空海 KU-KAI 美しき王妃の謎のレビュー・感想・評価
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予習が必要なファンタジー
2004 年に夢枕獏が書いた原作「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」は未読である。空海が入唐後に同じ留学生の橘逸勢と協力して楊貴妃の最期を推理して回るという話だそうだが,この映画では橘逸勢の役割をそのまんま白居易に置き換えてしまっており,空海と白居易が史実でも年齢が近いのは良いとして,入唐後に長安の青龍寺に入山して恵果阿闍梨に教えを請うまでの間のいつの時点で知り合ったのかと言った話は全く語られていないので,最初から違和感全開の話になっていた。
例えば,日本で産出した食材をCの調味料や香辛料をたっぷり使って料理し,大きなCの食器に盛られたものを,Cの調度の整ったC風の建物の中で食べたら,きっとこの映画を観終わった後のような感想を持つのだろうと思った。主人公が空海である必要は一切なく,相棒が白居易である必要も特に感じられなかった。演出やカメラ回し,笑いの誘い方など,全てが BS で時々放送されているCの歴史ドラマそのものであり,テンポが悪く,盛り方が過剰で,しかも嘘臭かった。北京五輪の開会式のような胡散臭さがかなり気になった。
物語の下敷きには,空海の入唐と密教の修行,玄宗皇帝と楊貴妃の物語,日本からの留学生でありながら科挙に合格して玄宗皇帝に仕え,そのまま帰国せずに一生を終えた阿倍仲麻呂の物語,玄宗皇帝に招かれて楊貴妃の前でその美しさを讃える漢詩を書いた李白,玄宗皇帝と楊貴妃の悲劇から 30 年ほど後に長恨歌を書いた白居易(白楽天),玄宗皇帝に楊貴妃を殺すように求めた謀反人の安禄山などの話が盛り込まれているのだが,そのどれもが一切説明されていないので,これらの物語をある程度頭に入れてから見に行かなければ,恐らく何も面白くないと思えるに違いない。現に,私の2つ隣で見ていたどこかのオッさんは,上映中何度も大あくびをして私の不興を買ったが,遂に限界を察したのか,上映開始から1時間もしないうちに帰って行ったようだった。
玄宗皇帝と楊貴妃に対する阿倍仲麻呂の立場がまずあり得ないと思ったし,肝心な部分が全て幻術のせいにされてしまっていてますますリアリティを欠いていた。唯一の救いは,楊貴妃役の女優が本当に美しかったことと,空海役の染谷将太があまり表情を変えずに相手を正面から見て話す様子が,いかにもその後まもなく悟りを開く空海らしく見えたところである。空海は幻術を見破れるのかと思ったが,必ずしもそうでもなかったところが結構肩透かしであった。染谷将太はほぼ全編でC語で喋っているようだが,自分で日本語に吹き替えていた。
音楽は,何とクラウス・バデルトで,あの「パイカリ」の第1作で数々の神懸かり的な名曲を披露した人物である。本作では,単独のクレジットでなく,作曲協力などという名目のCの名前が追加されていたので,かなり合作なのかも知れない。そのためか,彼の美点がかなり薄まってしまったと思った。
この映画は,日本とCの合作ということだが,資金の出所はほとんどC側のようで,派手な CG やセットに惜しみなく金を使っていたという感じであった。最近,Cはハリウッド映画にも出資して,見返りにCを良く描かせたり,主役級のCのキャラを登場させるなど,印象操作に必死な感じを受ける。スターウォーズに突然Cのキャラが出てきて目障りだったり,古くはハリポタの恋人役がCだったし,ゼロ・グラビティで重要な役割を担っていたのがCの宇宙船だったりしたのは記憶に新しい。この映画は,ほとんど自国の観客向けに作られているのが明白であり,話の都合上日本でも公開したというのに過ぎないような気がする。唐の時代のあの国の歴史に多少明るい方でないと,恐らく私の2つ隣で見ていたオッさんのようになってしまうのではないかと懸念される作品である。
(映像4+脚本2+役者3+音楽4+演出2)×4= 60 点。
化け猫映画
夢枕獏原作の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』の映画化ということで公開を楽しみにしてました。
空海を染谷翔太さんが演じ中国語をしっかりと話し演じしかも監督はチェン・カイコーとなれば見なきゃと決めてましたがまさかの吹き替え版の公開とは…。
これじゃ日本映画を見にきたのと同じじゃないですか!
