「見えない恐怖の方がよかったな。」哭声 コクソン だいきつさんの映画レビュー(感想・評価)
見えない恐怖の方がよかったな。
3月の初旬に見た
「お嬢さん」に続いて
韓国映画2本目。
食指が動いたのは
韓国映画だからではなく
國村隼を見たいから。
この一言に尽きる。
・・・結果。
なかなか判断に迷う映画だった。
この雰囲気と質感を
理解してくれそうな人でないと
勧められる映画ではない。
肝心の國村隼。
よそ者の日本人役なので
ほとんどセリフはなかったが
その存在感たるや、神がかっていた。
(悪魔がかっていた?というべきか)
ラストで本性を現した時の
あの喉に引っかかるような乾いた笑い。
まさに悪魔が乗り移っているかのような笑い。
韓国の映画賞で2冠に輝いたのもうなずける。
加えて子役の演技も素晴らしかった。
半狂乱になる時の絶叫というか悲鳴というか。
あの声は体に悪い。見ていて瞬時に鳥肌がたった。
結果的に大爆笑してしまった
雷に撃たれるシーン。
漢方薬飲んでたから大丈夫って(^^;;
あれは笑ってほしい演出なのか?
途中参戦の祈祷師の
アゲアゲの祈祷ダンスも
なんか滑稽で笑ってしまった(^^;;
ただやや投げっぱなしの
ストーリーであったようにも感じた。
國村隼が悪魔だとしたら
神(天使?)になるであろう女。
彼女の「ネタ振り」が若干弱過ぎたせいで
やや消化不良のままエンディングを迎える。
國村隼がラストで正体を現すシーンにも違和感。
あそこまで「悪魔っぽさ」を出す必要があるのか?
目が赤く光るとか、
「影」だけが悪魔の姿だった、とか。
もっと間接的に悪魔を表現した方が
逆にゾッとするような・・・そんな気がした。
見えない恐怖とでも言うべきか。
万人にはオススメできないが
陽気なスプラッターホラーよりも
犬神家シリーズが好き!
と言う人にオススメ。
個人的にはなかなか良かった。
洗っても洗っても落ちない。
染み付いた汚れのように
記憶の中にこびり付く。
そんな映画だった。