メッセージのレビュー・感想・評価
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今後30年のSF映画を切り拓いた感。
2001年の果敢な読替え。
本作、ゼログラ、イタステラが今後30年のSF映画を切拓いた感。
曼陀羅草書は私も解らぬから良し。
こんなに抽象的概念的企画が通る米国のスゴみ。
陰鬱才媛の好演も大。
1回目の鑑賞
では正直
?
と思ってしまうことがあった。
何回か見ると違う視点でも見れてこの映画の真価を理解できるのかな。
実際初鑑賞でも物語のまとめ方、見せ方のうまさ、そしてメッセージ性を感じることはできた気がする。
邦題がぴったりきました。
SF感が薄い
主人公のハンクス博士が、自分の未来予知能力に気付き、
悲しい結末を受け入れる人生を選択したと思うのですが、
割と理解しやすく作られていたと思います。
大佐は軍の部下の爆破暴走を防がないと・・・宇宙戦争になるのに。
昔見た
■『メッセージ』をみた印象
SF映画というとスターウォーズとか宇宙人とかそんな印象しかありませんでしたが、本作品は広告でも銘打っているように「ヒューマンドラマ」でした。突如飛来した宇宙船、困惑する人間。そこに派遣される2人の学者。この学者が主人公です。2人を中心として様々な人間模様を描いています。だけどね、僕は感動なんてしなかったんですよね。でも下記述べる観点で素晴らしい映画でした。こうした点を考えられた点で僕にとっては価値ある作品でした。以下完全に私見です。
■『時間』と『言語』
この作品でいいなと思ったのは、2人の学者が文系と理系だった点です。彼らは宇宙人とコンタクトを図るためにさまざまな手段で接触します。その過程ででてくるのが「未知の言語」と『時間』に対する考察です。こういうと難しい印象を受けるかもしれません。簡単に言えば、大したことはありません。『言語』は日本語、『時間』は時計です。そんなもんです。本作品ではこの二つが大きなテーマになっています。どちらの文字も言葉にすれば「文系」の領域ですが、分析するとなるとそれは「理系」の問題です。共通点や法則性さらにはその意味に至っては計算式が必要になることもあります。太古の人の時間感覚をつかむことは光の速度などの認識を相互に定義づけなどを行い対比する必要も出てくるでしょう。そうすると、そこから数字を文字にする、説明するとなると文系の領域にもなります。その定義づけされた言葉を解釈する必要がでてくるからです。
映画を見ている最中にこんなことを考えていました。本編では上記のことがあまりフォーカスされていませんでしたが、そこが見事に描かれていました。昨今では「文系」「理系」で差別される印象もないとは言えません。文系と理系は違うというのは性別問題とも重なります。実際はどちらも解釈の仕方が違うだけなのです。僕の好きな言葉があります。
文系も理系も対象物は同じ
一種の球体を別の角度から眺めているに過ぎない
本作品でもこうした解釈に大筋沿っていたのではないかと思いました。単純な感動ドラマではなかったのが僕にとってはうれしかったです。ラストも結構いい感じでしたが、俺は宇宙人の意図があまりにインパクトはないけど、なんか「好き」って思いましたよ。
タイトルなし
地球外生命体とのやり取りを探るうちに未来を見通す力を備えたエイミー・アダムス。ジェレミー・レナーと結婚し、いずれ亡くなってしまう娘を授かり、ジェレミー・レナーも出ていってしまうとわかりながらも、その人生を受け入れる。未来を見透せるのはエイミー・アダムスだけなのはなぜだろう?共感できなかった。
「言葉」は武器、「輪」は繋がり
自分はSFも好きですし、人間ドラマも好きです。
その好きな2つの要素を見事に融合させてくれた作品。
宇宙船が突然地球に来る設定はかなり王道で数多いですが、「インデペンデンスデイ」や「第9地区」のようなスリラー映画ではなく、「エイリアンが何のために地球に来たか」を解き明かす物語。
そういった物語はありそうで無かったので、初めて観たときは新鮮でした。
スリラー映画では無いものの、ヘプタポットと名付けられたエイリアンとの交信シーンは緊張感があります。
普通、得体の知れない生物を前にしたら誰もが怖いと感じると思います。
もちろん自分もそうです。
それを、俳優の演技や音楽で感じとれて映画の世界に入ったような映像体験をさせられます。
そして、徐々にヘプタポットとやり取りが進んでいきますが、その様も本当に面白いです!
