「昔見た」メッセージ asaさんの映画レビュー(感想・評価)
昔見た
■『メッセージ』をみた印象
SF映画というとスターウォーズとか宇宙人とかそんな印象しかありませんでしたが、本作品は広告でも銘打っているように「ヒューマンドラマ」でした。突如飛来した宇宙船、困惑する人間。そこに派遣される2人の学者。この学者が主人公です。2人を中心として様々な人間模様を描いています。だけどね、僕は感動なんてしなかったんですよね。でも下記述べる観点で素晴らしい映画でした。こうした点を考えられた点で僕にとっては価値ある作品でした。以下完全に私見です。
■『時間』と『言語』
この作品でいいなと思ったのは、2人の学者が文系と理系だった点です。彼らは宇宙人とコンタクトを図るためにさまざまな手段で接触します。その過程ででてくるのが「未知の言語」と『時間』に対する考察です。こういうと難しい印象を受けるかもしれません。簡単に言えば、大したことはありません。『言語』は日本語、『時間』は時計です。そんなもんです。本作品ではこの二つが大きなテーマになっています。どちらの文字も言葉にすれば「文系」の領域ですが、分析するとなるとそれは「理系」の問題です。共通点や法則性さらにはその意味に至っては計算式が必要になることもあります。太古の人の時間感覚をつかむことは光の速度などの認識を相互に定義づけなどを行い対比する必要も出てくるでしょう。そうすると、そこから数字を文字にする、説明するとなると文系の領域にもなります。その定義づけされた言葉を解釈する必要がでてくるからです。
映画を見ている最中にこんなことを考えていました。本編では上記のことがあまりフォーカスされていませんでしたが、そこが見事に描かれていました。昨今では「文系」「理系」で差別される印象もないとは言えません。文系と理系は違うというのは性別問題とも重なります。実際はどちらも解釈の仕方が違うだけなのです。僕の好きな言葉があります。
文系も理系も対象物は同じ
一種の球体を別の角度から眺めているに過ぎない
本作品でもこうした解釈に大筋沿っていたのではないかと思いました。単純な感動ドラマではなかったのが僕にとってはうれしかったです。ラストも結構いい感じでしたが、俺は宇宙人の意図があまりにインパクトはないけど、なんか「好き」って思いましたよ。