メッセージのレビュー・感想・評価
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SFというより哲学書
恐らく、評論家の評価は非常に高いと思う。もしかしたら、あの「2001年・・」クラスに匹敵するSF映画の傑作として認識されるかもしれない。しかし、市井の一映画ファンとしては、本作は果たしてSF映画なのか?という思いを持ってしまう。
突然に、バカでかい浮遊体が世界数カ所に出現し、伝統的なタコ型宇宙人が乗船しているというからには、間違いなくSFなのだろうが、鑑賞後感としては、かなり難解な哲学書を読んだという感じだ。
SFの感じがしない理由の一つは、主人公が科学者でもなく、兵士でもなく、ロボットでもない「言語学者」であること、さらには、映画の背景が地球規模であるにもかかわらず、映画の主題が主人公の内面に大きくシフトしていること、そして何より宇宙人の目的が極めて曖昧、もしくは具体性に欠けて描かれていることだ。
勿論、それぞれは映画の中で語られてはいるが、そのとおりだとすればかなりの全体主義、統一主義であって、ちょっと納得できない。原作者が中国人であることがここではっきりと解る。
また、結局は主人公をキリスト教的な「聖人」的扱いをすることにより、収束を図っていると思われ、「メッセージ」の本質、すなわち時間軸を考え直すところの新しい観念(「文字」として具体化されている)については、主人公へ「諦念」を押しつけている感じもして、変な矛盾感を覚えた。
要するに、原作に大きく引っ張られた脚本であり、商業映画としての完成度は低いと思わざるを得ない。さらに大胆な脚色が必要だったのではと思ってしまった。
また、天才ヴィルヌーヴ監督の過去作における、あの「やるせなさ」というか、「えぐられ感」といったものが鳴りを潜めているのも残念。
「ボーダーライン」に続き、本年度ワーストか?実はごり押しドゥニ・ビルヌーブの最新作をおっさんはこう見た。
ドゥニ・ビルヌーブ
前作「ボーダーライン」を面白い、つまらない、という意味でなく、期待値からの落差で昨年のワースト1にしたのだが、今もっとも注目すべき監督であることは、その時も触れた。
この監督の作品は、ごり押し的な映像と音響、だが物語りはそれほど丁寧でなく、設定で押し切る、というような共通点がある。
それがうまくいったのが、「プリズナーズ」「複製された男」であり、悪く出たのが「ボーダーライン」と思っている。
初期作「灼熱の魂」「プリズナーズ」は特に「タブー」を題材にしたため、吸引力は必然としてあったのだが、「複製された男」については、「ミステリー」と「タイトル」で、その映像表現と省略、という名の「プラス」の演出がハマったと思う。
オレが「ボーダーライン」を評価していないのは、メキシコの現実の「設定」の上で十分成り立っているのに、余計な映像表現や暑苦しい音響効果でが煩わしく、映画が乗っていないからだった。
省略を「プラス」の演出と見るオレにとっては、「過剰」に「過剰」を重ねたわりに、根っこの味が定まっていない、という印象。
果たして今回はどうか。
「メッセージ」
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結論から言うと、本作も全くその通りの映画だった。
よくよく睡魔が襲う、退屈、とかいうレビューが見られるが、全くその通り。それは君たちの問題ではない。
単純にいびつなのだ。
そもそも、宇宙船、宇宙人とのファーストコンタクト、言語解読、という、このミステリアスなSF設定でなぜ睡魔に襲われなければならないのか。
無駄に不安をあおる音響、暑苦しい映像が、全く機能していないからだ。
ストーリーのダメさについても、後半に至っては、宇宙船への攻撃をするかしないか、のサスペンスもびっくりするほど、キレがないし、ラストの愛の告白なんても、あんたら、いつそういう関係なの?
