光をくれた人のレビュー・感想・評価
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本年度最高の1本!シアンフランスは裏切らない!妊活中のおっさんはこのメロドラマをこう見た!
新作が発表されると必ず観に行く監督が3人いる。
ニコラス・ウィンディング・レフン。ドゥニ・ビルヌーブ。デレク・シアンフランス。
レフンの「ネオン・デーモン」でいきなりがっかりし、ビルヌーブの「メッセージ」でさらにがっかりした。後者については今年のワーストにしてしまいたいくらいだ。
いずれも「らしい」映画だったし、それぞれの持ち味を発揮したものであったのは確かだが、いずれも持ち味発揮が、観客置き去りの表現になっていたことに、その底の浅さにがっかりしたのだ。
そして、デレク・シアンフランス。
日本での「ムーンライト」の公開を早めることで、その煽りを食らって公開延期。ゆえに注目度はかなり低い。だが、「ブルー・バレンタイン」、「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」続けて大傑作を放った監督である。もはや何の威厳も感じないオスカーの作品に追いやられたこと程度で本作へのオレの関心度は下がるわけがない。
運悪くも?「光」というタイトルがかぶってしまっての日本公開でどこまでもついていない本作だが、このあまのじゃくなおっさんが徹底的に本作を支持する。
はっきり言おう、本年度ナンバー1。
「光をくれた人」
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デレク・シアンフランスがメロドラマ?と初めは思ったのは事実だが、先の2本も思い出せば、そうだった。「愛」「夫婦」「親子」の物語だ。
本作のストーリーはとてもベタだ。あまりにもベタだ。だが、その話を美しい絵と3人の役者と丁寧に整理された脚本に感服する。
ここまで堂々と、ベタなメロドラマを、自分のスタンスで観客を楽しませてくれていることは本当にすごいことだ。
以前からのあまりに熱い「人物への寄りの画」がここでもいかんなく発揮。
さらに今回は舞台が舞台だけに、自然の美しさが加わり、特にその引きの画が本当に素晴らしい。岬の灯台、地平線、船を旋回するカメラ。
音響効果もとてもよく、常に鳴り響く風と波の音のなかでもセリフはよく聞こえる。
役者については、3人みんな素晴らしいが、特にファスベンダー。序盤の孤独な姿、中盤の笑顔、後半の決意の顔。
ビカンダーも「幼な妻」感がとっても良く、感情的に行動する姿がかわいくも、とても危うく、だが愛おしい。
ワイズのほうもこちらは「若い旦那」との恋に生き、ヒステリックになりがちな役を抑えて好演。
だが、本作を忘れがたい1本になっている理由としては、タイミングが、私ごとながら、妊活中である、ということもとても大きいかもしれない。
ここで他の作品のネタバレをするわけにもいかないが、「メッセージ」のあのラストには絶対に考えられないのはそのためもあるかもしれない。
だが、そんな私的なことを除いても、本作の映画の「力」は圧倒的である。レフン、ビルヌーブが「こざかし」く見えるほど。
追記
ファスベンダーの行動に疑問を抱く人もいるかもしれない。だが彼は失ってきた人、奪ってきた人なのだ。そしてラストでわかるように、結果「与えてきた」人なのであるゆえ、「赦し」を得た人なのだ。
そう、それはファスベンダーだけでなく、主要人物3人とワイズの夫と父親も含め、みんなそうなのだ。
だから、あのラストは必要であり、死ぬほど泣けてしまうのである。
「光をくれた人」
良き邦題。
主演二人の間で交わされる濃密な空気はやはり健在
「ブルー・バレンタイン」や「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」で夫婦間、そして父子のクロニクルを描いてきたシアンフランス監督が初めて挑む原作物にして、初時代劇、初のドリームワークス作品。これほど初めてづくしながら、演技の域を超えた親密さを生み出す彼独自の演出法は健在だ。6週間にわたる共同生活や、ごく少数のスタッフだけで行った撮影などによって、ファスベンダーとヴィキャンデルの間には見事なまでの信頼感と濃厚な空気が醸成されるに至っている。彼らにレイチェル・ワイズを加えた3人の登場人物は誰もが光を失う悲しみを知っている者たちだ。それぞれの思いの中で胸が張り裂けそうになりながらも、「たった一度の許し」をめぐって下されるそれぞれの決断。二つの海がぶつかり合う過酷な環境下で描かれる力強いラブストーリーであると共に、世代を超えたクロニクルという側面も垣間見え、シアンフランスの力作に仕上がっている。
