パターソンのレビュー・感想・評価
全164件中、41~60件目を表示
愛しい日常
噛み合ってない夫婦、変わらない日常。
なるほど、この映画はパターソンの日々のストレスが
終盤に爆発し、パターソンの町が火の海になる話だな!
と予想を立てて観てたのだけど、
月曜日、火曜日のバスの乗客の会話を見て、
ジャームッシュぽいなと、思って調べて観たら
監督はジム・ジャームッシュで、見方を変えました。
代わり映えのない日常のパターソン個人の話だなと。
同じルーティンで毎日を暮らす主人公。
何故か部屋の中をモノトーンにして行く空気の読めない妻。
バーで会う逆、バスの乗客。ブルドック。
これが主人公の全て。
なのだけど、地味な暮らしの中にも不思議な事がたくさん
起こる。
乗客の馬鹿な会話、仲の良かったカップルが別れたり、
やたら出て来る双子たち、バスの故障、
ランドリーのラッパー…
僕も、10年ほど日記を付けてたのだけど、
毎日同じ事の繰り返しばかり描いてる気がして、
何かした方が良いんじゃないか?と
その変わらない日々を愛せなくなってしまったけど、
パターソンはこの日常を愛してて、
代わり映えのない日常の素晴らしさに気付いてる
同じ日々が良いんだよ。と言ってくれてる気がして
とても嬉しかった。
これからどうやって生きようかと悩んでる時に、
全く違う場所から来た日本人と出会い、
詩を共通点として、ノートを貰い
また同じ日々を戻って来る。
不思議だけど、運命って、こういう出会いってあるよなと
感じる最高のエンディングだったと思います。
バスの運転手の何気ない1週間。
『パターソン』鑑賞。
*主演*
アダム・ドライバー
*感想*
朝6時帯に起床→妻にキスをして、出社→バスの乗客の話を聴きながらバスを走らせ、帰宅した後、愛犬のブルドッグと夜の散歩(マーヴィン可愛かった!)→いつものバーで一杯だけビールを飲む。
それが本作の主人公パターソンの何気ない日常。
バスの運転手ですが、合間に詩を考えながら、持参のノートに書き留める。妻はカップケーキ作り。
正直言って、退屈な映画です。しかし、この「何気ない日常」こそが見所。コロナの影響で普段の日常生活が一変した今、この作品を見つけてとても癒されました。
一週間の日常が描かれおり、様々な人間模様、一期一会のようで、「詩」を通して映し出されています。中には、ヒヤッとする場面がありますが、とても優しいです。そして、ほっこりします。(^^)
アダムドライバーの演技が良かった。
あと、永瀬正敏さんが出てました。
ちなみに、アクション要素やサスペンス要素は一切ありません。100%ヒューマンドラマです。
緊急事態宣言が延長、コロナの影響で色々と大変な時期だからこそオススメしたいです。
退屈ですが、とても素晴らしい作品でした!\(^^)/
日常に非日常をチョイと加えて
ジム・ジャームシュ×アダム・ドライバーは観ないといけないよね。たぶん、生真面目で神経質な主人公の何気ない1週間を描く映画。
朝起きて、仕事して、詩を書いて、バーで飲んで、家族との何気ない幸せを感じる。そんな日常。一歩間違えたら酷評になりかねないけど、そこはジム・ジャームッシュ、観る人を選ぶ、いや…観たい人が観る映画でした。
ちなみに主演の女優さん、どこで観たかなぁ…と思っていたら『ババールの涙』だった。
確かなのか、儚いのか。
ゆるい日常系なんだけど、なんとなく不穏な印象が残るのは音楽のせいだろうか。
目の前の現実が、実はすごく儚いというか
今にも崩れちゃいそうなアンバランスさを感じてしまった。
作品を通して感じたのは、自分の感性を信じてあげようっていうメッセージ。
気ままな彼女の表現を優しく受け止めるパターソンがたまらなく魅力的だし、
誰に読ませるでもない詩を書き続けるとこも素敵だと思った。
最後に急に永瀬正敏が出てきて、ちょっと笑っちゃった。
旅行に行った詩人って設定なのに、あのカバンとスーツなのかよって。
アダム・ドライバーの出演作はいくつか見たけど
彼にはこういう役こそ合ってると思う。
ヤング・アダルト・ニューヨークも良かったし、ブラック・クランズマンも良かった。
あの酷い出来のスターウォーズで初めて知った俳優だけに、
こんなに良い役者なのかと気づかされた。
何気ない日常が素晴らしく思える!
