「谷城、國村、哭声」哭声 コクソン akkie246さんの映画レビュー(感想・評価)
谷城、國村、哭声
字幕での判断なのだが、舞台となる村の名前が谷城と書いてコクソンと読んでいた。映画のタイトルもコクソン。そしてコクソンと読めなくもない國村隼も主演のようなものである。とにかく國村隼の怪演である。
映画は、難解だ。喜劇タッチで進んでゆくが、2時間36分は長い。
父と娘の哀しい物語がメインであり、同時に悪魔と人間の闘いの物語でもある。カメラを手にした悪魔。あまり見たことのないビジュアルで、これだけでも見る価値があったかもしれない。しかしそこに至るまでが長い。
谷城という韓国の田舎町。山がそばにあり、森がある。電気はひかれているけれども、洗濯は外で手もみ。民家は基本、木造一階建て。
主人公が、警察官で、それなりに体格もよく、美人の妻と娘もいるのに、かなり臆病のようだ。その彼が、臆病ゆえに、犯罪を犯してゆく。ひとり娘と家族を守るという大義のために。
雨がよく降る。多分、日本人の男は、犯罪者なのだろう。この村に災いをもたらす悪魔そのものなのかもしれない。流行り病、婦女暴行、火事、殺人事件、首吊り自殺、一家心中。精霊が言うように祈祷師とこの悪魔がグルなのか、グルではないのかもよくわからない。祈祷師は、悪魔をあとすこしで殺せたかもしれないのだ。そしてなぜゾンビが発生するのかもわからない。
雷に打たれた男は、哀れだが、笑うしかないところだ。漢方薬が効いて命が助かるということはあるのだろうか。
タイトルが、いかにもホラー的な感じで、このタイトルだけでは、見なかったはずだが、予告編を、何度か見て、刷り込まれており、さらにファン・ジョンミンが出ていたため、見てしまった。
もちろんほぼフィクションだろうけれども、一見アナログなこの映画にはなにか惹きつけられるものがある。