愛とは欠点をゆるすこと
難しい映画、若い人ほど理解しがたいかも。
この映画は極限まで追い詰められた人が自分の欲に負けて過ちを犯しますが、私は気持ちが分からなくもないから、評価も難しく簡単にレビューできずにいました。
私も子供は結婚すればできると思ってたらそうでもなくて。
一人目は心拍確認後にお別れ、パートも辞めて半ばうつ気味になりかけましたがホットヨガに出会い回復し1年半後にまたパートに出ます、2回目の妊娠。2回目は出産までいきましたが常に不安でした。
うまくいかず自暴自棄になりかけた頃に、旦那からまじめな顔で養子をもらおうとか言われました(旦那は他人の子でも愛せる人だとは思う)。でも日本の養子縁組は要件のハードル高くて色々と難しかった。
昔、銀行のCDにお金を忘れた人がいて次に使った人が持って帰り、それが防犯カメラに写っていて泥棒になった事件があったけど、お金に困ってたら自分だってやってしまうかも。子供にはウソはばれるからつかないこと、誰もいないところで金目のものを拾っても盗らずに警察にとどけるか、見なかったことにして触らないかのどちらかにするようにと言っていますが、戦時中に食べるの無くてリンゴ落ちてたら食べるよね。
極限状態はその人により同じ条件でも違ってくるから一概に非難できない。それに人って欠点あるじゃない誰でも。それ考えるとレビューが難しくて書けませんでした。お涙頂戴的な映画に一見すると見える映画だけど、人間の持っている不完全さを描いたように感じました。
昔見た映画で奥さんのどこが良いのか?との質問に、「欠点を許してくれる」と答えた旦那がいて、その台詞が忘れられない。
この映画のテーマもそこにあるのかな。相手の欠点をどこまで許せるか。
灯台の旦那は奥さんの欠点も含めて愛していたのだろうね、冷静な判断ができればもっと良かったのでしょうけど、旦那自身も追い詰められ極限状態だったのでしょうね。
実母の旦那の言葉もまた良かった。私も許せる人になりたいと強く思う。
人間の弱さと、おろかだからこそ愛しいのではないか、許せる人は強いなと、色々考えさせられる映画でした。リアルでもネットでも誹謗中傷する人ほど脆く危うい感じがする、許すことは強くないとできないからね。
ラスト手紙も含め必見です。
人生に残る、大傑作に感謝
興味深い灯台のある無人島の生活から、最後のエンドロールイン映るかすかな映像まで、すべての瞬間がハイライトだった。後半はもう涙なしでは見られない。荘厳な空気に貫かれ、孤独の寂しさから夫婦の絆、そして子供、孫まで続く奇跡的な出会は深い愛情に包まれている。 島の風景、まぶしいまでの陽の光、どこまでも続く大海原、穏やかに吹く風はもう一作品ではなくて自分の体験となって一生忘れない。 こんな映画に出会えたことに感謝。
ルーシー・グレース
今になって本作を観てしまうと「ライトハウス」を思い出してしまう、灯台のテッペンには奇妙な存在でもある"デフォー"が待ち構えているような!??
劇的な展開を期待しながらも淡々と静かに進む物語にデレク・シアンフランスの前二作が個人的には傑作である為、何か先が読めるような物語構成で原作があるにしても消化不良気味な感覚。
ファスベンダーの役はライアン・ゴズリングが演じる筈だったように思えてしまう、色々がノイズになり物語自体に集中出来なかった。
ラストで号泣
デレク監督の作品は個人的にハズレなしです。
途中から観ているのが本当に辛くて、観たことを後悔するくらいでした。
しかしながら、常にどこかに希望があり、なんとかいい方向に向かってくれと念じながら観てました。
ラストのシーケンスでは号泣してしまいました。
あなたならどうします?的な…
こんな時あなたならどうします?的なストーリー面白い。灯台のある独特な風景も気持ちいい。でも、どこに焦点が当たっているのか。登場人物もいまいち存在感ない。何かをじっくり描いてくれたかというと不満。
【心に傷を負った戦争の英雄が絶海の孤島で出会った美しい女性と幼子:マイケル・ファスベンダーとアリシア・ヴィキャンデルの出会いの物語でもある。】
トム・シェアボーン(マイケル・ファスベンダー)と、イザベル(アリシア・ヴィキャンデル)の美しくも切ない恋物語。
二人の出会いから、愛し合うまでが大海の孤島を背景に美しく描かれる。
そして、子供に恵まれなかった二人に恩寵の様に海から現れた(息絶えた男と共に流れ着いた船に乗っていた)赤子。
二人はその赤子を様々な葛藤の果て、実子(ルーシー)として育てるが・・。
