「起用キャストを楽しむだけの映画」ブラック・ファイル 野心の代償 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
起用キャストを楽しむだけの映画
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ダメダメ邦題の典型なので、原題"Misconduct"(不正行為)で受け止めた方がいい。製薬会社の薬害問題における、"臨床実験の偽装"、"証拠隠ぺい"から始まり、その訴訟の弁護団の"証拠の不正入手"、関係者の"不倫"、"誘拐による身代金要求"と、ありとあらゆる"Misconduct"がデパートのように並ぶ映画。
最後まで黒幕が分からず、サスペンスらしいジャンル映画だが、ネタもありがちオチも普通。
なので、アル・パチーノ(76)とアンソニー・ホプキンス(79)の初共演という側面が広告コピーになるのは仕方ない。その存在感はさすがで、古参の映画ファンとしては嬉しいが、若い人には単なる"おじいちゃん"。どちらも会社組織のトップ役が似合うが、最近のアンソニー・ホプキンスは「ハイネケン 誘拐の代償」(2015)、「アウトバーン」(2016)と、そんな役ばかり。
また、イ・ビョンホンが殺し屋役で出ているのも、日本ファンには嬉しい。監督は日系のシンタロウ・シモサワ。プロデュースや脚本などはあるが、本作が初監督作となる。
あくまでも主役はジョシュ・デュアメル。「トランスフォーマー」シリーズのレノックス大佐である。主役はシャイア・ラブーフからマーク・ウォールバーグに交代しているが、米軍を指揮するレノックス大佐は、次作(第5作)で帰ってくる。つまりバンブルビーの次に出演数が多いということ(笑)。
やっぱり外郭しか楽しめるところのない作品。
(2017/1/14 /新宿ピカデリー/シネスコ/字幕:高内朝子)
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