パターソンのレビュー・感想・評価
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羨ましい。理想の生活。
近くの映画館では
上映していなかった。
わざわざ電車に乗り継いで
梅田まで出てきたのは
外国映画の中の
永瀬正敏を見たかったから。
結果。
この映画の全部を理解することは
できなかったような気がする。
決して負け惜しみではなく
結果的にはそれでもいい
と思えた映画だった。
あたかも、自分が
パターソンという街に紛れ込み
少し離れたところから
パターソンという男の生活を
覗き見しているといった印象。
独特のカメラワークや
一見無意味に見えるカット割り。
でもそれがボディブローのように
じわじわと効いて来る。
見終わった直後よりも
見終わった翌日、
見終わった翌週と
時間が経つごとに
より印象深くなる作品。
余韻が深くなっていく感じ。
なのでこのレビューも
あえて少し時間をおいてみた。
登場人物も独特で、どこかユルい。
かなりマイペースで
料理の腕前も微妙だけれど
誰よりも旦那を愛する嫁さん。
そんな嫁さんに
振り回されながらも
全てを受け入れて
誰よりも嫁さんを愛する旦那。
そんな二人を
少し離れて見守るワンちゃん。
見終わった直後はわからなかったけど。
だんだんわかってきた。
そうか。これって。
私が憧れる理想の生活、そのまんまだ。
2017年度ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️✨
とても良い映画。詩が素敵でした。
*『JIM JARMUSCH Retrospective 2021』にて鑑賞(再鑑賞)。
Sam&DaveのDaveは、パターソン出身なんかぁ…。
*ストパラを除けば、ジャームッシュの作品で一番好きなのは、これかも知れない…。
日常を楽しむ
パターソンのパターソン
パターソンのパターソン ニュージャージーのバスの運転手
パターソンのパターソン 妻は気儘なクリエイター
パターソンのパターソン 正直者でお人よし
パターソンのパターソン 実は繊細な詩人
パターソンの日常はいくつか時代をさかのぼったようにアナログだ。自分の目で見て耳で聞いて本で読んだことだけがこの世界のすべてなのだ。詩人にはデジタルの情報は無用の長物だ。ただし他人がそれを利用することを否定はしない。
時の流れが止まったかのような平凡な日常を繰り返すパターソンだが、彼自身にとっては決して平凡ではない。毎日いろいろな出逢いがあり発見がある。生きていることが詩作そのものだ。
パターソンのような精神性の人間が存在していることを伝えるのは、不寛容が蔓延した現代では非常に意義のあることだ。商業主義のB級映画が主体のアメリカ映画界だが、こういう作品を作れるところにまだまだ奥深さというか、文化としての体力を感じる。
エミリ・ディキンスンを高評価するところも、アメリカ文学をよく理解していて好感が持てる。双子のメタファーも意味ありげで面白い。
二刀流のススメ
この映画、ウィリアム・カーロス・ウィリアムズが町医者兼詩人であり、ジム・ジャームッシュもまた映画監督でありながらミュージシャンとして活躍中という事実を知っていると、より深い理解が得られる1本に仕上がっています。
前作『オンリー・ラヴァーズ…』と同様、アダム・ドライバー演じるバスの運転手兼詩人パターソンに自らの生き方を投影させた、非常にpersonal(≒paterson??)な作品のように私には思えるのです。すくなくとも仏陀の教え(無常=苦しみ)と真逆のことを啓蒙しようとしているような映画などではけっしてないでしょう。
それは、平穏な日常生活自体が(詩人にとっては)どちらかというと“苦行”(円のモチーフ→輪廻→業)として描かれていているからです。どう贔屓めに見ても、アラブ系の奥さん(ゴルシフテ・ファラハニ)は突飛な思いつきだけで行動する困ったちゃんだし、マーヴィンに至っては大切な詩を書きためておいたノートをビリビリにしてしまうダメダメ犬です。
内心では「スーパーでレジ打ちのパートでもして家計を助けてくれよ」とか「ビールを飲んでいる間に誰かワンジャック?してくんないかなぁ」なんて思ってはいるけれど、心優しきパターソン決して口には出しません。
本業であるバスの運転中にも思わぬトラブルが発生し、心身ともに疲れはててしまうパターソン。あの滝のある公園では「面倒なバスの運転手(映画監督)なんかもう止めちゃおうか」と、思い悩んでいたのかもしれません。そこへ日本の詩人役で永瀬正敏が登場するのです。
WCWをこよなく愛するこの男とパターソンの会話がなければ、劇中やたらと出現する2in1の双子たちや、2足の草鞋ならぬワークブーツのアップ、アボット&コステロの凸凹コンビ、白と黒に塗りわけられた内装などのメタファーが何を意味していたのか、気づかないまま映画を見終わっていたことでしょう。(趣味性の強い『ギミー・デンジャー』とのセット公開に踏み切った意図も同じなのかもしれません)
趣味を仕事にしてしまうと途端人生がつまらなくなるという話を聞いたことがありますが、WCWも本業で日常を素直に見つめる目を養ったからこそあんなに素敵な詩が書けたはず。詩人(アーティスト)とはなるものではなく生き方そのものであり、金儲けの道具にしようとスケベ根性を出したりすると日常生活がかくも息苦しく感じられることに、パターソンいなJJは気づいたのではないでしょうか。
大谷翔平をラストに登場させた方がむしろわかりやすかったのではと思えるこの映画、ファンにとってはJJが今後映画監督を続けるかどうかが最も気がかりところ。2刀流の可能性(真っ白なノート)について指南を受けたパターソンが、翌週の月曜日元気に出勤していった様子を見る限り、この人まだまだ映画を撮り続けるようですよ、きっと。
ちょっとだけオカシイ毎日があれば
人が生きて行く為に繰り返される生活。当たり前の日常の中に生きる術と、ほんの少しの喜びを見い出すことは、とても尊いことだと気付かされます。自分と異なる他人だからこそ見えてくる、共有できる価値感と少しのズレのおかしさが滑稽で愛おしく思えるのはパターソンが日常の中で起きることを、自分なりに、なんとか面白がって受け入れて生活しているからなのでしょう。この生活を彼が嫌々ながら続けるならば本作は成立しない。こんな事もあるから人生は楽しみなのかもしれないと、心が暖かくなります。
とりわけ美しい映像表現を散りばめたような、よくある大作映画とは一線を画したジャームッシュならではの映像表現は、かえって新鮮にも思えます。
少し眠気が起きるほどのテンポですが、これは何度でも見たい映画です。
毎日の仕事と美人の嫁さんと一杯のビール
不安
犬には分からん、笑
その日々
じわじわくる
不思議な気持ちになる作品です。
痛みを感じる、哀しい影
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