メッセージのレビュー・感想・評価
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難しいけど好き♪
ヴィルヌーヴ監督作品は不穏な空気感と撮影の仕方が好きです♪ 難しい内容もありますが、「訳わかんねえよ、何だこれ」とはならずに(笑)、「また1本、ヴィルヌーヴ監督の作品が観れたなあ」という気持ちになれます(^-^)
未知なる異星人の言語と概念の解明というアプローチ
未知なる異星人の言語と概念を解明していくというアプローチが斬新ですね。
初見ではちょっと難解ですが、時間や言語の固定概念を壊して理解できたらとても面白い映画だと思います。
リピート観賞をするとより楽しめるかもしれません。
魅せる作品だが設定に矛盾は無いのだろうか?
2回目の鑑賞だったので、
時間のトリックへの驚きは無かったが、
今度は何か「いま、会いにゆきます」に
似ているな、と思いながら観た。
辛い運命と知りながらもその未来を選択する
というのは、「いま…」と同じ設定だ。
「メッセージ」の原作の方が古いので、
市川拓司はこの本からヒントを得て
「いま…」を執筆したのかもしれないと
勝手に想像した。
ただ、
「メッセージ」の死ぬ運命にあるのは
自分の子供であるのに対して、
「いま…」の場合は自分自身という
基本的な設定が異なる中、
「メッセージ」の原作では、
どのように表現されているか分からないが、
映画同士の比較では、
出産することになっている子供に会いたい、
一時的でも生活を共にしたい、
との気持ちを重層的に表現出来ている分
(「メッセージ」の方はSF要素のストーリー
展開に時間を割かざるを得ないためか、
その描写へのウエイトが低い感じ)、
「いま…」の方が感動出来た。
それでも、この映画、SF・時間
・コミュニケーション・ラブストーリー
の各要素を融合し
エンターテイメントとして
仕立て上げられた魅力的な作品だった。
しかし、
話の設定そのものに疑問は残る。
もし主人公がヘプタポッドのように
自由に時間を知覚移動出来るということは、
彼女の人生のみならず、
世の中の運命や未来が
既に決まっているからこそ出来ることで、
そうなると、主人公の地球を救う行動や
ヘプタボッドの3000年後に
人類に救ってもらうための来訪そのものに
意味はあるのか、
ということにならないのだろうか。
私には、
未来とは全くの白紙・未定な世界で、
だからこそ現在の行動に意味があるのだ
としか思えないのだが。
今後30年のSF映画を切り拓いた感。
2001年の果敢な読替え。
本作、ゼログラ、イタステラが今後30年のSF映画を切拓いた感。
曼陀羅草書は私も解らぬから良し。
こんなに抽象的概念的企画が通る米国のスゴみ。
陰鬱才媛の好演も大。
1回目の鑑賞
では正直
?
と思ってしまうことがあった。
何回か見ると違う視点でも見れてこの映画の真価を理解できるのかな。
実際初鑑賞でも物語のまとめ方、見せ方のうまさ、そしてメッセージ性を感じることはできた気がする。
邦題がぴったりきました。
「言葉」は武器、「輪」は繋がり
自分はSFも好きですし、人間ドラマも好きです。
その好きな2つの要素を見事に融合させてくれた作品。
宇宙船が突然地球に来る設定はかなり王道で数多いですが、「インデペンデンスデイ」や「第9地区」のようなスリラー映画ではなく、「エイリアンが何のために地球に来たか」を解き明かす物語。
そういった物語はありそうで無かったので、初めて観たときは新鮮でした。
スリラー映画では無いものの、ヘプタポットと名付けられたエイリアンとの交信シーンは緊張感があります。
普通、得体の知れない生物を前にしたら誰もが怖いと感じると思います。
もちろん自分もそうです。
それを、俳優の演技や音楽で感じとれて映画の世界に入ったような映像体験をさせられます。
そして、徐々にヘプタポットとやり取りが進んでいきますが、その様も本当に面白いです!
特に初めてヘプタポットの「文字」が現れた時は、SF好きである僕としては非常にワクワクドキドキです!
その「文字」についてですが、
人間のように横に並べるわけではなく、輪を形成するように並べられるのですが、よくこんなアイデアを思い付いたと感心させられます。
「輪」である理由についてもちゃんと理由付けがされていて、あらゆる概念やヘプタポット自身の感覚に基づいているものであるので、非常にリアルです。
「輪」というのは繋がりだと思うんです。
最初と最後の文字が繋がるだけでなく、ヘプタポットと人間の交信することで生まれる繋がり、そこで起こる人と人との繋がり、過去と未来が一つになる繋がり
この映画はある種色々な「繋がり」で出来ている内容であるのかも知れません。
また、ヘプタポットの鳴き声も独特ですが、低音で鳴くので現実の生き物のように感じます。
そうした設定もあってか、まるで本物の宇宙人とやり取りを本当に人間がしているかのような、一種のドキュメンタリーを観ているようにも感じます。
フィクションという感覚を何度も忘れさせられました!
