パターソンのレビュー・感想・評価
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あえていうなら私は、不思議な出会いとか運命みたいなものの方が興味深...
あえていうなら私は、不思議な出会いとか運命みたいなものの方が興味深かった。例えば、ストーリー上ではそんなに重要ではないのだろうに、「双子」は何回も出てくる。周りに溢れていたのは意味があってもなくても、大きくても小さくても、そこにあるべきものとして描かれているように感じた。映像に関して詳しくはないけど、映像的な詩みたいなものがあるなら、こういうものの中にあるユーモアや修飾がそれに当たるのではないかと思った。
最後の詩がとても好き
同じ日なんか1日もない
退屈な毎日を退屈たらしめているのは結局、その人自身の観察眼なんだなぁという事を感じた。
大人になれば誰だってある程度決まったリズムで生きていくことになる。
一箇所に留まっているパターソンの生活もまた、単調だけど、彼の目には、昨日と同じものが、同じようには映っていない。様に見えた。
それがとても大切で、乗客の会話、お弁当箱の写真、
見た夢の話、バーの壁の写真、とかとか、たわいもないことの中に新鮮さがやっぱりあって、それをとても愛おしく思う彼の姿に、凄く憧れた。
ジムジャームッシュ
恥ずかしながら、この監督の作品はこれが初めてである。名前は知っていたが、鑑賞していなかった。
過去の作品を見てみたい欲求にかられた。
パターソン…佳作である。劇中パターソンが作る詩の、「字」が好きだなぁ。
うーん
美しい内容だし、退屈ではありません。
10代(30うん年前)に見たジム・ジャームッシュ映画はとてもカッコよく新鮮に思えたが、なんだかマンネリ。
「精神的に自由」がジム・ジャームッシュのテーマに思えるが、表現方法がどうにも80年代のままな気がする。
その時代のストリートカルチャー感覚のままなのか、ジム・ジャームッシュは相当の頑固者か。
はたまたただ私自身がそう言ったうんちくをのたまいそうな人を連想させるものに嫌気がさしただけなのか。
変化を嫌うアナログ好きの人にはいいのかも。
見ていて飽きないし、普通に淡々と進むのは好みなので☆2つ。
「客観視」という目線で気づく、毎日の特別さ。
ある人間のなんてことのない日常をただ客観視するだけ。その中で観る側は様々な変化に気づく。そんなミニマムな方法で、「繰り返しているように思える日常も、意外と変化してるんだよ。焦らなくても大丈夫。」って言ってくれているように感じる。あるメッセージを、描き切るのではなく削ぎ落とす方向の手法で描いた斬新かつある意味とても巧妙な映画だった。
水を少し多めに飲む
微妙な表現が連綿と続く。彼女は美しいが、あまり愛すべき要素を感じさせない。愛らしいが悪さをする飼い犬。毎晩、バー通い。同じようで同じではないが、味気ないこの日常に満ち足りることができるのだろうか。しかし、主人公は、詩人的目線で淡い濃淡で描かれる日常をよく味わって愉しんでいるようでもある。それは実人生を豊かに生きる心得かもしれない。
バスの運転手による詩的な7日間
全体を通して、淡々としている。あまり夫婦にも見えないのだが、互いに愛し合っているのだろう。双子がキーワードとなっていて、時折、クスリと笑える作りになっている。平凡な日常を送っている、男性諸君にオススメ。
2回観たくなる
街並みや建物は古くて暗い
毎日 同じことの繰り返し
低収入
ネガ要素が背景にいっぱい
でも2人(マーヴィンも入れて3人かな)は幸せ
互いを、日々を、とても慈しんでいる
なんでだろう?と追い続ける作品
チラッと映る制服に身を包んだ写真から、
元軍人? だから詩を書く? だから日々を大切にする?
といろいろ想像が弾ける
すンばらしい!!久々に最高傑作を観た! すべてのシーン、セリフ、表...
すンばらしい!!久々に最高傑作を観た!
すべてのシーン、セリフ、表情、光、音楽、笑顔、良いっ!
マーヴィンかわいすぎる!