バスの運転手パターソンの日常を描く。
この何気ない日常が
素晴らしく思えるのは私だけだろうか。
毎朝、妻にキスをして目覚め、仕事へと向かう。一日仕事をこなし、帰宅。妻と夕食をとった後、愛犬と散歩をする。バーへ立ち寄り、ビール一杯を飲んで、寝床につく。趣味は、詩を書くことくらい。
時折、パターソンの朗読する詩が
いつもと変わらない日々を
彩り豊かにする。
愛犬マーブル、そして、
日本人の詩人永瀬正敏との出会いは、
穏やかに流れる日常に
小さな波紋を起こし、
パターソンの心を揺れ動かす!
心洗われる映画に出会いました!
何故にこんなに心地よい映画なのか…
ジム・ジャームッシュ監督の作品は好きで本作が私にとって4作目。
いつものジム・ジャームッシュ監督と変わらず、ストーリーに起伏は無く、1週間の日常が淡々と流れる様を描いており、ウィットに富み、クスッと笑える会話が小気味良く続く。
ただし、少しの不気味さが作品全体を引き締めているように感じる。奥さんは自由で変わり者だし、奥さんが夢で見たって言ってた双子がちょいちょい出てくるし… 不気味な部分が多々ある。
パターソンにアダム・ドライバーは適役だった。幸が薄い表情で孤独なドライバーを完璧に演じきった。僕はパターソンがいつか発狂するのではないかとハラハラしていたが…
田舎町パターソンでゆったりと流れる時間、詩を紡ぐ男パターソン、一週間の彼のルーティンを見ているだけで何故こんなに心動かされるのだろうか。なぜ2時間の鑑賞時間で飽きなかったのか。どうしてこの映画をこんなに好きになってしまったのかもハッキリわからない。
やはりジム・ジャームッシュには頭が上がらない…
aーha?
韻を踏む詩のように、月曜日から金曜日までバス運転手として働く映像を繰り返す。散文詩または、jazzのように、飛ぶこともある。休日は、しっかり伏線を回収。また月曜日が始まる。見事な終わりは始まり。
改めて思う
ジム ジャームッシュの人気
実は、公開から1年半以上経って、このレビューを書いてます。
まあ、レビューを書くようになって日が浅いというのもありますが、ブラック クランズマンにアダムドライバーが出てるのをみて、思い出したからです。
この映画自体が詩です。
パターソンシティに住むパターソンの1週間。
職業は、バスドライバーで、演じるのは、アダムドライバー。
目覚まし時計の鳴る音でベットから起き上がるところから毎日が始まって…。
つまり、韻を踏んでるのです。
しかし、毎日は違います。
バスが故障したり、犬がいなくなったり、奥さんが差別されたり、自分の将来について悩んだり。
そう、案外、目を凝らして僕たちも周りを観察したり、よく思い返してみたら、映画のような日々を送っているのがしれない。
そんな気持ちになる寡作だと思うのです。
レインコートを着てシャワーを浴びるようなもの
ジム・ジャームッシュ作品はほとんどハズレが無い。特に初期の頃には白黒作品でオフビートな雰囲気が心打つというより心に残るものが多かった。どちらかと言うと、コメディアンが出演している方が好きなのですが、大きな展開もなくゆったりとした作品も好きだ。
今作はニュージャージー州パターソンに住む、地名と同じ名前のバス運転手(アダム・ドライヴァー)が主人公。愛する妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)と愛犬マーヴィン(ネリー)。朝早く起きて職場にに行き、始業前にノートに詩を綴り、上司の愚痴を聞いてからエンジンをかける。帰宅すると、倒れかけた郵便受けを直し、キスする度に吠えるマーヴィンを散歩に連れていってバーでビールを飲む。そして週末には映画館、と平凡な1週間を淡々と描くといった内容だ。
そんな平凡な日常の中にもパターソンの心の変化がある。妻から「双子が生まれる夢を見た」と言われてからは、少女やおじさんといった町中の双子が視界に飛び込んでくる。しかし、日課となっている詩にはもっと日常的で平穏な心象風景が書き綴られるのだ。一方で、中東アジア系の妻ローラはなんでも白と黒にこだわるアーティスティックな存在。妻が作ってくれるお弁当にも自宅に飾られた写真や、彼女が白黒ツートンに塗り替えた衣装や家具が微妙にシンクロしている細かな面白さ。注文したギターも市場に出店するカップケーキも全て白黒なのです。
ちょっとした展開といえば、バスの電気系統の故障とか、バーで彼女に振られた男がおもちゃの銃で自殺しようとするシーンとか、詩を書き溜めたノートを愛犬によっと食いちぎられたといったところ。コピーしておけよ・・・と思ってもみたが、この映画は平凡な人間が前向きに生きていく姿を描いているので、これが良かったのかもしれない。また、終盤に登場する永瀬正敏がいい味付けをしています。