2年後、二人が埋葬した男の墓の前で、むせび泣く女性(レイチェル・ワイズ)の姿が・・。
<映画としても感動的な良作であるし、マイケル・ファスベンダーと、アリシア・ヴィキャンデルのその後の経緯を考えると、記念すべき一作。(余計なお世話か)>
<2017年5月27日 劇場にて鑑賞>
結婚とは、ある意味想定外の事故
異質なもの、人生の予定になかったもの、避けていたもの。ところがそのただ中に何故だかはまってしまうもの。そのアクシデントが「結婚」。
-DNAの恐るべき企みです。
生まれも育ちも趣味も理想も、そして今後の人生の計画からして全く異なる二人が何故か引き合ってしまう。
男と女という性別さえ違うのに!、磁石のプラスとマイナスのようになぜ男女は一体になろうとしてしまうのだろう。
トムがピクニックであっけなく落ちていくシーンに
「ちょっとトム?あんたそれで本当に良いの?」と慌ててしまった僕です。
トムもイザベラも一緒に暮らして上手くいくはずがない。
そもそも他者は体内に侵入しようとしてくる"異物"なんですから。拒絶のアレルギー反応が起こるのは当然と言えば当然だと思います。
成田離婚はアナフィラキシーってわけね。
てことは、免疫抑制剤が「愛」ということになるのかな・・・
別に舞台はヤヌス島でなくても良かった。
結婚は、誰も助けてはくれない孤島(=あなたのお家)での二人のサバイバル。アクシデントの後処理、終わることのない後始末。
-そう語っている作品ではないかなと思いました。
アウトドア派の二人ならそんなサバイバルも楽しいだろうが、文系の二人ならそれは苦役でしかない、というような。
結局、あの時、妻(イザベル)に首を縦に振ったことは果たして正しかったのか、他の道は自分にはなかったのか
孤島で、留置場で、自らと連れ合いの人生を省みる、
それが夫(トム)の人生。
対して最後の最後まで自分の満足しか頭にない妻(イザベル)の人生。通じ合えなかった妻。
それが映画の結末でした。
ヤヌス神の、決して向き合うこともなく、同じ方向を見る日も永遠に来ない2つの顔、
それが男・女が一体になるということなんですよ・・・
そんなふうに考えながら観ましたね。
ヤヌス島で起こった事件はデジャヴ感ありありでした。
よってこの映画はラブロマンスではなくローマ神話の悲劇的ロールプレイなのだと僕は思わされました。
「赦し」も、なんだかなー、「諦め・自己満足」にも見えて他者との関係性が希薄に見える。赦さないほうが本当の自分なんじゃないの?
トムも性懲りもなくルーシー=グレースや孫に会いたがるとはね。戦争でやはり壊れてしまってたか・・・
あまり責められないですけどね、僕に似ているもので。
オーストラリア の孤島 ヤヌス島 に来た灯台守
海に沈み出る太陽の美しさはスクリーン向きだったかも。
フランス戦線 、西部戦線を戦い疲れ切った男。
色黒アリシアは小顔美人。
あんな薄っぺらいお腹見せられたら、そりゃ無理やと思う。
レイチェルワイズは憔悴して美しさなし。
正しさを選ぶ男。
手紙
君を悲しませたことを赦して欲しい
夫か子供か究極の選択
また夫婦のキツいストーリー思いついたな。
最後に男を選ぶのはきれいすぎるか。
孤独な島暮らしのせいにするのもどうかと。
一度赦すだけでいい
そんなこと言える高潔な人間になりたい。
ルーシーグレース
孫までみせるとは
いい人間ドラマ
マイケルもアリシアも名優ですし、R・ワイズの方も名優。ストーリーは普通で、子供を持つことへの欲望、心の葛藤、子供は純粋で実母に引き取られるも馴染めないなど、ストーリーも演技もいいと思った。ただ、感動するような深い意味は感じられなかった。
んー
●2018年26本目(DVD鑑賞21本目)
ずっと観たかった作品。主演2人はこの作品がきっかけで結婚しましたね。
最初は幸せそうでいい映画だと思ったが他人の子供を育てるところから重くなってきた。単純な感動作などではなく人にすすめるかというとちょっと。
号泣するつもりだったのに泣けなかった。
結局、一番悪いのは誰だったんだろう。それをずっと考えながら観てたら泣けなかった。自業自得だし。悪い事はやっちゃいけないってことだよね。一番いい人はドイツ人の夫なのは間違いない。
切なく、悲しい物語 灯台が舞台なだけに、海のシーンが何度も登場する...
切なく、悲しい物語
灯台が舞台なだけに、海のシーンが何度も登場するが、スカッとした快晴ではなく、グレーの海 それが、物語を語っている
育ての親と生みの親、妊娠するが、何度も流産してしまう苦しみは、当人にとって、どれだけ辛いものか
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