「悪魔の疑心唄」哭声 コクソン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
悪魔の疑心唄
今年の3月に立て続けに公開された韓国3大サスペンスの一本。レンタルを待っていた!
先日「お嬢さん」を見て、「アシュラ」はまだ未見だが、多分衝撃度は本作がダントツ。
言葉通りの“予想も出来ない”ラストがもう…!((((;゜Д゜)))
韓国映画ではよくある猟奇殺人モノかと思ったら、ジャンル分けすら出来ない。
グロ・サスペンス? オカルト・スリラー? それともホラー?
ただ、衝撃作である事だけは間違いない。
韓国ののどかな山村で、村人が突然発狂し、自分の家族を虐殺する凄惨な事件が多発。
村人の間で、ある噂が立ち始める。
いつの頃からか山の中に住み着いた素性の知れない日本人の“よそ者”が怪しいと…。
序盤は人間臭いユーモアあって、ちょいと笑える。
次第に不穏な雰囲気やスリルがじわじわ高まっていく。
地元警察のジョングは、殺人を犯した村人に肌が爛れたような湿疹が出来ている事に気付く。調べると、幻覚性毒キノコの成分が。これが原因…?
“よそ者”のボロ家には村人たちの写真やジョングの娘の靴、何か呪いの儀式のような痕跡が。そんな時、娘の体にも湿疹が。一連の原因は“よそ者”の呪い…?
ジョングの家に悪霊が取り憑いているという。信じ難いが、悪霊悪魔の仕業なのか…?
怪事件は二転三転と言うより、混迷を極めていく。
が、この不気味なムードから目が離せない。
祈祷師による除霊シーンは、たたみかける演出・編集、迫力ある音楽で異様なまでの高揚感。
湿疹が出来た村人の姿、悶え苦しんでの絶命、意表を付くゾ○ビのようなシーンなど、いずれもなかなかグロい。
衝撃のラストまで、2時間半の長丁場も全く中弛みしない。
娘に頭が上がらず、図体がデカイくせにビビりなジョングを演じたクァク・ドウォンも絶品だが、やはり國村準が“噂”通りの怪演、圧倒的存在感!
台詞も少なく、何を考えているのか分からないミステリアスな佇まい。
ふんどし姿で、顔を血で真っ赤に染めながら鹿の生肉を頬張るシーンは強烈!
ラストの彼の正体は、ショッキング!
つくづく日本では、脇役ばかりで良役に恵まれてないと思った。
また、ジョングの娘役の女の子もびっくりするくらいの凄みある怪演を披露。
疑い。
アイツが怪しい。
それだけで人はこんなにも気が狂う。
もう、何が正しいのか、理性など無いに等しい。
そこにトドメとばかりに、あのラスト…。
ハッキリ言って理解不能。いや、理解出来なくて当然。
このキチ○イ・ムービーを理解出来る者が居るとすれば、キチ○イか悪魔か。
「お嬢さん」に続いて本作もまた、今年のBEST級!