劇場公開日 2017年1月21日

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「日本映画より日本映画らしいかも。」沈黙 サイレンス mg599さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本映画より日本映画らしいかも。

2017年1月22日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

映画を観ているあいだ、いいようのないむずがゆさというか、虚無感というか、そんなものを感じていた。それは「硫黄島からの手紙」(クリント・イーストウッド監督)を観ていたときの感覚に似ている。
この題材を、なぜ日本映画でできないのか。それは怒りにも似た感情である。

遠藤周作の原作をマーティン・スコセッシ監督が映画化したところに意味があるとは思うし、欧米の人の目から見た日本のキリシタン弾圧がどう映っているのか。それが現れているようで意義はあった。

それでも、日本の文学の映画化を、日本人の手でなしえないもどかしさは、なんとも言いようがない。
日本の映画界が、深遠なテーマをもった映画を常に企画しているならまだしも、現状は大人向けの映画があまりない。

本作は、一度観ただけですべてを理解できるというやわなものにはなっていない。様々な議論の余地も残されている。スコセッシでなければなしえなかった作品にはなっている。

実際に信仰をもっている人の意見も聞いてみたい。

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mg599