月曜日は仕事に行って、火曜日も仕事に行って。
平凡な男の1週間を切り抜いた話。
となると、平凡すぎて眠たくなりそうですが。そうはなりませんでした。
その理由は、パターソンが家の中で、職場の休憩で書く「詩」を。
目の前に見える物を中心に、淡々と書いているのがいい味なんです。
「27 パターソン」と表示されたバスを運転しながら、パターソン(これって、韻を踏んでるのかしら?)が心の中で詩を読んでいく。
動いていくバスの風景と同化していく感じも、サラッとしていて心地よい。
月~木は同じことの繰り返し。唯一夜、犬の散歩途中で寄るバーで、ちょとしたいざこざがあったりするくらいがアクセント。
夫としても妻に理解を示し、「通販でギター教材300ドル、買っていい?」の無茶ぶりにもYES。「怒ることある?」って聞きたくなるくらいな、穏やか人。
金曜日の朝。「あれ、妻がベットにいない」。
ルーティーンな日々に、何かが起こる予感を起こさせるのがいいアクセント。
土曜・日曜もしかり。
これをもとに戻すには。ルーティーンな事をすればいい。
彼にとってはそれが「詩」を書く事なんですね。
最初の役者紹介で「and MASATOSHI NAGASE」って出てきてびっくり!。いつ出てくるのかしらと思ったら。
ここですか。おいしいシーンでした。
「詩の翻訳は、レインコートを着てシャワーを浴びるのと同じ」。
なるほどね。歌の歌詞も、そんな気がします(訳する能力ないけど)。
静かで穏やかな1作でした。
詩的でステキな時間と世界観
主人公(アダムドライバー)の素朴で優しく、詩が好きで、日々の生活を楽しんでいる感じがとても良かった。
こんなほのぼのとした雰囲気の映画なのに、ドラマがあり、成長がありで、とても面白い。
永瀬正敏さんの「あーはぁ〜」も面白かった。
パターソン市のパターソン氏
パターソン市のパターソン氏(アダム・ドライバー)は路線バスの運転手、妻は芸術家を目指している。
毎日の日課は、朝は一人で食事、インド人の同僚のボヤキを聞いてバスをスタート、夕食後は愛犬の散歩を兼ねて外出、パブで飲んで一日を締めくくる。
主人公の一週間の出来事を淡々と描いていくが、かなり入り込む。
穏やかでおしゃれ
詩については全くわからないけど、毎日同じタイムスケジュールで過ごす主人公が、色んな双子とすれ違ったり、美人な奥さんがアーチスト並みに毎日何かモノトーンの物を手作りしていたり、芸術的な作品。お弁当ボックス1つ持って歩いて職場まで行く道のりもなんか素敵。イタズラっ子の愛犬マーヴィンの絵がそっくりで可愛い。パターソンってニューヨークからさほど離れていないのに穏やかですね。
変えない意志
パターソン市があるニュージャージー州って、ニューヨークの近くだよね?だって、NY着のニューアーク空港ってこの州だから。
と調べたら、パターソン市内から、マンハッタンのセントラルパークまで道なりで30km強という近さ。
マンハッタンまで通勤できそうな街にいながら、この穏やかな生活を続けてるパターソンさんに、逆に凄みを感じる。
マーヴィンは悪い子さんです。
パターソンのパターソン。起床。朝食。バス会社への通勤路。日常を詩に書き留める。同僚の愚痴。耳に入る乗客の会話。帰り道。ポスト。妻のファッションセンス。夕食時の会話。愛犬と散歩。バーでビール。
どうしても双子が出てくると『シャイニング』が思い出されてドキドキしてしまうのですよね。
バスはハイジャックされないし、夜道で強盗に襲われないし、妻との口論で惨劇が起きたりもしません。
永瀬さんが美味しすぎる。マーヴィンは悪い子さんです。
a〜ha?
「我が家にはたくさんのマッチがある」とノートに書く
「我が家にはたくさんのマッチがある」
物語はそこからはじまる。なんども繰り返されるセンテンス。
そしてどこかざらざらしたありふれた映像がつづく。
ジム・ジャームッシュの独特な映像。
バスの運転手はマッチがすきでそれについて詩をつづっている。意味はない。マッチはマッチでしかない。ブリテッシュがフレンチ・ブルドッグじゃないのと似ている。
どちらも自分以外のものになれない。
ときどきすれ違うふたごも同じだ。
毎朝、彼女といっしょのベッドで目が覚めわずかな会話をしてバスを運転する。エピソードのように乗客のなにげない話を挿入する。
それが毎日曜日が変わってもおなじだ。そして1日の終わりにブルと散歩し薄暗い古いバーに寄ってビールを飲む。
ふうん、どうってないけど、感じの良い映像がただつづく。
つまり彼の映画は、自分の特別な時間にしかとどいてこない。いつも繰り返して観たいと思う映画じゃない。なにかが欲しい目的で観る映画じゃない。
その意味でも独特だと思う。
だれの映画とも似ていない。
全164件中、41~60件目を表示