沈黙 サイレンスのレビュー・感想・評価
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皆さんのレビューの秀逸さよ
これは私なんぞが感想を言えるような映画ではない(>_>)難しい…
とても重たくてつらい160分間。
救いようもなくて息も詰まるし良いことなんかひとつもない世界。
日本人キャストは私得なキャスト。窪塚のキチジローは東京島のときの窪塚を彷彿とさせた笑。浅野忠信と加瀬亮が同じ作品出てるのも感慨深い。小松菜奈ちゃんは大好きだからこういう映画とか、色んな作品に出てくれるから色んな役がみれて嬉しい。
主人公のアンドリューガーフィールド、日本人に囲まれてかっこよさが500倍位に際立ってた、でも見ていて本当につらかった…心身ともに疲労困憊になる作品。
しかしテイスト的には私好みだった、音楽も挿入歌も一切無く淡々と進んでいた雰囲気は好き、内容が内容なだけに終始暗いけどそこもまあ好き。
新宿スワン後に観たのもあり、余計新鮮で良かった。浅野忠信の比較も面白い。
てか映画って、基本面白い。
窪塚洋介の再生
キチジローを演じることで、窪塚洋介が再生した。新しい姿で。どれだけ転んでも神は死なないというメッセージはどんな形式よりも強い。社会とは生きる事とは金を稼ぐこと、自己と矛盾すること、転ぶこと。自分を裏切り、時には人を騙し、快楽に溺れる、自己嫌悪で酒を飲む。それでも神は死なないというメッセージは人を再生させる。窪塚洋介が新しい姿で再生したのが何より今作の収穫だと思う。いい映画でした。
沈黙を見て、トランプの現実主義は結構良いのではと、思った。
昨日見てからずっとモヤモヤしている。
宣教師が来なければ平穏のまま暮らせたはずだと言う思い。救い、救われるという関係性は上下関係なのに、神のもとでの平等という教義の矛盾。
宣教師が、日本人は形あるものにこだわると揶揄するが最期に手に握っていたのは棄教したはずの十字架のキリスト像。
エロイエロイ ラマ サバクタニとイエスは十字架上で叫んだとされる。神というか父はなぜ私にこのような仕打ちをされるのですか?という実に人間臭い恨みつらみ言葉。私はこの解釈が好きだ。キチジローの裏切り、それに何度も試され、やがて棄教を選択したロドリゴ神父。
キリストへの愛ゆえに踏絵を踏み、棄教することによって他人を救う、という矛盾、と言うか現実主義。
正義を振りかざし、他国を巻き込んで、救ってやったと自己満足し、そこに国のアイデンティティを求めて来たアメリカは、正に日本に布教に来た宣教師だ。
アメリカの都合の良い国に仕立てて行くよりはトランプの現実主義の方が良いかも。昨日の朝日にはオリバーストーンのトランプの方がヒラリーよりはマシとのオピニオンと、天声人語に沈黙のコラムが同時に出ていたのは、この映画の同時代性を表していると思った。
長崎の平戸にある生月は映画の中にも出てくる地名だが、長崎県の平戸、根獅子町、そこの海岸線、切支丹資料館を昨年の3月に訪ねた。映画の舞台とオーバーラップする隠れキリシタンの里です。この海岸が血の海になったという絵が資料館にありました。
apostasy、betray、が何度も繰り返し登場した。その後の沈黙、静寂。うまく書けないけど、こうして書きたい、伝えたいと思わせる何かが詰まった作品でした。
信仰とは
無駄な音楽は一切ありません。
浜辺の波音、虫の鳴き声、そして「神の沈黙」だけが流れます。
司祭を熱望する切支丹達。司祭の存在で真に心から救われた人もいたでしょう。モキチの死に様には涙しました。しかしキリスト教のために闇に隠れ、拷問されて死ぬのなら、何のための改宗なのか。やたらと十字架やその他のグッズを求める姿は偶像崇拝の恐れがないか。実際救いを求めたのは神ではなく、現実の苦労から逃れたい一心で夢見た天国なのではないか。自称切支丹達がどれだけ教義内容を理解していたかは疑問であり、布教は単にポルトガルの思惑と、信者の増加を狙う司祭の傲慢ではないかという問いが暗に投げかけられます。
