オリーブの樹は呼んでいるのレビュー・感想・評価
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なにか一枚の大きな絵のような映画でした
見終わってから、しばらくしてよみがえってきました。
オリーブの樹を取り戻そうと突っ走るアルマ。ののしり合いながらも愛情深い家族。オリーブ畑を縫って長く続く道路とトレーラー。壊された自由の女神像。組織として冷徹に対処するドイツ企業・・・などの映像、エピソード。
もうひとつは、樹齢2000年のオリーブの樹。その樹とどこか一体にみえるアルマの祖父(マヌエル・クカラ)。この祖父は昔の日本映画「東京物語」の笠智衆みたい。口数が少ないのですが存在感があります。樹を売られ悲しみ、気力をなくしているかわいそうな老人というだけではないですね。
この映画を創った人の思いを勝手に想像してみると、個々を評して通り過ぎるのではなく、両方・全体を含めた大きな絵をみるように、ゆっくり眺め、なにかを感じ、考えてほしい、ということではないだろうかと思いました。
スペイン映画ならではのあたたかさと、現代社会への問題提議を秘めた味わいある映画だと思います。
自然を取り戻す!
日本はビルトアンドスクラップを繰り返してきた国。
自然を取り戻すにはこう言った方法しかない。
壊しちゃ駄目だ。でも、壊したら自然を再生しなけりゃ駄目だ。
森を取り戻す。人間の為だけで無く、全ての自然の為に。
ってこの映画は語っていると思った。
人間は2000年も生きられないって事かなぁ。
【樹齢2000年のオリーブの樹が祖父の農園から引き抜かれ、ドイツ・デュッセルドルフの企業のイメージシンボルになった事実を知った孫娘の取った行動】
ー愛着ある樹齢2000年のオリーブの樹を求めて、スペインのバレンシアからドイツへと向かう孫娘と仲間たちの旅を描いたロードムービー。ー
祖父の意思に反して、父親が売却した樹齢2000年のオリーブの樹を取り戻すために孫娘ルイスが取った行動と気概に打たれた作品。
スペイン経済の現実を描き出しつつ、仄かな未来への希望が感じられる。
コメディ要素を絡め、現在の国家間経済格差も描き出している、小品だが記憶に残る作品である。
<2018年8月13日 酷暑の旅先のミニシアター、京都シネマにて鑑賞>
オリーブのテロリスト
子供のころよく遊んだオリーブの老木が売られてしまった。
主人公はドイツにあるこの木を返してもらおうと企む。
無茶苦茶な話なのだが、最後は当然だと思う。
スペインからドイツへ
スペインとドイツの空気感が違うなあ。建築も街並みも異なるなあ。それはあたりまえなのかな。それぞれの国、地域がその土地の個性を大事にして誇りをもっていてほったらかしにしないのがいいと思う。街並み位は民間任せにしないで欲しい、日本も。
べつにオリーブでなくても...あまり心に響かない映画
スペインの土と空気を感じさせるショットが多く散りばめられ、映像としては楽しめた。
うーむ。スペインの人はあんなに興奮しやすいのか?。そして店では噂好きなのか?いずれにせよ、主演のアンナ・カスティーリョを魅せるための作品となっていた。可愛くて魅力的ではあるが、あまり演技が上手いとは思えなかったが....。
それにしても邦題は説明し過ぎ。題名が映画の全容を示さないといけない、という使命感があるのか?と思ってしまう。
設定としてはナシではない。 残念なのは周辺の声にもあるように、主人...
設定としてはナシではない。
残念なのは周辺の声にもあるように、主人公の女の子に感情移入するだけの要素の乏しさが否めないこと。
オリーブの木と無言の老人による神秘性への依存だけで引っ張るにはやや説得力に欠けてしまったこと、また主人公の抜毛など病的な部分の描写に乏しい部分は物足りなさを覚えさせ且つ評価に及ばない事由だろう。しかし一方でロードムービーの布石は踏襲していると感じられた。
なんだかな…
わがまま孫娘の勝手なおじいちゃん孝行に、これまたアホな方達が賛同して行動する、どうにもクエッションマークがずーとアタマに反芻してしまう映画でした。
こんな理論を正当化させる脚本ってなに?
これっぽっちも企業が悪いなんて思えなかった。
なかなかに深いテーマ。
叫びたくなるほど社会のたくさんの重い矛盾を正面から扱っている。実際、映画の中で叔父が叫んでいる。
そんななかでのヒロインがとってもキュート。今までのところ、今年のベストヒロイン。
悪者は一人も出てこない。誰しも生きるのは大変なんだ、ということか。
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