劇場公開日 2017年6月10日

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昼顔 : インタビュー

2017年6月8日更新
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禁断の恋の行く末は… 上戸彩×斎藤工×伊藤歩それぞれの思い

平日の昼間に夫以外の男性と恋に落ちる主婦たちを描いて話題を呼んだドラマ「昼顔 平日午後3時の恋人たち」から約3年、禁断の恋が映画「昼顔」(6月10日公開)として帰ってきた。ドラマから続投した上戸彩斎藤工伊藤歩が、今作に対するそれぞれの思いを語った。(取材・文/編集部、写真/余澄)

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ドラマでは、道ならぬ恋に溺れる主婦の笹本紗和(上戸)と高校教師・北野裕一郎(斎藤)が、北野の妻・乃里子(伊藤)に別れを決断させられるまでを描いた。映画では、その3年後、離婚した紗和が暮らす町に北野が仕事で訪れ、2人が再び逢瀬を重ねる愛の物語を紡いだ。

出産を経て今作で女優復帰を果たした上戸は、「大好きな作品の映画化のお話をいただいて、家族に背中を押してもらって出演を決めました」と絶好のタイミングだったと明かす。3年間で蓄積された、「連ドラにはなかった気持ち」を芝居にぶつけた。

「あえて言葉にはしないんですけど、お芝居のなかでそれが伝わる空気感は常にありました。パワーアップしている感じ。それぞれに気持ちが膨らんでいた3年間な気がしました」(上戸)

斎藤は上戸の言葉に深くうなずき、「特に紗和は、ドラマと比べてすごく深い。こうやって(上戸に)会うと少女らしさがあるんですけど、(映画版の)紗和には少女性がない」と語る。上戸は「ドラマにはあったもんね。浮かれてたもん」と笑うが、斎藤は「紗和の、ある意味淘汰された精神世界が映画の湿度と合致していて、紗和に再会したとき、この期間を空けた意味がここにあるなって思いました」と力説する。

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伊藤は、「この3人で、現場でまた会えるのがすごく嬉しいなって。それが楽しみでしたね」とほほ笑む。劇中では泥沼劇を繰り広げる3人だが、一歩現場を出ると「小学生の夏休みみたいな感じ」(斎藤)というほどの仲の良さ。2人とはプライベートでも親交があるといい、「お芝居ももちろんしているんですけど、お互いの信頼関係で、“そこにいる”っていうことをできるかできないかってあると思うんです」と語る。

「3人のシーンでは、お互いの存在を無視した“いる”じゃなくて、無理なくできました。2人の存在は大きいし、紗和の顔をずっと見ているだけで、お互い伝え合っている何かがあるなとわかるんです。それがこの3年っていう時間なのかな」(伊藤)

強く引かれ合う紗和と北野、必死に結婚生活を守ろうとする乃里子。ドラマ放送時には、それぞれのキャラクターが共感と批判を集めた。上戸は、自分自身を役に重ねる部分もあったという。「紗和は正直な人。嘘がつけなくて、真っ直ぐな人だと思います。だから痛い目にも合ってしまうし、いい意味で賢くないので、お芝居をした感じがなかったです。自分の思いを込めて紗和としてそこにいたので、紗和でもあり、上戸彩でもあるという感じでした」

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一方の斎藤は、北野という人物を「頑固な弱さみたいな、それが結果的に強さみたいな、変なものを持っている」と分析する。「周りを見ないためにひとつのことに集中したり、視界をわざと狭めているようなところがある。生物学的な見方をする人なので、人間以外の生命がどうやって繁栄しているかに(紗和との関係を)落とし込んで、自分だけを納得させて前に進んでしまう。それが弱さだと思います」

禁断の恋でありながら、互いへの確かな愛を持つ紗和と北野を前に“ヒール”になってしまった乃里子を演じた伊藤は、「彼女には彼女の正義があるし、自分の生き方の正しさをちゃんと突き通している」と胸を張る。それでも、乃里子への世間の反応は一段と大きかったことから、「いろんなことを言われて……(笑)」とため息を吐くと、斎藤は「(乃里子の)今回の『私、何も悪くないのに』っていうあのひと言が……。本当にそうだと思う」、上戸は「皆あそこで『だよねー!』ってなると思うよ。『わかってるよー!』って」と乃里子の心情に寄り添った。

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愚直に人を愛し、真面目で素直、どうしても嫌いにならせてくれない、罪な男。そんな北野の行動に翻弄された上戸と伊藤は、劇中での北野の“詰めの甘さ”を、「バレなきゃ良いと思って……本当ずるい!」とここぞとばかりに指摘し、タジタジになる斎藤を存分に楽しんだ様子で顔を見合わせた。結末の受け取り方は人それぞれだが、伊藤が「あそこにしかたどり着けなかった」というように、3人にとっては納得の幕引き。座長として作品を牽引した上戸の、同志2人への感謝の言葉がそれを物語っている。

「やりきった感はすごくあります。達成感もある。それは自分ひとりでは絶対成立しなかった。このチームでできたことを幸せに思います」

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