演出が中国語ありきの内容なので日本語に吹き替えられる映像に違和感があります。
内容も原作を読んでないと分からない様な内容で陳腐なCGのオンパレード。
これは酷いと思いましたね。
主役が空海でなくてはならないという必然性がない。
ただの化け猫映画というだけ。
登場する人物や時代背景の詳細が描き切れていないためストーリーを理解する事が難しい。
原作で描かれている楊貴妃と玄宗皇帝の悲哀やミステリーの奥深さ空海が中国に何をしに来て何を成し遂げたのか、そして空海と橘逸勢とのコンビが織りなす摩訶不思議な世界観が何一つ描かれていなかった。
原作の事を置いて映画として見たときにも残念すぎる。
何を描きたかったのだろう。
もっとバディ感があれば…
原作未読。
歴史知識も薄いです(汗)。
ファンタジーだろうと思いながら観に行ったので内容に違和感は覚えませんでした。
空海と白楽天がホームズとワトソンのようにバディで楊貴妃の謎を追いかけていくのですが、真相のパートになってから肝心の二人が傍観者になってしまったように感じたので、そこまでのくだりでもっと二人の関係が密になっていたら楽しいなと思いました。
白鶴の青年二人のエピソードには泣いたので、空海と白楽天にもそれくらいの強い絆があるか、物語を通じて結ばれたら更に感動的だったかも……。
白楽天は物語を通じて成長しましたが、空海は事件前と事件後でさして変化がなかったように感じるので、やはりタイトルロールのキャラクターはどのキャラクターよりも大きく成長した姿を見たいです。
豪華絢爛な映像は一見の価値ありですが、欲を言えばあと15分〜25分ほどシェイプできたら更に面白いのではと思いました。
途中でリタイアしてしまったのかいびきがどこからか聞こえてきました……(涙)
とは言え、前知識無くても楽しめましたし、中国との映画の可能性も大いに感じたので、観て良かったです。
字幕版でも観てみたかった(中国語は分かりませんが、言葉の響きを聞くことでよりあの世界観に入り込みたかった)。
タイトルと違うよね
中国製はまだダメ
また酷い映画を見せられてしまった、この間観た「マンハント」も酷かったけど本作もまた酷かった、やはりまだまだ中国製品は辞めておいた方がいいようだ。原作の面白さを全て消してしまっており、橘逸勢の代わりに白楽天を置いたのだろうけれど、そこから間違っている、この作品の面白さは「陰陽師」で言うところの安倍晴明と源博雅、「シャーロックホームズ」で言うところのホームズとワトソンの掛け合いなのである、漫才で言うボケとツッコミであるのに、空海と白楽天は全く噛み合っていなかった。そのため染谷将太の演技も棒立ちか歩いているだけだった、物語もファンタジーに寄りすぎてしまいミステリー色は消えていた。日本のアニメでもう一度作り直して欲しい、原作のあと半分を読んで口直ししよう。
化け猫伝説…❓
莫大な制作費をかけた中国語"化け猫映画"。宣伝の仕方が幻術
観るのは止めないけれど、予告編にダマサれないように。"空海"という言葉を忘れて、頭をまっさらにして受け止めたい作品。
別に主人公は、"空海"である必要もないし、舞台設定が"唐の長安"ではなく、日本のはなしにすることもできる。つまり"白楽天"や"楊貴妃"さえも置き換え可能。このストーリー設定自体が妖術なので、まさに妖術映画である。
本当の主人公は、"化け猫"。ちなみに原題は、「妖猫伝」で、英タイトルも「Legend of the Demon Cat」。"子々孫々まで怨みたおします"という立派な姿勢は、化け猫界のレジェンドだ!!という意味だったりする。
夢枕獏の原作「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」も、せっかく空海と楊貴妃のキャラクター幻術で読者を惑わしていたのに、国際的な映画化で"妖猫伝"と本質を突かれてしまった。
では、映画の完成度が低いのかというと、そうでもない。カンヌのパルム・ドールやゴールデングローブ賞の実績もあるチェン・カイコー監督らしい、制作費をかけまくったスペクタクル作品。チャン・ロンロンの楊貴妃は美しいし、観るべきところはそれなりにある。
主演の染谷将太もいい。あの狂ったように出演作を重ねていた人気ぶりは、すっかり菅田将暉にお株を奪われてしまった・・・と思いきや、中国に行っていらしたのね。
本当は染谷くんが頑張った中国語のセリフが聞きたいのに、染谷将太吹替えを本人が中途半端にやる意味がわからない。
