「伝記映画ならぬ伝奇映画」空海 KU-KAI 美しき王妃の謎 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
伝記映画ならぬ伝奇映画
クリックして本文を読む
『空海』といえば1984年の東映映画、佐藤純彌監督・北大路欣也主演作品を思い出し、ここへ来ての伝記映画かしらんと思ったのだけれど、夢枕獏の小説を映画化したと知って、まぁ普通の伝記映画ではなかろうと期待した次第。
唐に渡った沙門空海(染谷将太)は帝の臨終の場に遭遇する。
そこには一匹の黒猫が・・・
といったところから始まる物語で、伝記映画ならぬ伝奇映画。
玄宗皇帝と楊貴妃の愛の物語を、長恨歌という長編詩に綴った白楽天(ホアン・シュアン)を相棒に、奇怪な事件の真相に迫っていく・・・と続いていく。
それ以上でもそれ以下でもないが、事件は(当然のことながら)スピリチュアルな方向へと進展し、そういう結果に落ち着く。
全編豪華絢爛な場面の連続で、中盤ぐらいまではその豪華絢爛ぶりに満足満足・・・と思っているが、後半になるとお腹いっぱい。
2時間10分を超す長尺なので、観ているだけで胃もたれ気味。
途中から、もういい加減に謎解きやってくれ!って感じになりました。
日本語吹替え版しか上映がなく、少々ガッカリ。
染谷将太や阿部寛ががんばってしゃべっている中国語を、自分自身で日本語に吹き替えるのはどんな気分だったのだろうか?
それとも中国語は端から喋ってないとか?
その他気になったのは、楊貴妃役のチャン・ロンロンの鼻から下の部分が意外に不器量。
ま、これには個人の好みもあるだろうけど。
<追記>
中国映画の巨匠たちは、多分もう骨っぽい映画を撮らせてもらえる環境にないのでしょうなぁ・・・と、そんな思いもよぎりました。
コメントする