メッセージのレビュー・感想・評価
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悪くはないが、何も残らない
昨夜は映画『メッセージ』を観てきました。
言語学者が文字でコミュニケーションを取ろうとしたり、ラストでなるほどそういうことだったのかと納得できるなど、設定もストーリーも個人的には面白かったが、衝撃だとか感動だとか、そんな雰囲気ではない。
なんだろう、特にここがダメってところは無いが、あまり印象に残らない感じ。
決して悪くはないのだが…。
予告編を観て期待した人が多かったようで、レイトショーにしては珍しく、空席が少なかった。
【鬼才ドゥニ・ヴィルヌーブが頭角を現した記念作。SF作品としても秀逸な作品。】
SF映画としても、ハイレベルの作品。
テッド・チャンの「貴方の人生の物語」(面白き、いままでにないテイストの小説:最近、頻繁に足を運ぶ本屋で面だしで置かれていて、”分かってるじゃない”と思ったなあ)に目を付けた所や、”ヘプタポッド”と呼ばれるそれらの見せ方も良かった。
言語学者ルイーズ(エイミー・アダムス)と物理学者イアン(ジェレミー・レナー)のそれらへのアプローチ方法も視覚的にも面白く、静かに物語は進むが飽くことがない。
その描写を支える、劇中の音楽(効果音)も秀逸である。
ドゥニ・ヴィルヌーブ監督のこの作品からのステップアップは、まさにアメリカ映画界のシンデレラストーリーだろう。
が、それは彼の実力に裏付けされているのは、今作を観れば分かる事である。
<2017年5月19日 劇場にて鑑賞>
語学SFという新境地
宇宙人と語学教授の交流を描いた話。
宇宙人といえば火力満点アクションを想像するけど
今作は火力ゼロ。
宇宙人の言葉を訳すのがメインテーマという
なかなかないSF映画だと思った。
宇宙人の言葉を分析する様は
慣れ親しんでない世界で面白かった。
それだけだとうーん。って終わるけど
時折出てくる謎の映像の謎解きもあって
最後まで見入ってしまった!
しかし大きな驚きはなかったので残念。
原作読めばすごく面白そうですね。
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自宅にて鑑賞。原題"Arrival"。所謂ファーストコンタクトもので、大きなネタバレをするなら次元や時空を自在に操る存在が登場するループした物語──これだけ聴くと、『コンタクト('97)』や『インターステラー('14)』辺りを想起するが、本作は冒頭からミスリードを誘うトリックが仕掛けてあり、一見錯綜する様な作りに翻弄され、後半迄殆どそれに気付けなかった。画面や表現が詩情的で個性的ではあるものの難解ではない。ただそもそも“ヘプタポッド”が出現しなければ、混乱は無かった筈で、その点に矛盾を感じた。65/100点。
・本作のもう一つ大きなファクターとしてコミュニケーションがある。同じテーマとして『バベル('06)』と比較してみると違いがよく判る。『バベル('06)』では、言語を通し分断され混乱して行く様を通し、意思疎通の難しさが描かれている。一方、本作では“ヘプタポッド”の円形の表記法(文字)が象徴する様に疎通や伝達が理路整然とし、閉ざされ、円滑で簡潔に以心伝心が図れており、ループする物語と相俟って、或る意味完成された印象を受ける。
・製作時のワーキングタイトルはT.チャンの原作『あなたの人生の物語 "Story of Your Life"』であったが、テスト試写の際、ウケが悪かったので『メッセージ "Arrival"』に変更された。原題では何が到着・到来したのか、何に到達したのかと思巡すると趣深いが、その意味で邦題は相変わらずニュアンス違いで、ピント外れに思える。亦、運命論や宿命で本作を計ると、解釈が胆略的で簡潔になる反面、本作の持つポテンシャルや魅力が半減するのではないだろうか。
・劇中に登場するネーミング、“アボット”と“コステロ”とは、'40年代~'50年代に活躍したバッド・アボットとルウ・コステロによるお笑いコンビで、“凸凹”シリーズとして23作の映画に出演、'60年代には二人を主役にしたTVアニメも製作されている。T.チャンの原作では“フラッパー”と“ラズベリー”と名付けられている。尚、イタリア版では、“トム”と“ジェリー”に替えられており、途中言及されるシーナ・イーストンもピンク・フロイドに変更されているが、孰れもイタリア国内の知名度を考慮しての判断らしい。