特に初めてヘプタポットの「文字」が現れた時は、SF好きである僕としては非常にワクワクドキドキです!
その「文字」についてですが、
人間のように横に並べるわけではなく、輪を形成するように並べられるのですが、よくこんなアイデアを思い付いたと感心させられます。
「輪」である理由についてもちゃんと理由付けがされていて、あらゆる概念やヘプタポット自身の感覚に基づいているものであるので、非常にリアルです。
「輪」というのは繋がりだと思うんです。
最初と最後の文字が繋がるだけでなく、ヘプタポットと人間の交信することで生まれる繋がり、そこで起こる人と人との繋がり、過去と未来が一つになる繋がり
この映画はある種色々な「繋がり」で出来ている内容であるのかも知れません。
また、ヘプタポットの鳴き声も独特ですが、低音で鳴くので現実の生き物のように感じます。
そうした設定もあってか、まるで本物の宇宙人とやり取りを本当に人間がしているかのような、一種のドキュメンタリーを観ているようにも感じます。
フィクションという感覚を何度も忘れさせられました!
そして前述でも書いた通り、この映画は言語学者ルイーズの内面や、その周りのやり取りを描くヒューマンドラマでもあります。
また、この映画の原作小説の名前は「あなたの人生の物語」です。
宇宙人とやり取りを交わすSF作品でありながら、人生について考えさせられる作品です。
僕は、アニメ映画「さよならの朝に約束の花をかざろう(以下、さよ朝)」を観たときに、あるテーマがこの映画と非常に似ている事に気が付きました。
それは「自分の人生を受け入れること」です。
「さよ朝」はこれまでの人生を主人公が受け入れる物語ですが、
「メッセージ」はこれから先の人生をルイーズが受け入れる物語です。
その人生がどんなに辛いものであろうと、それを肯定的に受け入れられる事こそが"幸せ"の一つなんだとこの2つの作品から教わった気がします。
そして、この映画にはある種「世界平和」への願いも込められていると思います。
この映画での結末を現実でもやろうとすると非常に難しいとは思いますが、そうなったら良いなと思わせてくれます。
"言葉"は武器です。
伊藤計劃の小説「虐殺器官」では"言葉"が世界を滅ぼす武器として描いてましたが、メッセージは真逆です。
「人と人が繋がり合う」武器にもなるのだと再確認させられました。
以上のように、この映画には様々な"メッセージ"が込められています。
何年先もこの映画とその"メッセージ"を大切にしていきたいです。
「なぜあなたは地球に来たの?」
・やさしい映画。
・嘆くな悲しむなと背中をさすってくれる。
・宇宙人は娘なのではないかという説
・なんでもないシーンが確信的なのかもしれない
(将来の夫婦が自己紹介したり、歩くのを教えたり)
・「なぜあなたは地球に来たの?」という言葉は、娘に問いかけても意味がある
・冒頭のシーンが未来であるという映像のトリック
・シャン上将の改心のシーンがなぜか泣きそうになる
・いまこの瞬間の行動は未来にしか作用しないと思われているのが現在の地球文明
・未来だけじゃなく、過去にも影響を及ぼす世界が来る
・時間が直線的な二次元じゃない世界が来る
・坂本龍一の言っていた、「複数の時間軸を同時に流す音楽」ということ
・直線的で二次元的な時間軸を壊そうというトレンドが表現の世界であるのかもしれない
・未来を提示してくれた映画
人類のさらなる未来をみたい
SF映画なのだか、その全編を通して漂う荘厳な雰囲気が素晴らしい。
今どきでは珍しい古典的な、たこ足の火星人が醜い雄叫びを発する。
その醜い見た目のエイリアンの発する言語のなんと美しいことか
その醜いエイリアンの、霧の中から垣間見える、その全体像は、まるで教会のキリスト像のように荘厳で神の姿を彷彿させる。
人類は宇宙から来た者達によって造られた、その創世記に現れた者達は彼らだったのかと思わせる。
こらから人類に起こる未来は描かれなかったが、あえてここで終わるのが良いのだろう。
素晴らしい映画だ。
原作を読まなくては。
言語とは、時に武器にもなる
素晴らしいVFX、奥深い構成、演技や音響、カメラワーク…
見るものを魅了する美しくも不気味さを内包した作品です。
あっという間に宇宙人の言語解読しちゃう主人公には多少ご都合主義が見えるが
尺があるからね。しょうがないね。
主人公はが時おり見せていた夢の映像にはしてやられました。
そっかー…独身って最初に言ってたよね良く考えたら…。
なるほどねぇ…いや、見事。
メッセージとは武器でもあり、抑止力でもある。
タイトルの意味も深く、非常に心に残る作品でした。
ただ3000年後はさすがに長すぎちゃう?