そして前述でも書いた通り、この映画は言語学者ルイーズの内面や、その周りのやり取りを描くヒューマンドラマでもあります。
また、この映画の原作小説の名前は「あなたの人生の物語」です。
宇宙人とやり取りを交わすSF作品でありながら、人生について考えさせられる作品です。
僕は、アニメ映画「さよならの朝に約束の花をかざろう(以下、さよ朝)」を観たときに、あるテーマがこの映画と非常に似ている事に気が付きました。
それは「自分の人生を受け入れること」です。
「さよ朝」はこれまでの人生を主人公が受け入れる物語ですが、
「メッセージ」はこれから先の人生をルイーズが受け入れる物語です。
その人生がどんなに辛いものであろうと、それを肯定的に受け入れられる事こそが"幸せ"の一つなんだとこの2つの作品から教わった気がします。
そして、この映画にはある種「世界平和」への願いも込められていると思います。
この映画での結末を現実でもやろうとすると非常に難しいとは思いますが、そうなったら良いなと思わせてくれます。
"言葉"は武器です。
伊藤計劃の小説「虐殺器官」では"言葉"が世界を滅ぼす武器として描いてましたが、メッセージは真逆です。
「人と人が繋がり合う」武器にもなるのだと再確認させられました。
以上のように、この映画には様々な"メッセージ"が込められています。
何年先もこの映画とその"メッセージ"を大切にしていきたいです。
「なぜあなたは地球に来たの?」
・やさしい映画。
・嘆くな悲しむなと背中をさすってくれる。
・宇宙人は娘なのではないかという説
・なんでもないシーンが確信的なのかもしれない
(将来の夫婦が自己紹介したり、歩くのを教えたり)
・「なぜあなたは地球に来たの?」という言葉は、娘に問いかけても意味がある
・冒頭のシーンが未来であるという映像のトリック
・シャン上将の改心のシーンがなぜか泣きそうになる
・いまこの瞬間の行動は未来にしか作用しないと思われているのが現在の地球文明
・未来だけじゃなく、過去にも影響を及ぼす世界が来る
・時間が直線的な二次元じゃない世界が来る
・坂本龍一の言っていた、「複数の時間軸を同時に流す音楽」ということ
・直線的で二次元的な時間軸を壊そうというトレンドが表現の世界であるのかもしれない
・未来を提示してくれた映画
言語とは、時に武器にもなる
素晴らしいVFX、奥深い構成、演技や音響、カメラワーク…
見るものを魅了する美しくも不気味さを内包した作品です。
あっという間に宇宙人の言語解読しちゃう主人公には多少ご都合主義が見えるが
尺があるからね。しょうがないね。
主人公はが時おり見せていた夢の映像にはしてやられました。
そっかー…独身って最初に言ってたよね良く考えたら…。
なるほどねぇ…いや、見事。
メッセージとは武器でもあり、抑止力でもある。
タイトルの意味も深く、非常に心に残る作品でした。
ただ3000年後はさすがに長すぎちゃう?
君たちは時間の概念無いからってさぁ…
次はもうちょい近い時に来てくれよな!
未知との交流
ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカーと有名俳優を脇に並べたが、存在価値が薄い。
主演のエイミー・アダムス、一本勝負?での潔さが欲しかった。
あの物体がドウ?よりも、異星人のヴィジュアルの方が残念だった。
中国の見切り発車、ラストにフォローは入れながら、政府や軍など、国家が過ちを犯す描かれ方はいつの時代も変わらない頭の悪さ。
時間・言語・未来を読む、全体的な雰囲気を含め地球版「インターステラー」的なパイロット版みたいな!?
