光をくれた人のレビュー・感想・評価
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偽りの光
他者の灯り、他者への灯り
海の表情だけで素晴らしいカットが幾つもあった。
ただ、トムの心の雪解けに納得出来るだけの材料が描かれていない為、戦地で受けた傷の深さも、それを癒すだけのイザベルの光も感じなかった。
また、二度に渡る出産への準備不足や、アリバイ作りに墓標を抜く際の葛藤が無い事など、親の資格を感じられない描写が多々あった。
それでも晩年にて後悔の念があるなら構わないかと思った矢先に、どこまでも利己的な手紙が登場し呆れ果てた。
結果的にルーシーが健やかに育ったから良かったものの、彼女に赦しを乞える立場では無い。
そもそもあの手紙を書き残すイザベルの行為も、それを手渡すトムの行為も、法的に悪くとも倫理・道徳的には善き事をした、あの環境・状況下では仕方がなかったという我執から成るものであり、それが根底にある限り罪悪感から自らを責める事さえ甘やかしである様に思う。
利己も光と成り得る事を示すならば、それに照らされる事で生じる影を注意深く描くべきだ。
作為的な美談は救いになり得ない。
女性の立場から号泣!哀しみが心を重くする。
ストーリーは先が読める想像通りの展開ですが、イザベラのくるくる変わる幼く魅力溢れる表情が上手く、画もとても素敵です。「美しさ」に重きを置いている作品だと感じました。
イザベラの感情的な気持ちも、イザベラの実母の思いも、ハナの痛みも、ハナの妹が姉を思う気持ちも、どの立場も共感できる部分があって心が重くなります。
泣ける作品を求めている女性に向いていると思います。
一方、この美しく哀しい作品に、重みは残ったけど深みが感じられなかったのがやや残念でした。
実の娘と引き裂かれ、娘が戻ってからも心は取り戻せず、養母を恋しがって痛める小さな心を救えないまま、赦す決断ができるようになるまでのハナの葛藤を掘り下げてあれば良かったな。
エゴイスティックなイザベラの対比として。
個人的には「八日目の蝉」の方が、娘を思う女の強さやしたたかさに現実味があって、軍配が上がりました。
心揺すぶられた観てよかった映画
重いテーマ・・
灯台守の悲しい物語
あれだけ規則に厳格なトムでさえ、失意のイザベルにすがられたら受け入れるしかなった。もうその時点で、トムはこのあと何があろうと自分で引き受けようと心に決めていたのだろう。だから、墓前で祈るハナを見つけ、真実を知ったときから、そのあとの筋書きができていた。ただ望むのは、できるだけイザベルを傷つけることの無いようにと。それが、抜け殻だった自分に幸せをもたらしてくれたイザベルへの恩返しだからだ。
そんなトムの心情に沿って映画を観ていると、悲しいよね。
誰かを苦しめようなんて思わずに、この子を大事に育てようとして、結局、周りの人たちを傷つけてしまったのは自分の愚かさだったのだ、と自責しているようなトムが、とても悲しくて、とても立派だった。
一般的には感動的な泣ける映画なんだと思う
手紙。 急げ新宿
時代劇だから当たり前なんですが・・・
メールの時代だからこそ、必要以上に胸に迫る映画。
劇中3度の重要な手紙のやり取りがあります。どれも目頭が熱くなるんですが、引出しに封印したものを読むとき涙腺爆発しました。
言葉じゃだめでも、頑なな人を動かせる。凄いです、この魔力。
デレク・シアンフランス作品として観ると、いたってベタで平凡なんで、その辺りが海外評価が低いんでしょうが、作品自体は原作に忠実でキャストも珠玉の上手さを魅せ悪くないと思います。
アリシア・ビカンダーいいです!文芸作とハイテク作が交互にくる変な女優です(次はトゥーム・レイダーリメイクらしい)が、本当演技巧妙でしてレイチェル・ワイズとも一歩も引きませんでしたね・・・。
ベタなら最後のシーンはルーシーにもっと光をあててもらいたかったですね。でもいい映画でした。
PS
この映画当然ミニシアター興行なんですが、今なら新宿シネマート1で 5m×14m の大きなシネスコで感動倍増できます!
ある意味、ブルーバレンタインと一貫性のある印象か…
よかった
2017-34
『ローガン』仕様のシネマイレージカードを手にうきうきと劇場に向かったら、『ローガン』が混みすぎてて嫌になり、同じ時間帯のこれを見ることにした。
しかし、土日のギロッポンで1人映画は結構なストロングスタイルだった。
味方はいたけども笑
自分が子供を持ったときにまた見たら、違う感想を抱くと思う。
わたしはイザベルに色々とイラついてしまった。
でも、はたから見たら、アカンやろって思っても、母親になって、子供を愛する気持ちがわかって、実際そうなってしまったらって考えると、わからなくもないかな。
なので、今はまだ評価できないなと思い、真ん中の星3つにしました。
あと
Guardian誌のティッシュ会社が~とかいうのは辞めてほしい。
重いテーマなのに、なんだか安っぽく見えちゃう。
この罪の所在はどこなのか?
見ていてかなり重くしんどい内容ですw
予告編からずっしりとした内容ですが、本編はまた違った展開になった気がします。
自分は子供が生まれたばかりなので、どの人にも共感していました。
結婚し、妊娠し、子供が生まれるまでの間はドキドキ、ワクワク。服や小物を嫁と選ぶのもあーだこーだ言いながらゆっくりとその時を待っていました。
しかし今作のトムとイザベルは死産と流産と言う二度の不幸に見舞われます。
そのどん底の中海からボートに乗って赤ん坊がやってきます。
その泣き声や笑顔は天使の様で、世界中を敵に回してでも守りたいと思ったはず。
しかしながらその子供には母親がいて夫と共に海に消えた娘を探していた。
中略しますが、この作品での罪はいったい何なのか?
赤ん坊を自分の物にしようとしたイザベルか?
職務規定に背きその行動を黙認したトムか?
そもそもボートに乗ったドイツ人か?
ドイツ人と結婚したハナか?
見ながらその「罪」を見つけることはできませんでした。
たぶん自分がどの境遇にあったとしても正しい道だと感じ同じ行動を取ったかもしれない。
今作のラストは語りませんが、非常に美しいヤヌス島の情景や寡黙で多くを語らないトムや美しく勝気なイザベルのロマンチックなシーン等とても良かったと思います。
特に手紙を何度か扱いますが、メールではない温かさや寂しさが何か良いなとしみじみ感じました。
大好きなレイチェル・ワイズも老けてたけど重く、けれど温かい演技で素晴らしかったです。
ありきたりな設定ではありましたが、色々な愛を見る事が出来ました。
観た後、大人しくなっちゃう。
ドイツ野郎に泣かされる
泣かされます!!
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