「嘘武器正」不能犯 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
嘘武器正
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義賊的な暗殺者では古くは必殺仕置人(1973)からデスノート(2003)まで結構大衆受けしているから、人間の持つ他人への恨みや復讐心の闇は根深いのだろう。
不能犯とは聞き慣れない言葉なので調べてみたら、犯行手段と結果の因果関係が立証できない場合は処分不可能ということで法律で明文化はされていないものの刑法学上の概念、専門用語ではあるそうです。法が及ばない時代、世界でのルールは元来、個人や組織の力勝負で西部劇のアウトロー(無法者)が活躍する形と似ていますね。
主人公の名前は宇相吹正だが眼力で心身を操るのだから、嘘吹正とか嘘武器正としたほうがそれらしい気はします。殺意に純粋か否かとは何を基準とするのだろう、判断は噓武器の直観だからそもそも依頼人が真実を言っているかは分からないでしょう。だから、依頼人も報いを受けるなど事件は妙に拗れた展開でしたね。
嘘武器は明らかに魔術を使った人殺しなのですが、それより悪い嘘つき女や爆弾魔を出して本当に怖いのは普通の人間の方だと仕立てたストーリー、同感です。今時、稀な電話BOXに手紙を潜ませる設定は余りにもチープですがネットにしたらリアル過ぎて、愉快犯や模倣犯など出て炎上しかねないので、あえてアナログにしたのでしょうね。
あと気になったのは嘘武器は特殊能力を何故備わったのか、デスノートのような死神も出てこなかったので謎のまま、原作コミックでも触れていないようですね、原作では多田刑事は男で宇相吹亡きあと2代目を継ぐらしい。
終わり方は明らかな続編狙い、シリーズ化を目論んでいるのでしょうね。
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