踏み絵を前にして司祭に目をやる信者達。信仰と呼ぶに相応しいのか…対象が司祭になっただけで、日本人独特の崇高な忠誠心にも見えました。
数々の拷問を目の当たりにし、幾度の祈りにも奇跡は起こらず、司祭自身も信仰心が試されます。度々自分とイエスの人生を重ねるという、少々思い上がった信心を持っていたRodriguesですが、郷に従い、信仰を捨てるという重い「十字架」を背負うことで、信者の命を救えることに、神の真の御意を見い出したでしょうか。何度も彼に赦しを乞うキチジロー。赦すのは神ではなく、彼を蔑んでいた自身の心だと気付いたでしょうか。
洗礼や告解といったキリスト教の一連の儀式。踏み絵の儀式。武士も認める「ただの形式」。それらがどれだけ人の信仰心を測れるのか。儀式の無意味さも感じました。
現代でも日本が「沼」なのかは分かりませんが、多くの日本人が特に何も真剣に信じていないからこそ、ハロウィンやらクリスマスやら、異宗教・異文化の面白い「形式」だけをすんなり取り入れられるのかも知れません。
便宜上とは言え英語の堪能な庶民が多いことには違和感を覚えますが、寂しくも美しい日本の風景、貧しい漁村などは、近頃の邦画の時代劇より真に迫るものを感じました。
どちらか一方を正当化するような片寄った視点ではなく、努めて公平に描いており、観客の受け止め方を制限していない所が良いです。偏見的描写など入れずに、丹念な調査、丁寧な創作に感謝します。
"The price of your glory is their suffering."
英語が‥
面白かったけど約3時間と長すぎる。外人が好きそうな(作りそうな)映画という印象。なぜみんな英語が話せるのかは解せぬところですが、ネイティヴスピーカーの連れは浅野さんの英語が本当に上手いと褒めていた。そして主人公は自分がキリストに見えたり、天狗になっていたと。だからみんなは神のために死ぬんではない、お前のために死んでるんだと言われたと。なるほど。
終始暗い話ですが、なぜか窪塚さんがでてくると笑えました。
最後らへんで拍子抜けした
役者たちの演技はとても良い。ハリウッドスターと日本人が一緒に演技するなんて公開処刑もいいとこだと思ってたけど、日本人も捨てたもんじゃない。とりわけ浅野忠信と塚本晋也は素晴らしい。浅野は笑顔で親切に接してくれながらも、そのままのトーンで残酷なことをやってのける恐ろしさを上手く演じていたし、塚本のあの壮絶な死にざまは凍りついた。
ストーリーも途中、というか2時間ぐらいまでは残酷な迫害に耐えながらも布教という使命を諦めきれない主人公に憐れみや悲しみを抱かざるを得なかった。
でもねえ…。この映画のタイトル、「沈黙」でしょ?主人公がついに決断を迫られる1番大事なシーンであれはちょっとねえ…。結局、浅野が言ってた通り、最後まで主人公は自分で何も決断できない、いわゆる”潔くない”やつで終わっちゃって。
原作読んでないから本読めば納得できたりするのかもしれんけど、一本の映画として世に出すからには原作未読既読関係なく楽しめる作品にするべきだと思う。
あのスコセッシが28年も構想しただけあって
とんでもない映画。素晴らしい。
様々な要素が盛り込まれていて、感情も頭も忙しい。162分という長さを感じさせない程に緊張感が持続する。
色々感じすぎて書ききれないので、箇条書き
・凄まじい迫害と、茶道や枯山水などの日本的な美と、どちらも生み出す日本人とは
・最終的には神は各々の心にいる的な解釈?