この監督の作品は他に何本か観ているが、本作を含めクリストファー・ノーランの二番煎じ感がプンプンする。
僕らの人生の物語として
この映画の原作タイトルは「あなたの人生の物語」。
映画の原題タイトルは「アライバル」。
邦題タイトルは「メッセージ」。
結構、苦労の跡が窺える。
原作タイトルにSF的なイメージがないからだろうか。
僕は、この原作の大ファンだ。
文庫本でたかだか100ページの長さだが、これほどSF的で、緻密な構成や発想の転換が盛り込まれていて、更に、哲学的…、どちらかというと仏教に近いような宗教哲学的で、また更に、僕達ひとりひとりに向けたメッセージが多分に含まれでいる物語に出会うことはなかなかないからだ。
そして、映画。
この短くも偉大な原作をどのように映画として昇華させるかについて、表義文字の表現から、エンディングに追加されたストーリーまで、かなり思考を巡らせた跡が感じ取れる。
宇宙人・ヘプタポットの表義文字。
これは、僕達の表音文字や表意文字とは、異なり、時制がない。
つまり、過去、現在、未来がないのだ。
映画として、どのように映像表現するかに興味を持ったが、ループ状で、なるほど、物事には原因と結果があって、それは密接に関係しているという表現なのだと思った。
そして、ルイーズがこの表義文字の理解力を身につけるにつれ、獲得する意外な能力が、ルイーズのヘプタポットとのやり取りと、プライベートのエピソードが交互に語られる構成の意味の重要性を示していることに気がつく。
ネタバレのようになるが、原作のテーマは、「人は、自らの運命を仮に知ったとしても、それを受け入れて生きていくのだ」ということだと思った。
しかし、僕達は今、僕達の運命を既に知っているわけではない。
だからこそ、今をより良く生きることで未来がより良くなる可能性が大いにあるのだと、逆説的に示しているのだと感じた。
そして、ある意味、この哲学的なメッセージに対して、この作品がSF映画であることを前提に、あのエンディングに繋がるのだと思った。
僕達は何ら僕らの世界の運命を知っているわけではない。
だから、今(現在)考えて行動することに意味があるのだ。
過去は現在に繋がる。
しかし、より良い今が過去になれば、その次の今や、その先の未来がより良くあることは可能なのだ。
分断や対立、紛争、差別、そして、環境の問題など山積する問題について、想いを馳せ、行動することは可能であるはずだ。
SF映画や小説では、宇宙人は、どちらかというと人間にとって脅威として描かれるケースが散見されるように感じるが、地球人が先見性を身につけ、平和を希求する方が、宇宙人にとってもより良い宇宙への標なのだということかもしれない。
僕が映画のレビューを書き始めるよりも前、三年近く前の公開作品だ。
記憶を辿りながらレビューを書きました、
ただ、原作があまりに好きすぎるので、マイナス0.5にさせて下さい。
新感覚SF!!
この映画は言語の意味、人との繋がりがテーマで一見壮大な話に感じるが、実は家族や愛などの身近な話だ。エイリアンと分かり合っていく様は赤ちゃんと話すようなものでとても説得力があった。最後にはどんでん返しもあり、新鮮味を感じる映画でした。
SFを騙る個人的な未知との遭遇
宇宙人がやってきた!
「インディペンデンスデイ」みたいになるのか!
はたまた「第9地区」みたいか!
いやいや、ホークアイがいるから「アベンジャーズ」的な展開か!
なんてテキトーな事考えながら観てたらとんでもない。物凄い個人的な話だったという巧妙な構成。
ちょっと今回も構えて観ましたが、
さすが変態ビルヌーブ監督(誉めてます)。
正直言って、宇宙人の造形てどの作品観てもガッカリで、コレも御多分に洩れずガッカリ。
(因みに一番ガッカリだったのは「サイン」)
それよりも斬新だったのは、宇宙人との交渉。
今迄の作品では、最初っから英語が通じちゃったり普通に会話してたりと、ロシアのスパイが英語話すくらいの違和感(「レッドスパロー」の所為、若しくは「スターリングラード」)を感じてはいた。
今回は宇宙人とどうやって交渉しようか、という所が素晴らしい。いきなり英語分かるでしょ?的に話さない。こっちは英語を話します。そちらはどーやって意思疎通しますか?と、あたかも未開の地で先住民族と遭遇した時(「イソラド」の所為)みたいに丸腰をアピールしていくのが、コレが正しく未知との遭遇だ!、と唸らされた。
そこから言語学者の本領発揮。宇宙人の表す何かを解読していく所はもう少し詳しくやって欲しかったが、互いの意思疎通が出来ていく所とかホントに素晴らしい。
その後、冒頭からのフラッシュバックのネタバラシの意味が分かった時、あんな能力ないから共感は出来ないけど、宇宙人との話でそのオチはビックリ。見事でした。
運命なんて分かっていても、物事に偶然なんてない。
全てが必然。
でも必然で宇宙人に会うなんて、怖いけど羨ましい。
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