「言語は思考を規定するか!?」メッセージ マツドンさんの映画レビュー(感想・評価)
言語は思考を規定するか!?
多分、ルイーズが話した言葉の
中にあったと思うのですが
「サピア-ウォーフの仮説が~」と聞こえてきました。
実にさりげなく
しかし、重要なひと言で
これがこの映画のモチーフのようです。
ざっくり言えば
「言語が思考を規定する」
これがサピア-ウォーフ仮説。
つまり、
未確認生命体が使っていた
文字というか言語を習得することが
彼らの思考を獲得することになる。
彼らの思考は
時間の観念の前後関係を
超えたものである。
したがって、
これを習得したルイーズは
未来を見通す能力を得ることになった。
もう一つ
ルイーズと娘の会話が気になります。
娘「お互いが得をすること、なんて言ったっけ?」
ル「ウイン、ウイン?」
娘「違う。数学で使うような言葉」
しばらく後に・・・
ル「○○○ね」(○○○の言葉は忘れました)
この○○○も、学術的な言葉。
きっと、これもキーワードなんでしょう。
もしかしたら、このコンタクトが
未確認生命体と人にとって
ウインウインである、という意味?
だとしたら、未確認生命体は未来の人類?
その○○○は、
そもそも、イアンがルイーズに言った言葉。
つまり娘は過去からその言葉を聞き取った?
粘土で作っていたものも
クレヨンで絵に描いていたものも
そういえば、父と母にまつわる過去の出来事。
だとすると、
母は未来を知る力を得て、
その娘は過去を知る力を備えて生まれてきた。
いたる所に
メッセージが隠されている、
それが、この『メッセージ』。
ルイーズは
3000年先の人類の危機を救う役割をになう。
と同時に
やがて産まれてくる
我が子の死も悟ることになる。
そうした能力と運命を
受け入れて
ルイーズは生きていく決意をする。
なかなか巧妙なストーリーを
楽しむ事ができる映画です。
ただ、
未確認生命体が使う文字が
表音文字ではなく
概念を直接、形に表している
とのことでしたが
それはほとんど、表意文字。
漢字のことじゃん!
などと思う次第です。