「日本のイメージを壊す良作」沈黙 サイレンス 蜷川吝塀さんの映画レビュー(感想・評価)
日本のイメージを壊す良作
クリックして本文を読む
今夜(2024/08/31)観ました。
雰囲気から救われない作品である事に勘付いていたので、敬遠していましたが、評価が高い事や、マーティン・スコセッシ作品にハズレ無しという先入観から観ることにしました。
1600年代の日本が舞台で、ポルトガル人がキリスト教を伝える為に長い船旅を経てやって来る話で、日本人が書いた小説が原作だそうです。
昨今国内外問わず、日本のイメージは良い傾向がありますが、実際は閉鎖的で、他国文化や言語を受け入れたがらない柔軟性に欠ける部分があります。
本作は、その点を包み隠すことなく映像や台詞にのせて表現していて、非常に好感が持てました。
寛大に見せかけた抑圧的な要求によって、ポルトガル人やキリスト教信者の日本人を支配する、イッセー尾形扮する井上公の優しそうな雰囲気からかけ離れた狂気を感じさせるキャラクターに怒りを覚えた程です😅
浅野忠信扮する通辞や、ドスの効いた声で村民を威圧する侍の指揮官扮する菅田俊は次点と言ったところでしょうか。キチジロー扮する窪塚洋介もなかなかのものでした。
とにかく、日本人キャストの演技に今回は脱帽です。
踏み絵を強制され、キリスト教の教えに背かざるを得ない局面を迎える終盤は、フェレイラや通辞の説得に意地でも応じないロドリゴの頑固さに、苛立ちを覚えました。彼の様な敬虔なクリスチャンならば、そうなるのでしょうね。しかしながら命あっての物種です。
予想通りスカッとするシーンも、大逆転も一切ないストーリーでしたが、ラストシーンでは息を呑みました。
3時間近い尺ながら、やはり観応えがあるスコセッシ映画です。一度ご覧ください🎬✨
コメントする