・日本は沼地、の意味とは
・踏み絵しまくりのキチジローや結局棄教したロドリゴ、棄教を拒んで殉教したモキチやガルペ、その信仰に差があるとは思えない
・主役2人、若いしスパイダーマンとカイロレンの印象強いけど大丈夫かな…って杞憂でした。逆に若いからこそ、司教とはいえ隠しきれない人の心の弱さとか、教えに対する疑いとかが伝わった。
静寂。わかりあえない現実
信仰とは、何か。生きる、とは何か。
江戸時代の隠れキリシタンという題材を、マーチン・スコセッシが本気で描いた大作。
宣教師たちの信じるキリスト教と、村人たちの信じるキリスト教は同じだったのか?宗教を信じるが故に死ななくてはならない…という矛盾。
それでも長崎でキリスト教が受け継がれ続けたのは、そこに根付く何かがあったからだろう。
圧倒的に美しい映像、海の青さが印象的。
窪塚洋介の映画。
反応が結構分かれる
2時間40分という長尺を気にさせないほどに引き込まれました。
キリスト教が禁止されている日本が舞台なので、登場人物はほぼほぼ日本人です。なので、感情移入はかなりできます。
大筋としては、正義の宣教師が、悪の役人に弾圧される話とも取れます。
ただ、この時代のキリスト教の背景を語るなら、少し事情が変わります。もともと、海外に宣教師を派遣していたのは、ヨーロッパにおける宗教改革によって、プロテスタントが新しくでき、カトリックの権力が弱まったからです。そして、プロテスタントができたのは、教会が腐敗していたからです。
殉教は名誉だと、そうすれば天国にいけると、処刑された農民は言っています。が、ヨーロッパの教会では、殉教した人間などいませんでした。そもそも、殉教しても、教会の認める聖人でなければ、天国には行けないという”教義”になっています。それが、ヨーロッパからはるか離れた異国の地にて、宣教師の前で、矛盾として突きつけられます。そして、こう言われるのです、「彼らを救うのは神の教えか、それともあなた自身か」。
最後に、キリスト教を捨てたとしても、キチジローに赦しを与えることはできました。本来、カトリック教会に叙任された者のみが与えることのできる「秘跡」ですが、棄教し、同じになったことによって、初めて与えることができたのです。
と、キリスト教的な解釈をすることもできるのが、本作の魅力だと思います。
209-1
クリスチャンならより深く楽しめるのか。
霧や自然、建物などのセットがこっているなぁと感じた。信仰などはよく分からなかったけど重いものだというのはわかった。もう少し大人になってから見直します。
大作
三時間近くあり少し長いが、俳優陣の熱演、画の力でだれることなく観ることができた。
原作は未読なので話の本筋を完全には把握できたとは言えないが、映画らしい映画を大きなスクリーンで観ることができたので満足!
スカラ座は久しぶりだったが、新宿ミラノ以来の大きな映画館体験だったので少し感動した。
マーティンスコセッシありがとう
映画サイレンスの上映をずっと楽しみにしていました。
素晴らしかったです。
日本が忠実に描かれていたのはまずほっとしました。
窪塚くんが一生懸命なのはすごく伝わってきましたが、私の中のキチジローとは違っていて、最後までそこは馴染めなかったけれど、マーティンスコセッシ監督が描くキチジローはこうなんだろうなぁと思うと、もう一度見て感じてみたいです。
題材的にも、決してたくさん稼げる映画じぁない気がしますが、あえて取り組み、何年もかけて完成させた監督に心から敬意と感謝の気持ちでいっぱいです。
まず概ね原作通りで安心しました。原作ファン、遠藤周作ファンという人...
