「今の課題がたくさん詰まってる」オリーブの樹は呼んでいる redirさんの映画レビュー(感想・評価)
今の課題がたくさん詰まってる
樹齢2000年のオリーブの木が伐採され、いろいろなところに移植されたという。
スペインの話。
おじいさんと孫とオリーブの木。
オリーブの木は呼んでいるというタイトルが陳腐だが、おそらく原題スペイン語のタイトルは英語ならthe oliveなのだろう、それはそのオリーブでしかなく、おじいさんが取り結んだオリーブとの関係は、我と汝の関係ではないか。
木を切り薪にした家もあるという。
樹齢2000年の、地球の歴史を見てきたオリーブの木は中国やドイツやいろんなところに運ばれたという。
金持ちと持たざるもの。
オリーブ農園から絞られるより安価な油が出回りオリーブ林を維持できないこと
腐敗した政治経済のシステム
大企業や国によるグリーンウォッシュ
児童や女性への暴行、性加害、そのために生じるトラウマ
格差、、、同じEUでもスペインのオリーブ林の人はドイツに気後れするしオリーブの木といったら木の命どこほか人の命も軽んじられているパレスチナのことも思うだろう。
おじいさんは、木を切り売ることを決めた息子に、このオリーブは自分のものではないという、これは今の世界での考え方、地球上のもの、自然、資源全て地球から借りているもの、未来から借りているものということを、おじいさんは生まれた時から育った土地でしっていて、その木を怪物、アニミズム的に愛する孫、少女もまた体得していたのだろう。でも仕事とかお金とか家族食べさせるとか、くだらないけどのっぴきならないことがついてまわるのだ。
おじいさんを理解することなく日々の暮らしに翻弄されてきたお父さんは、自分を恥じる。
自分を恥じる ということを忘れがちな今。
泣けた。
私が食べているオリーブの油や実はどこからどのように来ているのか。こちらも貧乏人で手間暇かけたちゃんとしたオリーブオイルをいつも買えないかもしれねいけど、買う前にthe oliveのことを考えようと思う。