「國村隼の演技が大きく支える」哭声 コクソン talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
國村隼の演技が大きく支える
<映画のことば>
父さんは警察官だ。
父さんがすべて解決する。
父さんが…。
猟奇的な事件が次々と起こり、村人の体には奇病(原因不明の湿疹)が現れる。
そういう不可解・解決困難な状況下で、市井には揣摩臆測が入り乱れて、ある者は医師に任せるべきだといい、またある者は祈祷師の力に頼り呪術で問題の解決を図ろうとする―。
そのなかでも、少しばかり(かなり?)ピント外れながら、娘のヒョンジを思いやる父親ジョングの姿が印象に残りました。評論子には。
さしずめ、ソフトホラーのストーリーが本作のヨコ糸であるとすれば、ジョングの父親としての娘ヒョンジに対する「想い」がそのタテ糸といったところではないでしょうか。
冒頭の映画のことばは、そこのとを指すものとして、本作の全体を通じたキーになっていると思います。
作中では最後の最後のエンドロール直前になって、初めて語られるのですけれども。
そして、映画作品としても、ともすれば単調なサスペンスものに陥りそうなところ、脇筋の―否、かなり共演にも近い?―謎の男(國村隼)か、いい役を演じて「流れ」を作っているように思われます。
それら、これらを併せて評すれば、佳作としての評価が適切な一本かと思います。
(追記)
主役を張ったクァク・ドウォンも、いい味を出していましたけれども…。ホント、國村隼の演技が光っていましたね。本作では。特筆ものだと思います。
善玉も悪玉も卒なく演ずる彼のキャラクターもあって、なかなか彼の正体がつかめない―。
そのことが、本作に「味わい」を付加していたことは、事実だと思います。
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