「ヒーロー映画を超越した人間ドラマ」LOGAN ローガン オレさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーロー映画を超越した人間ドラマ
ミュータントが絶滅の危機に瀕している2029年において、老いによりかつての治癒能力が弱まりつつあるローガンとアルツハイマーに蝕まれテレパシー能力を制御できずに暴走を繰り返すチャールズの2人が、ミュータントの子どもたちの未来のために最後の旅へと旅立つ、X-MENシリーズの一つの終焉を描いた作品。
2000年代の実写アメコミシリーズを牽引したX-MENの顔ともいえるであろうローガンことヒュージャックマンの17年に渡る同役の引退による最後のローガンシリーズ。
かつてのようなマグニートー率いるブラザーフット軍団とのド派手な戦闘を極端に抑え、しかしシリーズ初のR指定作品で残酷な描写も多く見受けられるも、年老いたローガンとチャールズの哀愁漂う渋くて泣ける最後の生き様を描く。
2人の旅のきっかけとなるの少女、ローラ。
ローガンの遺伝子を用いて作られたクローンであり、ローガン同様アダマンチウムの爪と治癒能力を誇る。
ローガンの生き写しかのような戦闘力で組織の追っ手をクールに圧倒。ダフネキーン改め、そのクールさからダフ姐と呼ばれ大人気のご様子笑。
今作このローガンとローラの関係性、さらに言えばローガンとチャールズの関係性を描いた演出が素晴らしかった。
ローラは前述の通りローガンの遺伝子から生み出されたいわばクローンであり、ローガンの娘にあたる。旅の最中一切言葉を発さなかったローラがローガンのピンチに素早く行動し、心を開き言葉を発するようになったシーンやラストの瀕死のローガンに抱きついて号泣するシーンはとてつもなくクル。
さらには17年のシリーズを通してのプロフェッサーとローガンの関係性に泣けた。
X-MEN無印の当時荒れ狂っていたローガンに優しく諭すような態度で接してきたプロフェッサー。
宿敵マグニートーとの激戦や若かりし頃のチャールズと共に戦ったF&Pなどを経て、今やたった2人だけとなってしまったX-MEN。
その苦楽を共にした2人の関係はもはや父と息子といっても遜色のない域に達していたという描写がすごく良かった。
チャールズを亡くし、荒れ狂うローガンを寂しげに見つめるローラのシーンもすごく切なく悲しかった。
ウルヴァリン X-MEN ZERO、ウルヴァリンSAMURAIというシリーズから予想もできなかった高評価のまさにヒューヴァリン大団円的作品。
今後もX-MENユニバースは続くし、X-FORCEではウルヴァリンは復活するという。
この偉大な大先輩を前にして次回のウルヴァリンは誰が担うのか、また担った上でおそらく共演することになるであろうデップーのクセの強さに勝てるのだろうか笑といろいろ気になりはするが、とりあえず
さらば!ローガン!