「バランスを欠いた展開。」羊の木 bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
バランスを欠いた展開。
元殺人犯の六人のうち、優香、市川実日子らの存在感が希薄で、松田龍平の描写に重きが置かれていました。どんな映画でも登場人物の描き方に濃淡が出てしまうのは仕方のないことですが、この映画はちょっと極端ですね。「殺人犯」という重い十字架を背負った人間の背後にはそれぞれの一言では云い尽くせない重たいドラマが潜んでいる筈なのです。それから、もっと、六人の横の繫がり細かく描いていれば、映画としての強度も増したであろうに、とも思いました。せっかく、いい役者を揃え、いい原作に基づいているので、もう少し脚本をなんとかして欲しかったですね。
面白くは鑑賞できましたが、同時になんだか勿体ない作品だな、とも感じました。
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