光をくれた人のレビュー・感想・評価
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ばれない嘘は真実
ばれない嘘は真実・・・
と思ってみていたら、難破船じゃなくて、外洋に出たまま夫が死んでしまったという、根源は夫のドイツ人にあるんじゃないか!と言うのは、置いといて・・・
やはり、職業倫理に基づき通報すべきだったか。
また、その前に身重になった妻を一時的にも本土に返すべきだった。
妻の感情に流されたのなら、そのまま墓場まで持って行ってくれれば・・・とも思えた。
中途半端に実母にヒントを与えるのも罪深い。
優柔不断な男の話。
最終的に罪は軽減されたのか、赦されたのか?
ラスト、育ての母の死後、育ての父親だけが娘に会えたのは印象深い。
風景は全般にわたり美しく、スクリーンで観るに相ふさわしい。
海を照らす光
The Light Between Oceansという原題のとおり、海から昇る太陽で始まり海に沈みゆく太陽で終わる構成が美しかった。
戦争で傷ついたトムと生命感溢れるイザベルが結ばれて灯台の島で生活していく幸せな様子とその後の死産、流産の苦しみの振り幅が大きくて観てるだけで辛かった。
ボートが流れついてからの、感情で動いてしまったイザベルには少しモヤモヤしてしまうが所詮は客観視点。
罪は罪だけど気持ちも分かるしこちら側もジレンマがすごい。
実の母親のハナ、こちらはこちらで大きな苦しみを抱えていてそれを知ってしまったトムはそりゃ耐えられないだろうなと思った。
中途半端にヒントを与えるような行動はまたちょっとモヤモヤしちゃうけどね…
ルーシーは幼いながら大変な目に合うし、大人のエゴによって振り回された感は否めない。
最後は立派に育ってくれて良かったなと思うけど。
ただ、犯した罪も崩れた幸せも失った苦しみも、愛を持って赦した人々には胸を打たれた。
ラストの美しさには色んなモヤつきを吹っ飛ばされたしこれで良かったのかなと思うことができた。
二重三重に罪を犯す男
共感できなくて、泣けなかったと言うのが感想。
生きる希望を失った帰還兵に希望を与えた妻。
こどもを失った喪失感により狂気に走る妻とそれを止められない夫、まではわかる。
生母を知って悩んで葛藤するまではついていけたが、自分から壊しに行くところから疑問符がつく。
生母についての気付きも強引で、葛藤からの行動が拙速だから???ってなる。
初夜とか流産・死産のシーン削ってその葛藤の描写を増やしてほしかったな。
エゴイズム
子供に恵まれない離島の灯台守と妻のもとに赤ん坊が漂着し流産した子供のかわりに実の子として育てる話。
赤ん坊が漂着した際の心情は理解出来るが、その時点で実母のことを想像しないことに違和感を憶えストーリーが展開。
旦那の立場や振舞いは理解できるものの終始自分本位で身勝手な思考の嫁に苛立ち、怒りや呆れを憶える。
桟橋に行き話をしたのさえ自分の為だよね!?娘の人生すら台無しにしかねないのに倫理観はどうなっているのか?
ラストの娘の成長には救われたが、ここまでくると手紙までもが自己中心的にしかみえない。
こんなものに感動は出来ない。
養子として迎えいれて後に実母がみつかりとか、せめて実母がみつかり苦しみながらも自ら受け入れてっていう流れならね。
考えさせられた人間ドラマ
泣きました。
すごく泣きました。
いろんな思いが交錯する辛い人間ドラマ。
でも、考えさせられる。
一度赦すだけでいい。
でも、それが難しいんだよね。
考え方を深く考えさせられた映画でした。
人が人を『赦す』ことの難しさ
『イエスはすべての人間の罪を背負って十字架に架けられた』的な言葉を見たり読んだりしたことがありますが、本作品におけるレイチェル・ワイズの夫は、その役回りだったのですね。
もし、生きている者だけの感情で、赦すとか赦せないとかを口にすると、一見寛容なようでもありながら、どこかに加害者=赦してもらった側、被害者=赦してあげた側、という関係性を引きずってしまい、罪を犯した側と許してあげた側に隔てられてしまう。ヤヌス神の2つの顔が反対を向いているように。
レイチェルが赦しを与えるとき、それは被害者としてではなく、イエスのように周囲の者から追い詰められて亡くなった『夫の導き』(いわば擬似的な神の名の下の赦し)でなければならなかったのだと思います。
生身の人間同士の、赦した側、赦された側という隔たりが残っていたら、ルーシー・グレースも育ての親に対して向き合い方の整理がつかないまま、感謝よりも恨みに近い感情を抱くことになっていたかもしれません。
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