ナイトオンザプラネットが大人になったような作品。ジャームッシュ監督、いいわ。素敵に歳をとっているのだなー。
詩も毎日も同じ 272-6
毎朝同じ時間に起きて嫁にキスしてバス運転して犬の散歩してっていうルーティン化した毎日。そんな変わり映えしない日々に幸福を感じる男の一週間を切り取った話。変わり映えしない日々って悪くない、毎日が微妙に違うんだから。って映画。
久々のジム・ジャームッシュ
ジム・ジャームッシュは大好きな監督。「ダンバイロー」や「ナイトオンザプラネット」などの映像や印象深い言葉に憧れていた。このパターソンは、市バスの運転手に取り巻く繰り返しの日常の中で一喜一憂する様を、ユーモラスな面も入れながら、丁寧に映像にする。中でも各俳優の表情は素晴らしく、一つ一つの言葉も魅力的。そんな空間に接することができ、僕にとっては間違えなく楽しい時間を過ごせた。
ジャームッシュ作品の中で一番好きかも
なめらかな映像。なにも起きないイベント。詩的なセリフ。
ジャームッシュが1周回って更に円熟味が増してきた。
自分的にはジャームッシュのベスト作品かもしれない。
この映画を映画館で観れてよかった。
ルーティンの中の小さな変化
鑑賞中、気がついたらニヤニヤ、いや、ニコニコしていたことに気付いた映画なんて初めてだった。
「空白から始まる可能性もある」という長瀬正敏演じる詩人の言葉がこの作品の全てを言い表しているように感じた。
毎日が平々凡々と過ぎていくような、単調な生活であるようだが、感性のアンテナを研ぎ澄ましていれば、いろいろなことに発展していく芽が育っていることに気付く。
ローラの生活はまさにその象徴であるし、バーのマスターもそんな日常を楽しんでいる。
そんな心持ちでいると、喪失もまた出発に感じられる。
a〜ha!だからニコニコしていたんだ。
印象がいつまでも残る
ジム・ジャームッシュの映画はおしなべてそうだけど、細部は覚えてないけどずっと「良かった」ものとして印象に残る、これもそのうちのひとつ。
内容を一言で言えば、「幸せに暮らす夫婦の平和な1週間」
だけど、運転手をつとめるバスの中、行きつけのバー、自宅なんていういつもの場所でも、日々起こるちょっとした新しいこと。
そのうちのひとつがもしかしたら、人生を一変させるかもしれないし、何も影響しないかもしれない、そういうことは関係なしに、日々、物事は、起きる。
まさに諸行無常。仏教的な観念がこの映画にはどこか漂う。
パターソン(人)が常に寡黙で冷静、淡々と進む物語?の安心感ある軸になり、周りで面白い人達がちょっと騒いでも淡々とした雰囲気はそのまま。逆のその面白い人達が、退屈な筋に彩りを加えているともいえる。だから、淡々としていても飽きないし、穏やかな気持ちで終始観ていられる。
あれ、さっきも聞いたなこの台詞。みたいな、小さな事柄の反復、デジャヴ、妖精とか小さなおっさんがやるイタズラみたいな演出もちょっと笑えていい。
犬の表情も最高!人間みたい。
この映画も、数年…数ヶ月経ったら内容は忘れちゃうかもしれないけど、良かったという印象はずっと残るのだろうな。
人を幸福にさせる映画。
これぞ、映画!
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
「ダウン・バイ・ロー」
「ナイト・オン・ザ・プラネット」
「デッド・マン」
「オンリー・ラバーズ・レフト・アライブ」
そして、
「パターソン」
ジム・ジャームッシュ。大学生の頃からずっと観続けています。この人、本当にいい映画を撮ります。今後も宝石のような映画を撮り続けてほしいものです。「映画界の良心」、ですね。
これは、映画だ
19) 観た人が幸せを感じるのが映画だとすれば、これは、映画だ。 … とここに記しているこの行為が、自分が主人公になったような気がする。素敵な映画だった。
驚くことは何も起こらず、平凡な毎日が過ぎていくのだが、たしかに主人公は幸せに生きている。自分は詩が好きなわけではないが、この映画を観ると「人生は、詩なんだなあ」と素直に思える。
「毎日が過ぎ去るということ」が、「あたりまえと思っている毎日」が、いかに光や音にあふれていて、感じることがどれだけ多いものなのか。それを映画に教えられるとは思わなかった。
淡々とした月~日の同じような繰り返しの中に、だんだん見えてくる瞬間瞬間の幸せや発見。繰り返しに飽きていくのではなく、逆に観ているこちらの感性がだんだん上がっていっているために、発見したりわくわくしたり感動したりしている自分を感じる。映画が、自分をかえてくれる、素晴らしい体験をした。
誰にも推薦したい映画だ。(その意味で、観に来るのが遅すぎた)
「人は自らの役割を選ぶことができる」(ジム・ジャームッシュ監督)
すべての人に、幸あれ。
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