・音楽のJ.ヨハンソンは過去に『プリズナーズ('13)』、『ボーダーライン('15)』で監督と組んでおり、本作では監督の意向で、本篇撮影前に劇中曲の録音を始めている。このコンビは最新作『ブレードランナー 2049('17)』でも四度、タッグを組んでいる。
・ループと云えば、登場する“ハンナ(T.チャンの原作には名前が無い)”が回文(Hannah)になっているが、“イアン・ドネリー”を演じたJ.レナーのファミリーネーム"Renner"も回文を成している。
・“ヘプタポッド”の乗る艦のデザインは、実在する小惑星“15エウノミア”が元になっている。これは監督が奇妙で不思議な卵の様なフォルムに惹かれ、脅威と謎を感じさせるとして採用された。T.チャンの原作では“ルッキンググラス(姿見)”と名付けられ、米国だけで9隻、世界中に112隻も出現する。尚、栗山米菓のスナック煎餅菓子“ばかうけ”との類似は偶然である。
・A.アダムス演じる“ルイーズ・バンクス”がホワイトボード上に、何処から何を目的に来たかと書く真上には、エントロピーの有名な公式が見える。T.チャンは、A.アインシュタインの「過去・現在・未来の区別は単なる幻想にすぎない "The distinction between the past, present and future is only a stubbornly persistent illusion."」と云う名言を、常に念頭に置いて原作を書き上げたと云う。亦、T.チャンによると、そもそも本作は、変動原理とフェルマーの原理(最小時間の原理)にインスピレーションを得て、創作したと語っている。
・本篇に登場するヘルメットは、サンストローム社製の呼吸用保護具ユニットを改造したものを使用している。亦、監督の娘サロメ・ヴィルヌーヴ(Salome Villeneuve)は、化学防護服のスペシャリスト "Hazmat Suit Specialist"としてクレジットされている。
・鑑賞日:2017年6月11日(日)
今を大切にしたくなる映画
宇宙人と意思疎通を図る。
原題Arrival
静かで良質なSF映画。
未知との遭遇系話に外れはない。SFという現実から外れた分野ながら、ストーリーに論理的破綻は無く、シチュエーション映画として、淡々と話が進んでいく。
しかし内容は情熱的。宇宙人はあくまでオマケで、人の生き方についての物語だ。今を大切に生きる、当たり前なそのメッセージが心に響く。人の在り方が変わっても、結局生き方は変わらない、大切なのはそれをどう感じるか、と。
時間の無駄だった!!
緩急がなく退屈で、良く分かりませんでしたが、考察を読んだり、最初からまた観ようという気持ちにもなりませんでした。普通の面白い映画とは少し違って、分かった俺スゴいと、ひけらかしたくなる要素が何かあるのだと思います。
言葉では言い表せられない
コミュニケーション、時間、未来、科学、未知の存在の出現によって、それらの概念が揺らぎ始める。
映画としての映像、音楽のクオリティも相まって常にフワフワとした無重力のような「なんだかよく分からないけど気持ちいい」という感覚に陥る。
この手の作品は考察が溢れかえるはずなので、読み漁って、理解を深めるとする。
な、なるほど!
黒ーい謎の物体。
何か起こりそうな、、、ん?起こらないのか?w
未知の生命体とのコンタクトをとる緊迫したストーリー。その中でフラッシュしてくるヒロインの記憶。
離婚、そしてかわいい娘が幼くして死んじゃう。
物語のラストで『記憶』でなく『未来』であることが判明!その瞬間この映画の良さに気づいた✨
最上のミステリー / 伏線が回収される快感と涙
なんでだろう。
ルイーズが持つ『武器(weapon)』が明かされた瞬間から、涙が止まらなかった。
娘の記憶は、いつのものだったか。
娘の父が、誰なのか。
ルイーズと夫が、動物の番組を司会するという意味が。
無論、異星人の言語を理解しただけで、時間を越えられるという理屈には飛躍がある。
ただ、ちょっとの飛躍なしにSFは描けない。
それ以上に、先が読めないミステリー、何が謎かさえもわからないミステリーとしての醍醐味があった。
涙の理由はよく分からない。
ただ、幼くして死ぬ娘の運命を知った上で、娘を産み、育てていく勇気を、持てるだろうか。
娘に希望を与えながら、育てられるだろうか。
そこに、深い母の愛を感じたからかもしれない。
P.S. 難解との評判のみ聞いてたけど、プロットは巧妙であるものの、極めて分かりやすくシンプルでした。
序盤の手際は素晴らしいが絶妙に惜しい
早稲田松竹の最終日へ
金曜とはいえ雨のわりには客入りは八割くらいで盛況
