「観たことない人が羨ましい。」哭声 コクソン DEPO LABOさんの映画レビュー(感想・評価)
観たことない人が羨ましい。
・祈祷師が一番邪悪な存在で、一番の黒幕であることは明らかに示されています
・邪推かもですが祈祷師の手口はこうだったのではと推測します...。
・祈祷師が國村隼を村に投入し、村人に悪霊を次々と伝染させた
(だからゾンビ描写なのかも)
・韓国の地方では、困ったらすぐに祈祷師に相談する風習があるので、祈祷師に依頼がくる
・「こいつはヤバいの憑いてるから特殊な儀式やらんと」とか言って高額請求をふっかける。
(これを村中でやってボロ儲けしようとするのが祈祷師の動機)
・祈祷師の儀式は、悪魔退治ではなく、憑いた悪霊を痛めつけて挑発すること
(だから國村隼もダメージくらう笑)
・その後悪霊が凶暴化して、一家が滅びる
(一家惨殺事件が起きた現場には、儀式の供え物が散乱している.....)
・そして亡くなった人の写真を集め、より國村隼の呪いパワーを強大化させて悪事の精度を高めていった
・監督は、「いまの韓国の雰囲気を形にしたような映画を作りたかった」と語っています
劇中に出てくるような祈祷師は、韓国ではムダンと呼ばれる方たちですが、その儀式の異様さから不気味がって嫌がる人も多いようです。
(実際にムダンの家系では、子供が差別に合わないように親がムダンの技術を教えなかったり、子供がムダンを継承することを反発したりということがあるみたいです)
・しかしこの差別の根源は、不気味だから、得体の知れないものだからという疑いの感情からきています。
・疑いの感情は、相手のことをよく知らないから起きるものです。逆を言えば、知ろうともしないのに疑って遠ざけています。
・そこに劇中の悪徳祈祷師(監督の化身ともいえるかもしれません笑)は、つけこんでいるのではないでしょうか。
・悪魔退治の儀式といって実際は呪いをかけていようが、村人は祈祷師のことを知ろうともしないから野放し状態です。
・引っ越してきた日本人という設定で反日感情を匂わせる描写がミスリードとしてトリックを効かせているのも、上手い。。
・相手の事をちゃんと知ることを怠って、疑ってばかりいるとろくなことないよ!という、教訓を帯びたおとぎ話のようなストーリーでもあるのかなと個人的には思いました。