「やるせないとしか言えない」昼顔 ホルスタインあにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
やるせないとしか言えない
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あのドラマの続きがどうしても知りたかった。
まさかこんな結末だとは…という気持ちと、
ある程度の予想はついていたという気持ちの板挟みでした。
怖かったのは乃里子の心の変化…と言うか、
乃里子は心が変化してなんかいなかったこと。でもそれは当たり前。
ドラマの中では仕事も順風満帆、プライドは多少高くてちょっとだけ自己中なところはある年上妻だけれども、夫の事をとても愛していてそれなりに尽くすことも厭わない。
一度の不倫くらいは何事もなく許してあげますという心の広さ。
それが、ここにきて(映画の中で)再び繰り返されたとなると、
『なんで?なんで私じゃなくあの人なの!?』と狂気のように叫び、奪われたくないという気持ちが芽生えてしまうのも仕方ない…と思いました。
それにしても北野先生はホントにバカ正直過ぎます…優しいかもしれないけど、
傷ついた乃里子にあんなに正直にいろいろ答えなければいいのに…とハラハラしながら観ていました。優しいことは時には残酷です。
それにあのホテルでの一件のあと、乃里子が車椅子状態なのを見てもただの事故(乃里子の言い分)だと信じてしまうのもどうなの?という感じです。
それにしても、それでも生き続ける乃里子に、紗和ちゃん以上の執念を感じて怖くなりました…脊椎損傷どころじゃない、全身ボロボロになりながら紗和の事を恨んで生きていくなんて…怖すぎます>_<;
ただ北野先生は乃里子が手に入れた。
そして紗和ちゃんは乃里子が欲しくても手に入れられなかったモノを持って生きていく。
でもどちらにも完全な満足はないのだと思うと、本当にやるせない気持ちでいっぱいになります。
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