序盤は恐ろしくテンポが良く、併映の「パーソナルショッパー」を大差で抜き去るものの、宇宙人の言語が謎すぎる件が主人公の前に立ち塞がると、映画のテンポもダウン。
そこからちょいちょい情報の小出しはあるものの、さんざんお預けくらったまま終盤に突入。
そうやって観客をパンパンに我慢させた割には大きなカタルシスはなく、まあ、さんざん擦られてきたファーストコンタクトものにしてはビジュアルやCG、音楽などは魅力的で、雰囲気あったよね…という印象に終わる。
ハードなSFでありながら子供が重要なモチーフで、オチは号泣(人によっては)という部分がどことなく「インターステラー」を想起させるので、あれが好きな人には楽しめるのでは。
原作は未読だがおそらくかなり抽象的、哲学的で奥行きの深い作品と思われるので、読んでいたらもっと楽しめたのかも知れない。
序盤のわかりやすい宇宙人襲来→コンタクトを試みる、という流れがあまりにスムーズなので、そこに乗っかってしまうと、終盤になるにつれ正体を表すその抽象的「メッセージ」についていけなくなる。そ、そもそも映像化が難しいネタだったんだな。
これシリーズもののが良いんでは? というのはないものねだりとしても、ネタに対して2時間弱という尺は、ちょっと足りないと思う。
尺を伸ばすのは無理でも、序盤で圧縮した尺を中盤で空費している印象があるので、せめてもっと早くにネタを割って、最終的に主人公がなにを選ぶのか、その決断への過程に焦点を絞ってくれたら、もう少しストレートに感動できたと思う。
編集でカットされたのかも知れないが、肝心の謎の言語を解明するくだりがオフになっていたり、削るとこはそこじゃない! と思った。
せっかく雰囲気や演出、キャストも良かったので、ものすごく惜しい感じ。
ただ、つくづくこの監督はエンタメ志向じゃないんだなと思い知ったおかげで、「ブレードランナー2049」は思ったより楽しめた。
私には良さがわからなかった。
理解しきれていないところがあると思う。原作を読んだこともないから。
でも、時間の流れが過去と未来という方向性を失っているという思考実験だとしたら、なんだか人間味に欠けていたように思う。エイリアンがどうしてやって来たのかも、映画を見ただけではよくわからない。
やはり、原作を読んでいる人だけを対象にしているわけではないのなら、映画を見ただけである程度理解できるようなつくりにすべきではなかったか。
思わせぶりなだけに、最後まで見て拍子抜けした。
言語は思考を規定するか!?
多分、ルイーズが話した言葉の
中にあったと思うのですが
「サピア-ウォーフの仮説が~」と聞こえてきました。
実にさりげなく
しかし、重要なひと言で
これがこの映画のモチーフのようです。
ざっくり言えば
「言語が思考を規定する」
これがサピア-ウォーフ仮説。
つまり、
未確認生命体が使っていた
文字というか言語を習得することが
彼らの思考を獲得することになる。
彼らの思考は
時間の観念の前後関係を
超えたものである。
したがって、
これを習得したルイーズは
未来を見通す能力を得ることになった。
もう一つ
ルイーズと娘の会話が気になります。
娘「お互いが得をすること、なんて言ったっけ?」
ル「ウイン、ウイン?」
娘「違う。数学で使うような言葉」
しばらく後に・・・
ル「○○○ね」(○○○の言葉は忘れました)
この○○○も、学術的な言葉。
きっと、これもキーワードなんでしょう。
もしかしたら、このコンタクトが
未確認生命体と人にとって
ウインウインである、という意味?
だとしたら、未確認生命体は未来の人類?
その○○○は、
そもそも、イアンがルイーズに言った言葉。
つまり娘は過去からその言葉を聞き取った?
粘土で作っていたものも
クレヨンで絵に描いていたものも
そういえば、父と母にまつわる過去の出来事。
だとすると、
母は未来を知る力を得て、
その娘は過去を知る力を備えて生まれてきた。
いたる所に
メッセージが隠されている、
それが、この『メッセージ』。
ルイーズは
3000年先の人類の危機を救う役割をになう。
と同時に
やがて産まれてくる
我が子の死も悟ることになる。
そうした能力と運命を
受け入れて
ルイーズは生きていく決意をする。
なかなか巧妙なストーリーを
楽しむ事ができる映画です。
ただ、
未確認生命体が使う文字が
表音文字ではなく
概念を直接、形に表している
とのことでしたが
それはほとんど、表意文字。
漢字のことじゃん!
などと思う次第です。
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