高由里子)という女の殺人の記録と、洋介との運命的な出会いによって救われたことなどが綴られていた・・・
“ユリゴコロ”とは何のことだろうかと不思議に思っていたのですが、美紗子が幼い頃に医者から言われた心の“拠り所”を間違って覚えていたに過ぎない。タイトルの語感からしてホラー映画なんじゃないかと想像していたのは、前半部分ではある意味、間違いじゃなかったかもしれない。まずは小学校に入ってから友人を池に突き落として死なせ、高校生の時には側溝で鉄の蓋を落として子供を死なせてしまったのだ。側溝の事件では後に重要な繋がりが表面化する。
美紗子が調理学校に通っている頃、みつ子(佐津川愛美)という自傷癖のある女と知り合い、互いに腕を傷つけ合うという禁断の世界に溺れていく。調理場で働いても居場所が見つからず、1年で仕事を辞め、娼婦の道へと自分を落としていく美紗子。そして、やはり殺人というユリゴコロに身を任せてしまうのだった。洋介(松山ケンイチ)と知り合った美紗子は“喜び”という感情が芽生え、押し切られた形で結婚する。お腹の中には誰との間かわからない子を宿しながら。
一方、現代では少しずつ“ユリゴコロ”を読みながら、千絵の行方を心配している亮介。細谷(木村多江)という千絵の同僚が彼の前に現れ、千絵には結婚歴があり、その相手(ヤクザ)に拉致監禁されていることを突き止めたというのだ。亮介は相手を殺したいという衝動にかられ、居ても立ってもいられない心理状態。包丁を手に取り、ヤクザの事務所に乗り込む勢いだったが・・・
時代は70年代であろうか、とにかく見せ方が上手い。猟奇的な殺人であっても彼女の心の中に吸い込まれていきそうな映像なのだ。『蛇とピアス』以来の汚れ役になる吉高由里子の演技にもまいってしまった。現代と過去を行ったり来たりする展開ではあるが、徐々に亮介は自分にも殺人鬼の血が流れているのだと確信するに至る経緯だとか、イライラすると猛スピードの荒い運転になるとこを描くなんてのも面白い。さらには洋介の愛、美紗子の愛、そして、まさかこの人が!という展開にも参りました。
【2017年9月映画館にて】
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