君たちは時間の概念無いからってさぁ…
次はもうちょい近い時に来てくれよな!
タイトルなし
映画公開時に原作を読んだ時は、短編小説としてはかなり面白いけど、映像映えしそうなシーンも2時間引っ張る程のボリュームもドラマチックな展開も無く、さらに説明シーンばかりになりそうだと心配していました。
結果、小難しく蘊蓄ばかりになりそうなシーンは幻想的な雰囲気で流し、世界を巻き込むスペクタクル要素を加えて2時間みごと観客を引っ張ってくれた作品となっていて感心しました。
スペクタクル部分は、今までの幻覚が未来に実際に起こることだと分かりやすくなっていて良かったと思います。しかし、電話番号等の入手方が、単に決まった未来をなぞっているという感じでは無かったので、ヘプタボットが未来に備えるため地球に来たように、主人公が手に入れたのは未来を改編できる予知能力になっているのかもしれません。
娘の死因が回避可能そうな転落事故から、回避不可能な難病になっていたのも、そのためかもしれません。
主人公が未来が分からないゆえ選択する視点から、決まった運命を理解し歩んでいる視点へ変化したストーリーで観たかったので、そこだけが残念です。
未知との交流
ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカーと有名俳優を脇に並べたが、存在価値が薄い。
主演のエイミー・アダムス、一本勝負?での潔さが欲しかった。
あの物体がドウ?よりも、異星人のヴィジュアルの方が残念だった。
中国の見切り発車、ラストにフォローは入れながら、政府や軍など、国家が過ちを犯す描かれ方はいつの時代も変わらない頭の悪さ。
時間・言語・未来を読む、全体的な雰囲気を含め地球版「インターステラー」的なパイロット版みたいな!?
この監督の作品は他に何本か観ているが、本作を含めクリストファー・ノーランの二番煎じ感がプンプンする。
僕らの人生の物語として
この映画の原作タイトルは「あなたの人生の物語」。
映画の原題タイトルは「アライバル」。
邦題タイトルは「メッセージ」。
結構、苦労の跡が窺える。
原作タイトルにSF的なイメージがないからだろうか。
僕は、この原作の大ファンだ。
文庫本でたかだか100ページの長さだが、これほどSF的で、緻密な構成や発想の転換が盛り込まれていて、更に、哲学的…、どちらかというと仏教に近いような宗教哲学的で、また更に、僕達ひとりひとりに向けたメッセージが多分に含まれでいる物語に出会うことはなかなかないからだ。
そして、映画。
この短くも偉大な原作をどのように映画として昇華させるかについて、表義文字の表現から、エンディングに追加されたストーリーまで、かなり思考を巡らせた跡が感じ取れる。
宇宙人・ヘプタポットの表義文字。
これは、僕達の表音文字や表意文字とは、異なり、時制がない。
つまり、過去、現在、未来がないのだ。
映画として、どのように映像表現するかに興味を持ったが、ループ状で、なるほど、物事には原因と結果があって、それは密接に関係しているという表現なのだと思った。
そして、ルイーズがこの表義文字の理解力を身につけるにつれ、獲得する意外な能力が、ルイーズのヘプタポットとのやり取りと、プライベートのエピソードが交互に語られる構成の意味の重要性を示していることに気がつく。
ネタバレのようになるが、原作のテーマは、「人は、自らの運命を仮に知ったとしても、それを受け入れて生きていくのだ」ということだと思った。
しかし、僕達は今、僕達の運命を既に知っているわけではない。
だからこそ、今をより良く生きることで未来がより良くなる可能性が大いにあるのだと、逆説的に示しているのだと感じた。
そして、ある意味、この哲学的なメッセージに対して、この作品がSF映画であることを前提に、あのエンディングに繋がるのだと思った。
僕達は何ら僕らの世界の運命を知っているわけではない。
だから、今(現在)考えて行動することに意味があるのだ。
過去は現在に繋がる。
しかし、より良い今が過去になれば、その次の今や、その先の未来がより良くあることは可能なのだ。
分断や対立、紛争、差別、そして、環境の問題など山積する問題について、想いを馳せ、行動することは可能であるはずだ。
SF映画や小説では、宇宙人は、どちらかというと人間にとって脅威として描かれるケースが散見されるように感じるが、地球人が先見性を身につけ、平和を希求する方が、宇宙人にとってもより良い宇宙への標なのだということかもしれない。
僕が映画のレビューを書き始めるよりも前、三年近く前の公開作品だ。
記憶を辿りながらレビューを書きました、
ただ、原作があまりに好きすぎるので、マイナス0.5にさせて下さい。
新感覚SF!!
