「指輪は届いていたんじゃないかな…」昼顔 myumoさんの映画レビュー(感想・評価)
指輪は届いていたんじゃないかな…
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きっと、不倫をテーマにしている作品なので、このご時世に不倫を推奨する様なラストにはならないだろうなと覚悟して観ました。
案の定な結末だったと思います。
死を覚悟した北野先生が言った最後の言葉がとても切なかったです。
理由はわからないけど、ただ好き。それだけ。
そんな純粋な気持ちも、不倫だと許されない。
不倫だと相手が亡くなっても亡骸も引き取れない。
のりこの辛い気持ちも、さわのやり場の無い悲しみもどちらもよくわかるので、観ていてとても苦しくなりました。
ラストの指輪の件は多くの方が書かれていましたが、私は、カタチとしてのマリッジリングはさわに届く事はなかったけど、線路上で死を覚悟したさわの薬指に現れた蛍(幻覚か実物かはわからないですが)が、北野先生が贈った指輪だったんじゃないかと思います。
さわにあの蛍(指輪)が届いたから、さわは線路から這い上がり生きる覚悟ができたんだと思います。
指輪は蛍の光と同じグリーンの石だったし。
何より、のりこがずっと欲しがっていた北野先生との子供を忘れ形見として宿したのはさわでしたし。
それで現物としての指輪は、さわに届く必要はなかったのかなと私は思いました。
あの思い出の場所でさわが指輪も見つけて、子供まで宿してでは、不倫が美談寄りになってしまい、不倫の代償として軽いのではないかと制作側が判断したのかな?とも思います。
きっと不倫を美談やハッピーエンドにする気は全くなかったと思うので。
とても重たい内容で、当分引きずってしまいそうです。
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