まず概ね原作通りで安心しました。原作ファン、遠藤周作ファンという人でも、(著しく過度な期待をしない限りは)ハリウッド映画でよかったと満足できると思います。監督がとても原作を尊重してくれているのが伝わりました。
ただ原作通りな部分が多い分、原作を読んでいないとちょっと分かりにくい映画かもしれません。有名な小説ですが、未読の方はぜひ読まれるといいと思います。
公開前から少し心配だったのが日本人俳優陣だったのですが、こちらもなかなか頑張っておられてよかったです。個人的にキチジロー役はもう少し小汚いおじさん(失礼)のイメージだったので、ちょっとピュアで綺麗すぎてんん?となりましたが、まあ彼が一番むずかしい役だと思いますのでこれも1つのキチジロー像かなと納得です。
命を救うのか魂を救うのか
江戸時代の宣教師の苦悩を描いた作品
冒頭の湯気での全体が見渡せない雰囲気、主人公達の赴く村での霧のシーンなど、得体のしれない不安、掴みどころの無さなど開始そうそうに引き込まれました。
布教、師匠探し、信者からの需要、自分自身の信仰、大いなる覚悟の下、アンドリュウ・ガーフィールドとアダム・ドライバーの二人の試練の日々。話が進むにつれ揺らいでいく姿が全編通して良く描かれていたと思う。
日本俳優陣の演技もとてもよかった。主要人物は英語で台詞を言うのですが、浅野忠信以外はたどたどしかったように思う。
当時の日本に英語を話せる人が何人いたかわからないが、日本訛りの英語それはそれでいい味が出ていたようにも思える。
イッセー尾形の演技でしばしば笑えてしまったが、冷酷な時に見せる表情と緩急はさすがだなと感じた。
塚本監督はかすれ声と表情が正に幸薄い村民感だ出ていたし、芯に強い信仰があるからこそどんな事でも耐えられる、そんな目をしていた。
窪塚洋介の役は本当に難しかったように思う、弱い人間の姿、意地汚さ、苦悩、救い、一番人間らしいが一番成りたくない人間。
全てを演じ切れたようには思えないがそれでも観客の心に強く残ったはず。
以前「殺し屋1」見ていたため、浅野、塚本の新旧演技が比べられてよかった。
金子役のSABU、菅田俊も役人役で出ていたので少し嬉しかった。
スコセッシは「殺し屋1」見てるんじゃないだろうか・・・
現世で救う命と死後、天国で救われる命
宗教の命題、今作は明確な答えを出してくれない、そもそも答えなど無いのかも知れない。
ただそれぞれの信仰は自由だし誰も辞めさせる権利はない、全ては自分次第なのだ。
他人にとやかく言われる筋合いもないし言う必要もない、来る者を拒まず去る者を追わない事が大切なのかと思う。
自分自身あまり宗教とは関わりが有るほうではないが、信仰が有ることで強くなる人もいるし、どうしようもない状況から救われたい、縋りたいという気持ちも解からない訳でもない。
幸か不幸かそんなに追い詰められた状況になった事もないし、縋るほどのモノを持たないがこの作品を見て自分自身に納得のいく生き方ができればそれでいいのではないかと思った。
劇中セリフより
「神は許してくれますか?こんな俺でも」
罪を犯し懺悔すれば許されるのなら悲劇は続く、許さなければ永遠に落ちていく。
自分の行動に責任と納得できる行動をとる事、失敗したなら反省し次に生かすこと、小学校で習うような事を思い出した。
自分に出来るかわからないが、目指す意義はあると思った。
はてしなく重い祈り
まずこの素晴らしき映画を、中学生、高校生等学ぶ人々に見てほしい。祈るということは、学ぶと似ている、自らが「これだ!」と思った時とてつもないパワーが授けられるが、押し付けられた時それは決して実を結ばない。みなさんの言う通り処刑シーンは壮絶だが、セットの再現の細やかさと美しさがある程度緩和してくれていると思った。
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