名前で選んだだけの吹き替え版キャストにイラつきます。吹き替えに丁寧さが感じられない。
要は、莫大な制作費をかけた中国語"化け猫映画"として見ればいいってこと。
(2018/2/24 /TOHOシネマズ上野/シネスコ)
美しき王妃の謎?全部謎。
とにかくつまらない
原作がとても好きだったので観ました。
はっきり言って期待外れもいいところ。間延びしていて本当につまらなかった。久々のハズレ。原因は大きく2つ。
①原作改悪による作品の破綻
まず私は、原作を映画に合わせて面白く変えるのはどんどんやれ、大歓迎というスタンスです。
しかし、玄宗の執着と打算を前面に出したり、空海が無能で人が死んだり、とにかく改悪が多過ぎ。ちっとも面白くない。
しかも結末まで無理やり圧縮してるので、間延びしたり端折り過ぎたり、とにかく作品として構成が悪く、心理描写も本当に雑でした。
②空海がショボすぎる
ネタバレになるのでこれ以上は言いませんが、主役がこんな二流探偵扱い扱いでは面白いはずがない。
とにかく作品として破綻しているところもあり、大物監督とは思えないチープな作品でした。
長安の映像と高橋一生の声くらいしか褒めるところがない。
映画館で見る価値はありませんでした。
あくまでもファンタジー映画。歴史的人物の空海の姿はない。
パチンコみたいなCG
人の想い心から愛するとは何か
中国の色が強い映画
基本真面目なストーリー
、堅いけど、笑う所が隠されていた
本当の意味で人を愛する想うとは何か
教えられような気がした
様々なメッセージが込められている
また主演の染谷将太さん始め主演の方々の
演技も素晴らしい
苦労され撮影された事が結果として
でると思う.
日中の誇り、歴史の繋がりを意味する作品
さすが日中合作で、日中の精鋭を集めた甲斐のある作品!白楽天が『長恨歌』を作るために空海と共に楊貴妃の死の謎を解くという、空海というよりも白楽天が主人公っぽい作品だが、空海の冷静かつ沈着な性格と共に、白楽天の詩にすべてを捧げているという一途さが噛み合わさり、とても相性が良かった。一部怖いと思う描写はあったが、玄宗皇帝の裏切りや楊貴妃の悲しみが満ち溢れていた。白龍や丹龍、安部仲麻呂の楊貴妃を思う気持ちにも嘘はないのだと感じた。楊貴妃が豪壮と、華やかに美美しく描かれており、唐という国の華やかさ、壮大さを感じられた。安史の乱を想像できないような世界でもあった。
話は長いがテンポに緩急があり、とても深く見入れる作品でした!
CG技術はいまいちだったけど、鮮明な色使いと華やかさがあった。
《Pick Up People》
「白楽天」
流石の演技!"染谷将太"との日中タックでも素晴らしい連携を見せ、演技に魅了された。
2/15(木) TOHOシネマズ流山おおたかの森にて 試写会
興味と予備知識が無いと苦しい
想像以上の神作でした
結婚式を参加するために帰国して、ちょうど中国ても話題になってるので拝見させていただきました。
元々中国の映画見ないタイプだけど、今回の予告編は結構図星になったので、映画を見る前はずっとワクワクしてきた。しかし当日の事情で30分ほど遅れたので、内容をミスった、今も悔しんでいます。
この映画を観た感想は一言っていうと、実は創作によく使われたテーマのラブストーリーを綺麗に見せてくれました。
本物の歴史を置いといて、この映画は財力と芸術をうまく融合し、壮大な、哀れな恋を見せてくれました。
人物像はみんなそれぞれの個性を持って、簡単な数分役者により完璧に表した。ただ、みんなは自分なりに好みの表現形式が持つので、みんなが好きな「完璧」には言わない。私がこういう作品の中に、役者がこういう形の演技が「完璧」と思うだけです。
この作品のジャンルは多分日本にはあんまりないと思います、私も、ミステリか、ラブストーリーかどっちにも分けられないが、そんなにこだわらなくても、楽しみに観れる作品と思います。監督らしい芸術的な表現形式はすごく綺麗で、その内面の工夫を感じられます。
中国のメイキングから、映画に出てきた「唐」の建物は6年経て監督による建てられたそうです、映画に表してくれた「唐」の風景はあんまりにも綺麗て、私が想像した「唐」の雰囲気にぴったりです。
映画前編の進みは結構しっかり繋がっているので、深く考える暇はないと私が思うだが。それでいいです、普通にこの物語に楽しんでいてくださいも一つの観映の楽しみです。
もう2月に待ちきれません、早く日本でみたいです!
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