変わることのない未来を受け入れることと、隣にいた同僚を愛するのとは違う。
The most surprised thing is meeting you. 空に浮かぶ「ばかうけ」
なんでだろう?なんとも美しい映画でした。特に刺激的な場面があった訳でもないのですが、静かな美しいSF作品といった印象です。いやー、面白かった。
宇宙人の描く文字とかホント良く考えられてます。あの円で1つの文章になってるとか良く思い付くなぁ。作った人の創造力すげぇわ。「言語が人の考え方を決定する」って事はあると思います。流石に未来を見通す能力は無理でも違う言葉を知ると物事の視点って大きく変わるもんですしね。
ルイーズは最終的に未来を見通せるようになるのですが、人生のこれからの人生が全部分かっててもイアンと結ばれて娘を作るって選択ができるのがスゴいです。劇中のセリフから想像するに、きっと将来的に離婚になった原因は娘が若くして亡くなる事をイアンに話してしまったからと思われます。未来が見える重圧に耐えられなかったから。離婚になる未来が分かってても耐えられなくなった瞬間があったのでしょう。うーん、考えれば考える程重いわ。
今作はエイミー・アダムスが出ずっぱりです。流石に「魔法にかけられて」の頃に比べると歳とった感がありますが、まだまだ美しいです。ジェレミー・レナーはアクションのイメージが強く学者役はどうかなって思っていたのですが、ほぼほぼルイーズのアシスタント・ポジションだったので逆にジェレミー・レナーっぽくて良かったです。
しかし、ロシアが中国を追随する位置づけになってるのは世界のパワーバランスが変わってしまった事を如実に表していますね。最後の亡くなった奥さんの言葉がなんだったか気になる所です。
時間が題材に組み込まれているので話が多少ややこしい感はありましたが、色々と考えさせられる面白SFでした。見終わった後に色々と考えてしまうSFは良いSF映画なのでしょう。評価が分かれるのも理解できますが、アクションなくても平気な方にはお薦めです。
さて、途中の会話にあったカンガルーの名前の由来、あの話オーストラリアに行った事がある人なら誰でも知ってるぐらいな有名な話なのですが・・・都市伝説って本当なの!?
Louise sees future=No future
Louise sees future=no future, no future, no future for you for me for us・・・
傑作だけど、映画『○○○○○○』や『○』で既視感ありありなので、ややウケ。
この類のSF作品は、謎の上帝やwiseな人orAIが現れ、
人類に契約を迫ったり、接触を試みてくる。
そして宇宙とは神とはこういうことなんじゃね?
的な展開を迎える。
できるだけ主人公のキャラ、パーソナリティ、エピソードは排除される。
なぜなら100分程度の短時間で世界観を語るのにはそんな事は不要だからだ。
ところが!
本作は、主人公の娘のエピソード!不治の病!あろうことか亡くなる!旦那は受け入れられない!別れる!・・・・
本作のメインメッセージはメインプロットはこれ!
受けいられない未来を自ら選択して乗り越える!
それこそが宇宙、神!
昭和のひとは、HANNAH ハンナをハンナ・アーレントと解読し、
平成のひとは、早すぎた人工知能チップ、ANNAと解読するのだろうか・・・
「装甲騎兵ボトムズ」も改めて再見したくなった。
原題
静かにしかし饒舌な語り口で見応え充分。幾重にも重ねられるパラドクスに混乱する人もいるかもしれません。鑑賞後に原題の意味と物語を併せて想いを巡らせ
ました。3000年後に備えます。peace!
あのSF仕立ては必要だったのでしょうか?
