「結論がないことが、結論。」羊の木 ともさんの映画レビュー(感想・評価)
結論がないことが、結論。
公開直後かつ都心なのもあり、満席。錦戸くん目当ての女の子はもちろん、幅広い客層の印象でした。
人もいいし、魚もうまい。どこにでもありそうな、近所との繋がりが強い・不思議な文化がある地方都市で繰り広げられる、ありそうな近未来のお話。静かで怖いお話。この話どうやって収拾つけるんだろうなと思っていたら、最後は大味でそこだけが心残りですが、正解のない作品、途中まではすごくよかったです。
前科を知って見る月末くんや区役所の人、そして私たち観客と、先入観なく接する街の人たち。前科を知ると何につけてあっち側の人間として見てしまっている自分に気づき、彼らを信じているようで信じきれていない月末くんと見たもの感じたものを信じる街の人々と先入観を持って観ている自分を対比させていく。
罪を告白されたとき映画の中の人はそれぞれの行動をとり、罪を犯した人もそれぞれの道へ進む。この映画はこれ、というものは存在せず、どちらの立場にもなり得てしまいそうな自分の不確かさを感じるだけ。頭をぐるぐるさせたいときにみるのにオススメです。
役者さんは好演で、中でも優香さんの艶かしさ(歯磨き必見)と松田さんのサイコパスさに目を奪われる作品でした。
コメントする