劇場公開日 2018年2月3日

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「大八ワールドもう一歩~受けの演技とジャニーズとアニメ~」羊の木 PAPASさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0大八ワールドもう一歩~受けの演技とジャニーズとアニメ~

2018年2月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

大八ワールドもう一歩~受けの演技とジャニーズとアニメ~
投稿内容 「羊の木」44点。

「桐島、部活やめるってよ」「神の月」「クヒオ大佐」「美しい星」などの作品で知られる「吉田大八」監督は、
いつも「キャスト」に恵まれています(後にブレークした人を含めて)。
つまり「テーマ(題材)」が面白い、目の付け所がいいのです。今回も同様です。
ところがどの作品も「いいんです」が、
「もう一歩」、こころが動きません。盛り上がりに欠けるように感じてしまいます。

主役(?)は「松田龍平」と感じさせます。
独特の個性である、「普通とは違う」雰囲気に「いつ切れるか」的コワくて不気味さを漂わせます。一番印象に残ります。
他の五人もいいです。同じように感じます。
特に「優香」は、結婚して吹っ切れたのでしょうか?
今までとは違う「汚れ役」で、これからもっと乱れていくんでしょうか?
「市川実日子」も雰囲気が決まってきました。美しさで売っていないのが武器でしょうか?
「北村一輝」もご存知の通りです。まさしくはまり役です。
それぞれに個性的で「いつ切れるか」を漂わせ、観衆に「不安」と「緊張感」を与えます。
それがこの作品の一番の「見どころ」でしょう。

それら全てを「受け」て立つ主役の「錦戸亮」を抜擢した理由は、「普通」でしょう。「普通」の役者で、「普通」の公務員役で。それゆえ目立ちません。印象に残りません。
その「普通」の人と、
「いつ切れるか」という「普通とは違う」人との
「ギャップ」を描くのがもう一つの「見どころ」でしょう。

舞台で活躍の(映画とは言っていません)「三谷幸喜」の描く、その「ギャップ」を笑いにするのではなく、「シビア(厳正)」に描きます。
それは「不安」「緊張感」を生み出すためです。
なるほど。納得し、成功してるように思います。

さらに、「笑い(ユーモア)」も入れてもいいのでは?
「ギャップ」は笑いを必然的に引き起こします。それらの人々の交流において。
さらに笑いが「不安」「緊張感」を「より際立たせ」ます。
「ヒューマンサスペンス(宣伝コピーにあります)」がより深くなるのでは。

で、その主役の「普通」の魅力がわかりません。
監督・スタッフは絶賛しているそうですが、どこがいいんですか?
魅力どころか存在もあまりなかったような。
何かしました?奮闘というほどのことをしました?
話を聞いて「ええー」だけでは?トラブル対策で走りまわりました?
それがいい?
最後は少しそれらしいですが、「友達」ということで巻き込まれただけでは。
そもそも「受けの演技」の良さがわかりません。

まさか「ジャニーズ」で決めた?
また「製作」に「藤島ジュリーK」の名がありましたが。
この人「ジャニーズ事務所」の副社長で、
「ジェイ・ストーム(ジャニーズの嵐?)」の社長ですね。
いつも「ジャニーズ」の出演映画に名がありますが。
ほとんどが「作品」をダメにしていますが。
(これについてはまた別の機会にします)。

タイトルの意味の説明がもう少し必要では?
でないと、ラストが生きないのでは?
大昔の「大魔神怒る」みたいでした。何となく予想が…。

原作の「テーマ(題材)」の「アイデア」がいいです。
「不能犯」同様で「アニメ」界は「アイデア」の宝庫です。
映画化したいのもわかります。
ただその「二次元」世界を「三次元」にする「力量」が今の映画界において不足しているのでは。
「アニメ」よりも、単純に「いろいろな力量(お金も含めて)」が必要では。
「君の名は。」以来の、数々の「アニメの劣悪実写化」現象は必然です。もったいない。

「心揺さぶる衝撃と希望のヒューマン・サスペンス(宣伝コピー)」とまでこころが動きません。盛り上がりません。
吉田大八監督!いつもです。

どうして?わかりません。
くれぐれも、「駄作・迷作」ではないのです。
「もう一歩」です。悪しからず🍀

PAPAS