この映画は言語の意味、人との繋がりがテーマで一見壮大な話に感じるが、実は家族や愛などの身近な話だ。エイリアンと分かり合っていく様は赤ちゃんと話すようなものでとても説得力があった。最後にはどんでん返しもあり、新鮮味を感じる映画でした。
SFを騙る個人的な未知との遭遇
宇宙人がやってきた!
「インディペンデンスデイ」みたいになるのか!
はたまた「第9地区」みたいか!
いやいや、ホークアイがいるから「アベンジャーズ」的な展開か!
なんてテキトーな事考えながら観てたらとんでもない。物凄い個人的な話だったという巧妙な構成。
ちょっと今回も構えて観ましたが、
さすが変態ビルヌーブ監督(誉めてます)。
正直言って、宇宙人の造形てどの作品観てもガッカリで、コレも御多分に洩れずガッカリ。
(因みに一番ガッカリだったのは「サイン」)
それよりも斬新だったのは、宇宙人との交渉。
今迄の作品では、最初っから英語が通じちゃったり普通に会話してたりと、ロシアのスパイが英語話すくらいの違和感(「レッドスパロー」の所為、若しくは「スターリングラード」)を感じてはいた。
今回は宇宙人とどうやって交渉しようか、という所が素晴らしい。いきなり英語分かるでしょ?的に話さない。こっちは英語を話します。そちらはどーやって意思疎通しますか?と、あたかも未開の地で先住民族と遭遇した時(「イソラド」の所為)みたいに丸腰をアピールしていくのが、コレが正しく未知との遭遇だ!、と唸らされた。
そこから言語学者の本領発揮。宇宙人の表す何かを解読していく所はもう少し詳しくやって欲しかったが、互いの意思疎通が出来ていく所とかホントに素晴らしい。
その後、冒頭からのフラッシュバックのネタバラシの意味が分かった時、あんな能力ないから共感は出来ないけど、宇宙人との話でそのオチはビックリ。見事でした。
運命なんて分かっていても、物事に偶然なんてない。
全てが必然。
でも必然で宇宙人に会うなんて、怖いけど羨ましい。
未来を思い出す、武器としての言語
アメリカ文学の翻訳家の朗読会で、365語の物語を訳すとき日本語にするとだいたい800語ちょっとになる、というのを思い出した
ビジネス関連でも機能言語としては日本語より英語が効率が良いと聞くし、思考が言語に依存するというのはしっくりくるし、馴染みやすいのでそれを究極に高めた能力が宇宙人からの贈り物として説得力とリアリティがあると思う
前半でしっかり宇宙人とのコミュニケーションの過程と、平行して軍人への説明も描写しているので言語学の実践と理論的な説明ができているから後半の超常的なSFトリックも自然でサスペンスの種明かしがスマート
でも最後切ないなぁ、ルイーズはこの後どんな悲劇が待ち受けるのかわかっていてもこの選択肢しかないんだね…我が子への愛は理屈じゃない、最後がわかっているからこそ最大限に娘さんとの時間を大切にできると思う
それにしてもタコ型宇宙人→墨文字でこんなにオシャレな映画ができるなんて!
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