異星人との遭遇ものと思っていると肩透かしを喰うかも知れません。本当はそれなりによく仕組まれた心理劇だと思いますが、SF的非現実設定が出しゃばってしまい、主人公が自身の特異な才能で葛藤すると言う、作品の重要な伏線までご都合主義に見えてしまったのは私の僻目でしょうか?あの「灼熱の魂」の再来を期待していたのですが次回に持ち越しです。
厳しめに星4、というのもやはり難しい映画
観終わった後に激しい頭痛に見舞われます。なぜなら頭をフル回転させるからです。語学研究であり、主人公の中の時系列がごちゃ混ぜであるからです。ですが、音響はとても良く繰り返される音楽もどこか心落ち着くものでした。
やはりこの映画の大事なところは人生における愛です。悲劇が訪れることを知っていて、それでも子を作る主人公。なぜなら子を作ることで訪れる幸せがあって、その幸せは例え子が亡くなっても記憶として、想い出として心に生き続けるから。
町山智浩さんの解説を聴いてなかったらここまでこの映画を味わうことが出来ませんでした。ので、観終わった方はYouTubeなどにある解説動画を聴くとまた新たな見解があるかもしれません。
眠くなる映画
ちょっと期待して観に行きました
上映開始早々眠気が(笑)
所々記憶が無いです、
タコみたいな宇宙人?
でドン引きしたのかも?
タコが墨だして字を書いてる?
あの墨で書いた円を解読出来る
のは凄いね(笑)
宇宙人みたいなのがタコで
墨で字を出して書いてる
もうそれだけでこの映画がアホっぽく
て眠くなったのかも?
私はこの映画は無理でした。
あまりにご都合主義
人間は頭の中で考えるとき、言葉で考えます。そのため違う言語を学びその言葉で考えると、思考パターンや内容もその言語の影響を受けてしまうというようなことがまず語られます。そこはその通りなのかなと思います。
が、だからといって、未来を見通せる宇宙人の言葉がわかったら自分まで未来を見通せるようになるという設定はあまりにひどい!そしてそれがこの話の最も重要な部分なのだから、ただしらけるばかり。
その後も、主人公は未来のことが全部わかってるんで、危機になっても、未来に教えられた情報を使ってそれを乗り越えるんだけど、そんな設定だったら、そもそも乗り越えられることも含めて全部わかってるはずなんで、焦ることも悩むこともないはずだし、もっといえば最初から危機に巻き込まれることもないだろ!と突っ込みたくなります。
宇宙人からもらう最強の武器が言葉だってことで、この映画は、昨今のきな臭い国際情勢への「一番大事なのは話し合うこと」というメッセージだっていう評論家の批評とか見ても、ちょっと???です。
異星人ネタかと思ったら実は…
時間テーマSFだったので、自分のようなSFファンにはどストライクな作品でした。
時系列を超越した視点を持つ異星人という設定は、カート ヴォネガットの小説 スローターハウス5 に出てきたトラルファマドール星人からインスパイアされたのかな。
スローターハウス5 は映画化もされているから、どこかの映画祭でメッセージと二本立てで上映してくれたらうれしいな。
俺の頭が悪い?
なんだかキツネにつままれたような感じです。
人はいつか必ず死んだり別れたりするって、誰もがわかってて今を生きていると思うんですが、そういうこととは違うんでしょうか。
改めて柿の種に教わることでもないような気が…。
設定が無理過ぎて
異星人とコンタクトする心に傷をもつ女性言語学者のアレやコレやだけれど、設定に無理があり過ぎて物語の中に入って行けませんでした。
中国語で何を聞いて何を語ったのか気になるけれど、ネタバレなしっていうのもイライラするなあと。
これ何が面白いんですか?最初に言葉があって記録するために文字って生まれたのでは?
駄作、設定がオカシイでしょ
ファーストコンタクト系の映画ですが、また駄作ができました。
いろいろ有りますが・・全部突っ込んでもアレですし・・
とりあえず・・
地球へ来れる地球外知的生命体は、我々よりとても進んでます。
コミュニケーションの手段は秘かに確立してから姿見せるはず。
会話に困る平和的来訪はありえない。でなきゃ駆逐前提の侵略開始だよ。
しかも時間を超越の文明?でも我が子の未来は若死にと決定?
何のアクションも無いのに、核攻撃に走る地球人の描写も臭い。
イカ・タコ系の外見も抱腹絶倒・・ 映画館で転げ回りそうだった。
新作ブレードランナーの出来が心配になった・・
まあ、この映画の場合は原作の問題だからアレでしょうが。
賞レースもノミネートばかりなのは妥当でしょう
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