劇場公開日 2017年1月21日

  • 予告編を見る

「重厚かつ素晴らしい人間ドラマだ。」沈黙 サイレンス 岡崎仁さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0重厚かつ素晴らしい人間ドラマだ。

2024年9月28日
PCから投稿

17世紀初め、棄教したと言われる師に会うため、日本に渡った2人の若い神父の、過酷な運命を描く歴史ドラマ。原作は遠藤周作の小説『沈黙』。監督はマーティン・スコセッシ。

壮大なスケールで、宗教弾圧、心の信仰、裏切り、死と救済というテーマを、静謐なトーンで描き切っている。迫害、拷問、処刑シーンなど残酷な描写があり、日本ではPG12、アメリカではR指定となった。

いわゆる娯楽映画とは無縁の描写であり、煽情的な高ぶりや大きな抑揚があるわけではなく、極めて抑制的に描かれた作品だ。長い上映時間の中で(約160分)、信仰と救済という題材に、真正面から向き合った大作だ。

残酷な映画だが、映画的な美しさに満ちており、信仰や命とは何かを、真摯な姿勢で、見るものに重く問いかける。観客自身も問われることになる、重厚で素晴らしい人間ドラマだといえる。

岡崎仁
ジョニーデブさんのコメント
2024年10月24日

ありがとうございます。長尺なのに最後まで引き込まれた映画でしたね。

ジョニーデブ
PR U-NEXTで本編を観る