「硬派で理知的なミステリーサスペンス接近遭遇」メッセージ osanさんの映画レビュー(感想・評価)
硬派で理知的なミステリーサスペンス接近遭遇
ファーストコンタクトもののエポックメイキングなものといえば、未知との遭遇とかがあるが、本作はこれらのリストに並んでもおかしくない。
難解なところがあるけど、世界観がガッチリしていて歯ごたえがある。歯ごたえがありすぎてアゴが疲れるくらいに。
エイリアンの恐怖に謎解き要素を合わせていて、良質のミステリーサスペンスの趣がある。
時間の概念を循環させることで、後悔や郷愁といった過去志向のフィーリングと、世界や人生の今後をこうするんだという未来志向の意思を併存させるという離れ業もやってのけたのはお見事というしかない。
抑制的で、理知的すぎて、もうちょっと情動的でもいいんじゃないかとも思うけど、エモーショナルにするとこのモチーフだと破綻するかもしれない。
観る方も頭を使わないといけないからちょっと疲れるが、こういう妥協を受け付けない映画は貴重だし、難解さに堂々と挑んだ監督に敬意を表したい。
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